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 シルバヌバヌチの霊蚓

🕊シルバヌバヌチの䜿呜

2019.11.22 01:00

叀代霊は語る 

第䞀章 シルバヌバヌチの䜿呜


巻頭蚀 

あなたがもしも叀き神話や䌝来の信仰を持っお足れりずし、あるいは既に真理の頂䞊を極めたず自負されるならば本曞は甚はない。

がもしも人生ずは䞀぀の冒険であるこず、魂は垞に新しき芖野、新しき道を求めお已たぬものであるこずをご承知ならば、ぜひお読みいただいお、䞖界の党おの宗教の背埌に埋もれおしたった必須の霊的真理を本曞の䞭に芋出しおいただきたい。

そこにはすべおの宗教の創始者によっお説かれた蚓えず矛盟するものは䜕䞀぀ない。

地䞊生掻ず、死埌にもなお続く魂の旅路に必芁䞍可欠な霊的知識が語られおいる。もしもあなたに受け入れる甚意があれば、それはきっずあなたの心に明りを灯し、魂を豊かにしおくれるこずであろう。                     

シルバヌバヌチ

                      

          

はじめに

シルバヌ・バヌチ Silver Birch ずいうのは、英囜のハンネン・スワッハヌ・ホヌムサヌクル Hannen Swaffer Home Circle ずいう家庭亀霊䌚においお、䞀九二〇幎代埌半から五十幎䜙りにわたっお教蚓を語り続けおきた叀代霊のこずで、玀元前䞀〇〇〇幎ごろ地䞊で生掻したずいうこずです。

もちろん仮りの呌び名です。これたで本名すなわち地䞊時代の姓名を教えおくれるよう䜕床かお願いしたしたが、その郜床、

 「それを知っおどうしようずいうのですか。戞籍調べでもなさるお぀もりですか」 ず皮肉っぜい返事が返っおくるだけです。そしお、

人間は名前や肩曞にこだわるからいけないのです。もしも私が歎史䞊有名な人物だずわかったら、私がこれたで述べおきたこずに䞀段ず箔が぀くず思われるのでしょうが、それは非垞にタチの悪い錯芚です。前䞖で私が王様であろうず乞食であろうず、倧富豪であろうず奎隷であろうず、そんなこずはどうでもよろしい。

私の蚀っおいるこずが成るほどず玍埗がいったら真理ずしお信じお䞋さい。そんなバカな、ず思われたら、どうぞ信じないで䞋さい。それでいいのです」 ずいうのです。今ではもう本名の詮玢はしなくなりたした。 

霊芖家が画いた肖像画は北米むンデアンの姿をしおいたすが、これには䞉぀の深い意味がありたす。

ひず぀は、実はそのむンデアンがシルバヌ・バヌチその人ではないずいうこずです。むンデアンは蚀わば霊界の霊媒であっお、実際に通信を送っおいるのは䞊玚神霊界の高玚霊で、盎接地䞊の霊媒に働きかけるには䜙りに波長が高すぎるので、その䞭継圹ずしおこのむンデアンを䜿っおいるのです。

もう䞀぀は、その䞭継圹ずしおむンデアンを䜿ったのは、ずかく癜人䞭心思考ず科孊技術文明偏重に陥りがちな西掋人に察し、いい意味での皮肉を蟌めおいるこずです。

むろん、それだけが理由の党おではありたせん。むンデアンが人皮的に霊媒ずしおの玠質においおすぐれおいるずいうこずもありたす。

そのこずは同じ英囜の著名な霊媒゚ステル・ロバヌツ女史 Estelle Roberts の支配霊レッド・クラりド Red Cloud、グレむス・クック女史 Grace Cook の支配霊ホワむト・むヌグル White Eagle などがずもに男性のむンデアンであるこずからも窺えたす。

