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「宇田川源流」 中国共産党の「重大な人権違反国家の実態」が米紙で公開されることの「アメリカ側の考え方」

2019.11.20 22:00

「宇田川源流」 中国共産党の「重大な人権違反国家の実態」が米紙で公開されることの「アメリカ側の考え方」

 香港理工大学に香港の警官隊が一気に突入し、そのことによって香港の強硬なデモ隊が傷ついた。しかし、実際に現地に電話などで話を聞いてみると、「これで終わるはずがない」というようなことが多く言われている。実際に、立てこもったデモ隊は、かなり過激な行動をする人々が中に含まれており、また軍隊ではなく警察官が突入していることから考えれば、60年第70年代の日本の安保騒動とあまり変わらない。つまり、日本人個人や史的団体が支援することは可能であっても、このことを見て日本政府が中国共産党や香港行政を非難すれば、内政干渉ということになることは間違いがない。習近平やそのスタッフたちはそのようなところをしっかりと計算して行っている。ネット上、香港を支援すべきとか、日本は何をしているなどという声が多いが、人権違反と内政干渉との境目をどのようにつけて考えるかということはかなり重大な問題だ。相手が人権違反国家であったとしても日本政府が愛国無罪なことをしてはならない。

日本の場合、外交上において国際法などを無視して「~~すべき」というような論拠を振り回す人がおおい。そのうえそれを否定されれば、すぐに誹謗中傷をする風潮があるが、実際に、そのような短絡的な行動で国際的に不利な扱いを受けるようになることは、著しく国益を反することになる。そのことを考えるべきだ。

今回の香港のデモの件で、意外にもアメリカやイギリスが介入するのではないかというような声が多い。それもアメリカやイギリスの企業人などがそのようなことを言う。イギリスは、ある意味で旧宗主国であるから特別な干渉があると思われるが、アメリカなどは、実際に香港と何の関係もないので、その対応はかなり慎重であると考える。実際に、米中貿易戦争の中であり、これ以上やれば双方戦争になるということになる。トランプ大統領は軍資金が枯渇している中、アメリカ単独で中国との戦争をすることは好まないと思うので基本的にはロシアやヨーロッパを巻き込むことになる。その意味では「決定的な多国籍軍編成の大義名分」が必要なのである。

香港の人々は、それができていない。

アメリカは、その間にウイグルにおいて「人権問題」を提起したということになる。


米紙、中国のウイグル弾圧を報道 詳細指示記す内部文書

 【ニューヨーク共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は16日、中国の少数民族ウイグル族に対する弾圧に関連する中国政府の内部文書を入手したと伝えた。習近平国家主席による非公開演説の記録のほか、ウイグル族の強制収容を巡る地元政府への詳細な指示が記されている。

 文書は24通で計403ページ。提供した中国政界関係者は強制収容を「過ち」と考え、習氏ら共産党指導部が責任から逃れることがないよう公開するべきだと考えたという。同紙は、党内に弾圧への異論が根強く存在していることがうかがえると指摘した。

2019/11/17 共同通信社

https://this.kiji.is/568717442054636641


中国のウイグル収容施設500か所近くを確認 100万人超が被収容の恐れ

 【11月13日 AFP】人権団体「東トルキスタン国民覚醒運動(ETNAM)」は12日、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の少数民族ウイグル人らが拘束されている収容施設や刑務所を、500近く確認したと発表した。約100万人が収容されていると一般的に言われてきたが、同団体はそれよりはるかに多くの人が中国政府に拘束されている恐れがあると主張している。

 米ワシントンを拠点とするETNAMは、イスラム教徒が多数を占める新疆ウイグル自治区の独立を目指す人権団体。グーグルアース(Google Earth)で地図画像を調査し、ウイグル人たちに自身が持つ文化を捨てるよう圧力をかけているとされる「強制収容所」とみられる182か所の位置を地図に示した。

 刑務所とみられる施設209か所と労働収容所とみられる施設74か所も特定した。これらの詳細については後に共有するという。

 ETNAMのカイル・オルバート(Kyle Olbert)氏はワシントン郊外で記者会見を行い、「これらの(施設の)大半は、これまで確認されていなかった」と述べ、拘束されている人の数は従来考えられていたよりもはるかに多い恐れがあると指摘。「それどころか、われわれが確認できていない施設がさらにあるのではないかと懸念している」と語った。

