アマチュア流星観測最前線③「FM電波 ( FRO ) 編」
2019.11.10 12:02
1970年代に普及したときは、レシーバーで反響音を耳で捉えカウントしたり、ペンレコで反響音を記録していた。原理は流星が出現すると電離層にイオン層が出来て、普段聴けないFM局の電波が反射して聞こえることで観測できた。昼間でも悪天候でも関係なく反射音を捕捉できるのが利点で、流星群の極大時刻は確実に決定できた。さらに反射音(エコー)が電圧で記録できることがこの観測方法の飛躍的発展を促進し、今では国内あちこちに受信局があるだけでなく、放送局のように許可をうけ電波を出す施設(大学)も出来た。受動観測から能動観測への大転換である。受信アンテナからチューナーを経てパソコンに終日自動記録され、周波数分析(FFT)された画像が毎日更新されて個人のサイトにアップされている。当然高感度カメラとの時系列連携で大火球もキャッチされている。専門的にはFFTというよりもウェーブレット解析(声紋)に近く、流星の軌跡をエコーで解析することで大気圏での流星の振る舞いが視覚的に把握できる。まるで写真のようにカラー化されたエコー画像は見るものに発光から消滅までをドラマティックな感動として与えてくれる。付図は川地様(大垣)サイト。( 河越 彰彦 )
【緊急】アマチュア流星観測研究、第一人者の藪保男先生が9月27日ご逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。先生のご活躍は次でご紹介させていただきます。