Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

増田勇一のmassive music life

常にベストな選択をするのがKISS。そう信じたい。

2019.11.15 01:12

気になって気になってしょうがない。『END OF THE ROAD』と銘打たれたラスト・ツアーを展開中のKISSのことだ。

去る9月には北米二巡目のとなるツアーの終盤、ソルトレイクシティ、オークランド、ロサンゼルスでの一連の公演を開催直前になって延期。結果、その理由はジーン・シモンズの腎臓結石の緊急手術のためだと判明し、術後の経過も良好と伝えられ、10月30日から11月4日にかけてのKISS KRUISEも予定通り実施されたので安心していたのだが、今度はポール・スタンレーがインフルエンザに倒れた。その影響により、この11月16日にパースで開幕することになっていたオーストラリア/ニュージーランド・ツアーのスタートを19日まで遅らせ、パース公演の日程を同ツアー最終日にあたる12月3日に変更。ただ、その12月3日というのはそもそもニュージーランドでの公演が組まれていた日であるため、ニュージーランド公演は中止する、というニュースが報じられたのが現地(アメリカ)時間11月10日のことだった。

ニュージーランドのファンの気持を想うといたたまれないところだが、事態はさらに深刻に。11月14日、今度はオーストラリア・ツアー自体のキャンセルが発表されたのだ。

延期ではなくキャンセル。KISSのオフィシャルサイトにもきっぱりとそう書かれている。理由はやはりポールの病状によるもの。インフルエンザのみならず喉の感染症が発覚し、その治療には少なくとも2週間、通常通りのコンディションに戻るにはそれ以上の時間を要する可能性があることが判明したのだった。オーストラリアのファンの落胆の大きさには、計り知れないものがある。

そして同日、それ以外にも新たな情報が解禁となった。2020年も継続されるこのツアーのうち、まず中南米の公演日程が公表されたのだ。

中南米だけではない。さらなる北米ツアーの日程も発表されている。このツアーには、延期措置となっていたロサンゼルスとオークランド(3月)、ソルトレイクシティ(9月)の公演ももちろん含まれている。

しかも、これだけでは終わらない。すでに2020年の夏には欧州のフェス出演などが確定していたが、さらなるヨーロッパ・ツアーの日程、南アフリカ公演の日程も同時に発表されているのだ。

というわけで、今、KISSのオフィシャル・サイトを覗いてみると、2020年2月1日から10月2日に至るまで、実に70本を超える公演日程が一気に掲載されている。しかもこの『END OF THE ROAD』は2021年7月にニューヨークで“最後の最後”を迎えることが公表されていて、トップページではそれに向けての猶予が20ヵ月と少々だというカウントダウンも進んでいる。今回キャンセルされたオーストラリア/ニュージーランド・ツアーが、たとえば2020年の10月以降に再設定されることになる可能性があるのか否かについては、触れられていない。

そして何よりも気になるのは、12月8日、仙台で開幕を迎えるジャパン・ツアーへの影響だ。このブログを書いている11月15日の午前10時現在、僕のもとにはそれに関わる情報はまったく届いていない。確かにこれまで報じられてきたことを基に考えれば、ポールの病状は11月末までには回復が見込めるはずだ。ただ、予定通りのツアー実施を望みたいところではあるが、無理をして欲しくない、万全の体調でのパフォーマンスを観たい、というのもファンの本音だろう。

発売中のBURRN!12月号の巻頭特集のなかでポールは「すべては、何がその時点においてベストか、ということを基準に決めている」と発言している。正直、オーストラリア/ニュージーランド・ツアーの中止を報じた直後に2020年度の日程が一気に発表されたことについては、現地のファンの気持ちを考えると「いろいろ大人の事情もあるのだろうけど、もう数日遅らせるわけにいかなかったのか?」と感じざるを得ない部分もある。ただ、これもまた、誰よりもプロフェッショナルな活動により、誰よりもファンの期待に応えてきたKISSによる、今現在のベストな選択だったのだと信じていたい。

12月、最良の形での、日本での再会が叶うことを願っている。