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坊ブロ「NAM-NAM!!!」2限

2019.11.16 13:16

こんにちは!

黒潮美遊、踊り子・円福寺副住職 

平幡龍正です!


前回は月輪観のお話をさせていただきましたいた。

今回は七福神のお話をさせていただきます。


七福神のお話〜神様もやきもち焼く〜 


円福寺と七福神はあまり関係はないのですが、お正月になると七福神のイラストの年賀はがきなどで、優しいお顔をした7人の神様を目にする機会が多いと思います。


AKB48の総選挙でも7位圏内に選ばれたメンバーを総称して神7(かみセブン)といっているのも、きっと七福神からきているのかもしれません。笑


そんな七福神のなかで、紅一点、唯一の女性の神様が弁天様こと弁財天(べんざいてん)です。


イラストや像だと優しいお顔をされていますが、実は弁天様ってすごく嫉妬深い神様なんです。


上野の不忍池(しのばずのいけ)や江ノ島神社にデートで行くと弁天様がやきもちを焼いてカップルを破局させてしまうという都市伝説もあるくらい、弁天様のやきもち焼きは有名です。


その弁天様にまつわるエピソードをご紹介します。


ある一説に過ぎませんが、弁天様が七福神の地位になる前は、まったく別の女性の神様が七福神のメンバーでした。

吉祥天(きっしょうてん)という、これまたお美しいお姿をした神様です。吉祥天はとても優しい神様として有名で、どんなことでも許してくれる寛大な心の持ち主です。


そしてなにより重要なのは、七福神の男性陣の1人である、毘沙門天(びしゃもんてん)の奥さまでもあるということです。


毘沙門天は七福神のなかでもいちばんハンサムな神様です。

まだ七福神のメンバーになる前の弁天様は毘沙門天に恋をしておりました。

そして、神様あろうことか、奥さまである吉祥天にえらいやきもちを焼いてしまいます。


弁「なんなの!?吉祥天って!私の好きな毘沙門天の隣にくっついて!!」


そんなことを思っていた弁天様は吉祥天にこんなことをお願いします。


弁「ねえ吉祥天様!毘沙門天様を、私に譲ってくださる??」

そのお願いに吉祥天は、


吉「良いわよ。夫の毘沙門天も七福神の席もあなたに譲るわ。」


このようにあっさりと弁天様に七福神の席ごと毘沙門天を譲ってしまいます。

先にお話しした通り、吉祥天はとても優しく寛大な心の持ち主であったため、嫉妬深い弁天様であろうとも優しい対応をしてしまうのです。


こうして、弁天様は今日まで、七福神の紅一点として君臨しています。

なんだか昼ドラのようなお話ですね。

実際に鎌倉時代までは吉祥天は深く信仰されていましたが、室町〜戦国時代までは弁財天が信仰の座を獲得します。そして江戸時代以降からは、弁財天がメンバーとしての七福神が、広く信仰されています。


2人の性格を現代風に比較すると、吉祥天はどんなことでも許してくれる心優しい女性に対して、積極的でどんなことでもはっきりと物申す女性が弁財天といったところでしょうか?


女性の社会進出が話題となる時期がありましたが、時代の背景とともに、神様や仏様の信仰にもその時代のニーズがあるのかもしれませんね。


余談ですが、吉祥天には黒闇天(こくあんてん)という妹がいて、とってもブサイクで災いをもたらす神様らしいです。笑

神様・仏様にも御利益のほかに、キャラクターや性格がしっかりとあるので、面白いですよ。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


合掌