「宇田川源流」 ＜現代陰謀説＞ 政権が困ると芸能人が逮捕されるという「陰謀論」のあまりに頭の悪い主張
「宇田川源流」 ＜現代陰謀説＞ 政権が困ると芸能人が逮捕されるという「陰謀論」のあまりに頭の悪い主張
陰謀論の中には、あまりにもおかしくて話にならないものもたくさんある。はっきり言ってしまって、まあ、自己都合で勝手な妄想を行い、そして自分が無力で何もできない場合に、それらの場合は単純でなおかつ身勝手な妄想において話が始まることのにある。基本的に一つの目的性でしか物事を見て語らないことから「一つの現象を一つの方面からしか語ることがなく、全体の関係性などを全く無視して陰謀論を作り上げる。」ということになる。そのことから、なぜか「刑法犯が無罪になる」とか「脈絡がないものが関連性を持つ」などの問題が出てくることになる。
これらの特徴は「正常なこと」が行われていることが、いつの間にか陰謀ということになる。この手の「陰謀論」の特徴は「新たな犯罪の誘発になる」だけではなく「犯罪の症例または犯罪を許容することによって巨悪を退治する」というような構造になってしまっており、文化大革命の中華人民共和国において行われた「愛国無罪」と同じような構造になってくるのである。
ここまでくればお分かりと思うが、実際に、この手のあまりにもおかしな陰謀論の多くは、基本的には共産主義者などの人間が何らかの権力に抵抗するときに、その抵抗の道具として使うことがほとんどである。つまり、犯罪を犯したものを正当化し、その正当化した犯罪をきっかけに権力構造や国家組織を反抗するというような奥的で作られる陰謀論である。まあ、このような陰謀論そのものは、はっきり言って頭が悪いとしか言いようがないようなものであり、また、実際に作るものであれば、しっかりとしたファクトを積み重ねるものであるが、これらの場合は稚拙で話にならないものばかりであるということになってしまう。まあ、ここで取り上げるようなものではない。
実際に考えなければならない内容は、「そのような稚拙な陰謀論」ではなく、その陰謀論に触発されて起きるもう一つの陰謀について着目したい。
ラサール石井さん「次期逮捕予定者リストがあって、誰かがゴーサイン出してるでしょ」沢尻エリカさん逮捕の報道後にツイート
11月16日夕方、女優の沢尻エリカさんが合成麻薬を所持の疑いで逮捕と報じられた。来年の大河ドラマ出演も予定されている沢尻さんの逮捕にSNSではさまざまな声があがっていたようだ。
作家の猫組長さんは
そろそろ沢尻エリカの逮捕は安倍首相の陰謀論説が出るころではないでしょうか。
とツイート。
それと前後し、映画評論家の町山智浩さんは
桜を見る会からテレビの関心をそらすために沢尻エリカを逮捕。
とツイート、その後「Bad joke」との字幕が入ったGIF画像を続けてツイートしていた。
タレントの松尾貴史さんは
桜から合成麻薬に目を逸らし
（安倍の仲間漏）
とツイート。他のユーザーがテレビのニュース画像をアップして
「警視庁がマスコミにリークしてんじゃん 昨夜自宅から出てきた沢尻容疑者の画を押さえてるって」
とツイートしたものを引用し
桜を見る会から沢尻氏を見る会にキューが出た？
と続けた。
また、タレントのラサール石井さんは
まただよ。政府が問題を起こし、マスコミがネタにし始めると芸能人が逮捕される。これもう冗談じゃなく、次期逮捕予定者リストがあって、誰かがゴーサイン出してるでしょ。
とツイートしていた。いずれのツイートも反響を呼び、さまざまな返信が寄せられていたようである。
2019年11月16日 19時05分 ガジェット通信
https://news.nifty.com/article/entame/movie/12259-469107/
今回の沢尻エリカの薬物所持による逮捕は、当然に、沢尻エリカの単独犯罪でありなおかつ、その犯罪は法律に違反しているもので、その法律違反そのものが社会的に制裁されるべきものであることは間違いがない。薬物犯罪とはそのようなものであり、実際に、そのことによって、薬物犯罪を犯していたり、あるいは少しだからといって何とかなるようなものではないというような状況になる。よって当然に処罰しなけれなばらないというものになる。
しかし、その逮捕に関して「安倍首相が桜を見る会の追及から逃れるために対尾させた」という。まあ、経済犯罪などというものはそのようにタイミングよく行われるものでもなく、また、都合よく証拠が出てくるものでもない。また刑事事件の容疑者が証拠隠滅などもせずに逮捕を待っていてくれるようなものではないので、刑事事件に関しては証拠が集まり逮捕令状が出次第、すぐに着手することになる。もちろん、一日くらいの前後はあると考えられるが、それでもスキャンダルのタイミングと逮捕のタイミングを合わせるのはかなり難しい。
まあ、もしもそのような力があるとすれば、単純に何故閣僚二人の辞任の時にそのようなことにならなかったのかということにもなるし、そもそも逮捕されたとしてもマスコミが報道しなければよいだけの話であって、この一連の陰謀からマスコミを外していることが非常に興味深い。
単純に言えば、これらの「くだらない陰謀論」は、そのまま「陰謀論によって敵味方を分離する道具」になっており、愛国無罪の紅衛兵が共産主義者かそうではないかというような判断基準の道具として使っていたということになるのである。何しろ愛国無罪は、そのまま元国家主席であった劉少奇を殺してしまうほどの威力を持っていたのである。同様に、それらの「くだらない陰謀論」が、たとえが今回の沢尻エリカの逮捕によって、その沢尻エリカのファンや、あるいは沢尻エリカによって迷惑をこうむった人を選別し、そのうえで、政治不信を起こすような陰謀になっている。
中には本気で安倍首相の陰謀と思っている人もいるが、まあ、普通はそのようなことを考える人はいない。実際にはそのようなあり得ない話を広めつつ、その意味で政治不信を広めることが大きな目的でありなおかつ、そのような内容を作ることであるといえる。
つまり、片方であまりにも馬鹿な内容を広めつつ、片方で「選民思想」を行うということになる。このようなことを広めているラサール石井などもすべて「使い捨ての駒」として使われ、そのまま一章に相当されることになることは明白であるが、まあ、そのようなことに気づかない人が利用されているということになるのである。まあ、中国共産党のやり方であるから、それくらいのことはするのが普通だ。
まあ、そのような陰謀に与する必要もないのであるが、せっかく陰謀説を書いているので、一応書いておこうと思った。