【WSETL3合格体験記】JSA後の次のステップ
次の一歩へ、“WSET L3 Award in Wine” の奨め
Kamezoさん(2019年Level3合格)
Kamezoさんは2018年にL2を合格されて、JASでエキスパートに合格、その後L3にチャンレンジされました。英語で受験されたというつわものです。勉強してどのように変わられたのでしょう。
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WSET L3の受験を検討している方は、すでにJSAのソムリエやワインエキスパートの資格をお持ちの方、もしくは今年JSAを受験されて現時点で結果待ちや3次試験を控えている方も多いのではないかと思います。
地名や格付け、AOCの規定などの暗記、大変な時間と労力を使い覚えたことは、きっとそれぞれの財産になっていると思います。社会人になってもうこんなに勉強するなんて二度とゴメンだと思っている人もいるかもしれません、、、(笑)
一方で、資格を取得して多くの人が実感するのは、「これまでたくさんワインを飲んできたけれど、自分はワインのことがわかる入口にも立っていなかった」ということではないでしょうか? 私もそう思いました。しかも、せっかく苦労して覚えた産地名や品種名、メジャーなものはともかく、接する機会が少ないものは時間とともにどんどん忘れていきますよね。
そのような実感をお持ちの方には、次のステップとしてWSET L3に取り組んでみるのは良い選択だと思います。せっかくJSAで覚えた知識。それを立体的に組み立てて、ワインの「なぜ」、「どうして」に答えていきます。
WSETはレベルごとに何を習得するかが明示されています。 L2は「ラベルを読み解く」→主にブドウ品種の理解を通じて、ラベルを見てそれがどのようなワインか想像できるようになる。L3では「スタイルと品質をひも解く」→そのワインの持つスタイル(Style)は何に由来するのか、またどうしてその品質(Quality)になり、なぜその価格(Price)がつけられているのかという観点から学んでいきます。
「ナパバレーではジンファンデルやカベルネなどガッツリしたフルボディが多いのに、隣のソノマではエレガントなピノ・ノワールができるのはなぜ?」、
「オーストラリアはシラーズが有名だけど、マーガレットリヴァーでできるこのワインは、ボルドータイプのカベルネでとてもおいしい、しかもリーズナブル、なぜだろう?」。。。
気候条件からブドウ栽培、ワイン醸造、マーケティングまで、基礎的なセオリーを学んだ上で、それぞれの産地にどのように当てはまるかに応用していきます。このトレーニングを積んで、さらに研鑽を積んでいけば、一杯のワインを飲んだ時に、そのワインが作られた産地の気候や風景、畑やワイナリーでの作り手の技法にまで想像が膨らんでいくようになるかも知れません。また品質と価格に関して、これまで以上に的確な判断が下せるようになるでしょう。
少し話が逸れますが、アキ先生の講座がなぜわかりやすいかの一つに、先生がWSET Diploma の取得を通じて、この Why-Because がしっかり身についている、という点があるのだろうなと今になって気づかされます。
海外でワイナリー訪問をする時、生産者が来日してお会いする機会がある時、WSET保持者というだけで相手もこちらに一定の知識があると理解してくれます(実際に経験しました)。できれば自宅での勉強では英語のテキストも手元に置いて、対比させながら「この醸造用語は英語では何ていうのかな」、と興味を持つ事が出来れば更にコミュニケーションも深まります。(日本語版のテキストの訳文が今ひとつこなれていない点からも、英語テキストを時々参照するのはお奨めです)