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『 白銀の墟 玄の月』感想(10)驍宗の行方【真相】

2019.11.17 01:00

3,4巻の発売から一週間以上経ってしまいました…


でも何度も読み返してきたので今回もバッチリ考察していこうと思います。


だって、


これ完結じゃないじゃん??(^o^;)


でしょ?

まだ謎も残ってるし心残りも残ってるし、


続きあるでしょ?!(くださいお願いします!!!。・゚・(ノД`)・゚・。)


ということで、


ネタバレ注意!!!


感想(9)でも少し重複することもあるかと思いますがご了承ください。





まず、




驍宗の行方はやはり函養山深部!


だから言ったろ?!( ・´ー・`)どや←うざくてすみません


李斎たちは驍宗が函養山から出た、という前提で推察していましたが、僕といたしましては、もし驍宗が人々の手を借りて外界にいるなら、必ず何かしらアクションを起こしていると思ってました。


6,7年もまったく所在不明で沈黙しているのは、やはり閉じ込められている、と考えるのが妥当です。



故に、函養山は巨大な監獄!

だったんですね!



しかし、僕は感想(2)で「要石(かなめいし)を抜くと坑道が崩落する仕組みがある」という点に着目してましたが、そんなまどろっこしい小技は使いませんでした(笑)


狸力(りりき)という妖魔を使って大崩落を引き起こす


という荒技で閉じ込めていたようです(・_・;)


なんという大胆な作戦www



また、

妖魔・妖獣が掘り出される、という情報は、

驍宗がこの暗闇から抜け出す手段として野生の騶虞(すうぐ)を捕まえる


の伏線だったのですね。



ついでに、驍宗が持っているはずの戴の宝重(たから)は、やはり驍宗が持っており、それは手鐲(うでわ)でした。




そして驍宗が函養山で襲われたときの詳細が回想されます。



驍宗は、


罠だろう、とは思った

ようです(・・;


さらに、


いつの間にか、阿選は起つだろうと確信していた

のだそうです…!_| ̄|○ il||li


気づいてたのね…


阿選麾下すらまったく気づいてなかった事実ですが、悪意や敵意を向けられる側はやはり気づきますわな。そういうもんだ。


それでも罠に嵌ったのは、烏衡(うこう)というクソ野郎が、まさか賓満(ひんまん)をつけているとは思わなかったからです。


というより、阿選が正々堂々と真正面から来ず、賓満などという、ある種の裏技を駆使して倒しに来るとは思わなかった、ってことかなぁ。


そもそも妖魔を操るのは一般の武人には無理なので、その裏に琅燦がいる、というところまで分かってないと事前に予知することは不可能だったと思います。



しかし、阿選の謀反を確信していた理由としては、やはり二人が似たもの同士であり、思考も似通っていた、ということもあると思います。



驍宗が昇山したとき、泰麒に会って王に選ばれなかった当初、麾下たちにこんなことを話しています。


「あの麒麟がどのような者を玉座に据えるか、―その者如何によっては、私は玉座を掠め取ろうと思わないとも限らない」

「火種を残すべきではない」


そして、仙籍を返上して戴を去ると話していました。


このとき、驍宗は阿選が王になる可能性も考えていたと思います。自分が王ではないのなら、阿選では…?と。


そうなったとき、驍宗は阿選の臣に素直に下れるかというと、そうならないかもしれないという自分の心情を冷静に分析しています。


だからこそ、王となった驍宗の臣下として側にいる阿選の心情は、手に取るように分かったのかもしれませんね。



玉座を掠め取ろうとするかもしれない自分を危惧して、全ての地位と名誉を捨てて戴を出る覚悟をした驍宗と、捨てきれずに新王の臣下としてそこに居続けた阿選。ここに二人の相違があります。


もしかしたらこれが、王になる器とそうでない者の差かもしれません。


真に、すべてを捨ててでも戴という国にとっての最良を選べるか否か。


阿選は自分のすべてを捨ててでも国を案じる、ということはできなかった、というわけです。もし戴国を思うなら、国の行く末を妨げてしまう自分という存在を、この国に留まらせてはいけなかったんでしょうね。


にしても、自分のすべてを捨てられるか否かの選択を迫られる、王という立場。なんて厳しいんだろう…(・・;)




また、函養山深部に閉じ込められていた驍宗が、それでも生き長らえていた理由。


これは感想(9)でも少し語りましたが、


驍宗に恩義を感じている民の心が生かし続けた


ということでいいでしょう。


1,2巻で、供物を捧げる少女一家が出てきましたが、3巻の記述をみると、供物を捧げていたのは少女一家だけではないようです。



この穴は、こうして流れる供物を始終呑み込んでいる。

谷川の上流から、それは頻繁に流れてくる。



流れてきたものは全て驍宗の手元にやってくるわけではないみたいですが、たくさんの供物のほんの一部が、水中に沈まずに届くことがあるよう。つまり、供物はそれほどたくさん流されてくるのでしょう。


これらはおそらく、白幟の巡礼とも関係あると思います。



白幟は轍囲の生き残り


これは感想(7)で予想した通り、驍宗を探す者たちでした!∠( ゚д゚)/


轍囲の生き残りだったのですね!そして、轍囲の人々と驍宗の繋がりは阿選の予想を遥かに超えて、驍宗を生かすことになったということです。


白幟は山に入り込んで、神仙が蘇っていないか確認している、、という話でしたが、おそらく彼らは山に入って、驍宗の無事を祈りながら供物を流していたに違いない。



これもまた詳しく語る予定ですが、驕王の時代、驍宗は功を捨てて道義を取り、軍を辞したことがあります。


驍宗は軍人であっても、心は常に国の人々に向けられており、為すべきことを冷静に判断できる。


これが結果的に民の心をつかみ、驍宗を生かす要因となりました。王の王たる所以であるとも言えます。


阿選は功と道義を冷静に見比べ、自分の取るべき選択ができなかったし、できなかった自分にひどく羞恥を感じたといいます。



今回、阿選はこれでもかというほど墜ちていく描写があるのですが…


阿選麾下たちが慕っていた阿選なので、それまでは本当に驍宗と並んで素晴らしい人物だったんだな、という事実。そして、そんな傑物でもちょっとした判断の間違いから奈落に落ちていくことがあるのだ、ということに、僕たちは決して物語の中の話と思わず、自分のこととして身を引き締めて行かなければな、、と背筋が凍る思いでした(TдT)



では次回、阿選について語り尽くしたいと思います。