 活動家や目撃者らによると、中国政府はウイグル人たちを拷問にかけて多数派の漢民族に強制的に統合しており、イスラム教徒のウイグル人に礼拝や禁酒、豚肉を食べないなどの信条を捨てるよう圧力をかけている。

 オルバート氏は、中国政府の政策は「投獄による大虐殺」であると表現し、ウイグル人が永久に拘束されるのではないかと懸念した。

 中国政府は当初、収容所の存在を否定していたが、イスラム教徒に職業訓練を提供して過激思想を持たないようにしていると政策を正当化している。(c)AFP/Shaun TANDON

AFP 2019年11月13日 13:59

https://www.afpbb.com/articles/-/3254513


 さて今回はウイグルである。日頃トランプ大統領に「フェイクニュースの主役」と酷評されているニューヨークタイムズのスクープであり、なかなか面白い。私も実際に原文でこの記事を読んだが、記事の平文よりもこの写真で掲げられた文書そのもののインパクトがかなり強い。中国語と英語の書面であるが、かなりすごいので、これは一度多くの人が見てくれた方が良いのではないかと思う。少なくとも中国に進出している企業の関係者特に、中国の担当役員や責任者は、必ず読むべきである。日本企業は「日本人だから関係ない」とか「経済と政治は違う」などということを言う人がいるが、実際に、そのようなことを言っていて何とかなるような話ではない。単純に言って「中国」は「共産主義・社会主義国家」である「政治と経済は連動している」状態である。なおかつ、その共産党政権下で経済活動しているということはすべて中国共産党の許認可で、共産党の役に立つと考えられてそのまま商売を行っているものであり、中国共産党によって迫害されている少数民族を迫害する資金を提供しているものであり、現地では彼らに同一視して恨まれても仕方がないということである。当然に、それだけのリスクを現地従業員は追っているということになる。

2012年の反日デモの時に、日本系の会社が行う店舗に中国の従業員が集まった。日本人の店長が「危険だから家に帰りなさい」といったら、その後押し寄せたデモ隊の先頭に帰した従業員がいたという。日本人の前では従順なようでも、一歩中国人社会の中に入れば、その社会の中に溶け込む。裏切るとか、そういうことは全く関係なく、その場の雰囲気で自分の態度を平気で変えるのが中国人だ。そのような「日本企業の従業員である中国人」が、彼らウイグル人を日本の企業の社章をつけながら迫害し、差別している可能性は十分にありうる。

さて、この文章を見て「中国は、そのような国である」というのは、至極当然のことだ。今更驚かない。問題は「なぜ今このタイミングでニューヨークタイムスがこの文書を出したか」ということである。

単純に、上記の様に香港の件に関しては香港の警察が出ている間は、アメリカといえども「内政干渉」になるので、それを大きく取り扱うことも介入することもできない。では、その内政干渉にならないようにするためには、ナチスドイツのように「人権にかかわるホロコーストが行われている」としなければ世界を動かすことはできない。そこで、香港は人種差別的なことができないので、中国の国土の反対側出るウイグルにおいてホロコーストが行われていることを大きく出し、そのうえで、ホロコーストの解消を表に出し、そして、中国へに避難を世界的広めるということである。同時にニューヨークタイムスがそれを行ったということは、日本で言うところの朝日新聞が安倍の外交の背中を押しているというのと同じである。つまり「トランプとか共和党とかではなく、アメリカの総意として中国を非難する」というメッセージ性の強いものになったということになる。単純に、「中国と融和する」などということを、次の民主党の大統領候補が言い始めたり、中国から献金を受けていることを封じる効果もあるということになる。中国から支援を受けることはホロコーストを肯定する人というレッテルが張られることになるからだ。

このようにして、世論を作った後に、香港に介入するというようなこと、つまり「大義名分を作る」ということになる。香港の人々がこのようなことに気づくかどうか。それによって戦い方は変わってくるはずである。同時に、日本政府は、「ホロコーストを支援する国」に下がるのかどうか。そのことを考えてみるべきではないか。