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愛する石と「さようなら」をした話

2019.11.21 07:16


石が好きだ

ブレスレットもネックレスも原石も

数えきれないくらい持っている


前日の夕食を思い出せない時もあるというのに

石たちに関しては

いつ、どこでお迎えしたものか、全て覚えている

それを愛と呼ぶのかは分からないから

そういう星の下に生まれたのだ、と考えることにする



✶



どんなに大好きな人とでも必ず

「別れのとき」があるように

石との間にも「別れのとき」は存在する


目と目が合った瞬間に

火花散るように惹かれ合った出会いでも

なんとなく気になる、から

すごく気になる、に変化して

忘れられない…!に到達した出会いでも

出会い方は何であれ

必ず「そのとき」は訪れる



✶



つい最近も、とある石とお別れをした

わたしが辛いときや

頑張りたいときに手に取っては

背中を押してもらったり

勇気をもらったりしていた子だ


本当はまだ一緒にいられた


だけれど

その子を通して見る未来と

いまのわたしが行きたい未来との間に

大きな隔たりがあること

そして

その子を通して見る未来は

いまのわたしが超えたい壁であることに気が付いて

地球に還すことを決めた


✶


当然だけど

すぐには決められなかった

思い出もたくさんあったし

一緒に同じ夢を描いて二人三脚で歩いてきた

大切な仲間だったから


けれど

いまのわたしが行きたい未来を思い描いたときに

その子と一緒にいる未来は描けなかった


正確に言うと

その未来を「思い描くこと」は出来た

しかしそこには

聞くに耐えない不協和音が響いていた


ああこれは、もうおしまいなんだな、とおもった



✶



お別れすることを決めて

それを石に告げたときの

あの子の

ホッとしたような優しい笑顔を

わたしは忘れられない

あんなに優しい顔は

いままでにいちども見たことがない

いつもわたしを奮い立たせてくれる存在だったから


掌に載せたその子から

わたしの決断を心から喜んで

応援してくれていることが伝わってきて

泣いてしまった


どんなときも無償の愛で

わたしのそばにいてくれたこと

どんなときもわたしのために

全力で力を貸してくれていたこと

きっとわたしが愛する以上に愛してくれていたことを

最後の最後で本当に理解して

泣いてしまった


✶


いざ地球に還すそのときには

とても穏やかな顔をしていた

やりきったよ、悔いはないよ、という顔


わたしももう、涙は出なかった

石の意志をしっかり受け取ったから


もう二度と

その手を取ることは出来ないけれど

地球の一部として

これからもきっと側にいてくれるから



✶



長々と書いてしまったけれど

わたしが愛した石へのお別れの言葉と共に

この記事を終わりにする



そしてわたしと同じように石を愛する人へ

これから愛したいと願う人へ

ここまで読んでくれたあなたへ


どうか

いまそばにいる石たちと

これから出会う石たちと

たくさんたくさん愛し合ってください


そして出来たらこの話と感想を

あなたの愛する石にも伝えてください


石を愛するあなたが

彼らと共に行く日々が

たくさんの光に満ちていますように




✶✶




大好きだった、あの石へ


寂しいけれど大丈夫だよ

これはあなたが

望んだことでもあったんだね


ありがとう

あなたがいてくれたから

わたしはここまで来ることが出来ました


どうかそこから見ていてね

あとはもう、やるだけだ


あなたと描いた夢の上に

新たな大きな夢を描くよ