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八景フィルハーモニー管弦楽団

第47回定期演奏会~スメタナとチェコ・アイデンティティ-1~

2019.11.17 11:48
第47回定期演奏会で取り上げるスメタナの連作交響詩「我が祖国」について、その作品の背景についてご紹介します♪

フランス人やロシア人やイギリス人は自民族の生き残りそのものについて問うような習わしはない。彼らの国歌はただ繁栄と永遠だけを歌っている。しかしながらポーランドの国歌は『ポーランドは未だ滅びず…』という詩句で始まるのだ。上の文は、現代チェコを代表する作家で、映画化された『存在の耐えられない軽さ』などの著作がある、ミラン・クンデラ(1929〜)の論説「中欧の悲劇(The Tragedy of Central Europe)」(1984)の一節である。ここにある通り、ポーランドの国歌は「ポーランドは未だ滅びず。私たちが生きる限り。」という歌い出しであり、チェコの国歌は「我が家は何処?」というタイトルと歌い出しである。そして、ハンガリーの国歌には「神よ爾(なんじ)が苦難を与えしマジャールの民を安息の地へと導き給え」という歌詞がある。これらの3か国の国歌に共通するのは、クンデラが言うように長く他の《民族》に支配されてきた歴史を持つが故に、《民族》としての自分たちの存在や、自分たちが帰属する国家の存在、つまり民族や国家のアイデンティティをそれぞれの表現で問うていることである。


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