そしお衚向きはそのこずを倧きな理由にしおいるのですが、霊蚀集を现かく読み返しおみたすず、その行間に今のべた西掋人の偏芋に察するいたしめを読み取るこずが出来たす。

さらにもう䞀぀泚意しなければならないこずは、どの霊姿を芋る堎合にも蚀えるこずですが、その容姿や容貌が必ずしも珟圚のその霊そのものではなく、地䞊時代の姿を䞀時的に拵えお芋せおいるにすぎないこずが倚いこずです。シルバヌ・バヌチの堎合も、地䞊に降りる時だけの仮化粧ず考えおよいでしょう。

 

さお、シルバヌ・バヌの霊蚓は「霊蚀集」の圢でこれたで十䞀冊も出版されおおりたす。ホヌムサヌクルの蚀葉どおり、ロンドンの質玠なアパヌトでの非垞に家庭的な雰囲気の䞭で行われ、したがっお英囜人特有の内容や、その時代の䞖盞を反映したものが倚くみられたす。

たずえば第二次䞖界倧戊勃発の頃は 「地䞊の波長が乱れお連絡がずれにくい」 ずか、 「連絡網の調子がおかしいので、いた修理方を手配しおいるずころだ」 ずいった興味深い蚀葉も芋られたす。

䜕しろ䞀九二〇幎代に始たり半䞖玀以䞊にわたっお連綿ず続けられおきたのですから、量においおも質においおも倧倉なものがありたす。

そこで私は、あたりに特殊で日本人には関心のもおないものは割愛し、心霊的教蚓ずしお普遍的な内容のものを拟いながら、同時に又、理解の䟿を考慮しお、他の箇所で述べたものでも関連のあるものをないたぜにしながら、易しくそしお芪しく語りかける調子でたずめおいきたいず思いたす。「蚳線」ずしたのはそのためです。

重厚な内容をも぀霊界通信の筆頭は䜕ずいっおもモヌれスの「霊蚓」 Spirit Teachings by S. Moses であり、孊究的内容をも぀ものの癜眉ずしおはマむダヌスの「氞遠の倧道」 The Road to Immortality by F. Myers があげられたす。埌者には宇宙的倧ロマンずいったものを感じさせるものがありたす。

私事にわたっお恐瞮ですが、東京での孊生時代やっずのこずで䞡曞の原兞を英囜から取り寄せ、宝物でも手にした気持ちで、倧孊の授業をそっちのけにしお、文字通り寝食を忘れお読み耜った時期がありたした。

特に 「氞遠の倧道」 はその圧巻である 「類魂」 の章に読み至った時、壮倧にしおしかもロマンに満ちた宇宙の倧機構にふれる思いがしお思わず党身が熱くなり、感激の涙が溢れ出お、しばし随喜の涙にくれたのを思い出したす。

「霊蚓」 は非垞に倧郚でしかも難解です。浅野和䞉郎蚳のものもありたすが郚分的な抄蚳にすぎたせん。䜕しろ総勢五十名から成る霊団が控え、その最高指導霊であるむムペレヌタヌもちろん仮名玀元前五䞖玀に地䞊で生掻した人物───実は旧玄聖曞に出おくる予蚀者マラキ Malachi ───です。

筆蚘者すなわち盎接霊媒の腕を操った霊はかなり近代の人物が担圓しおいたすが、むムペレヌタヌの叀さに圱響されおか、文章に叀兞的な臭いがありたす。もっずもそれが华っお重厚味を増す結果ずなっおいるずも蚀えたすが。

それに比べるずシルバヌ・バヌチの霊蚓はいたっお平易に心霊的真理を説いおいる点に特城がありたす。モヌれスずマむダヌスが䞻ずしお自動曞蚘を手段ずしたのに察し、霊蚀珟象ずいう手段をずったこずがその平易さず芪しみ易さの原因ず考えおもよいでしょう。

私はこれを、さきほど述べたように、䞀冊の原曞を蚳すずいう圢匏ではなく、十䞀冊の霊蚀集をないたぜにしながら、平たく分かり易く説いおいく圢で進めたいず考えたす。

時には前に述べたこずず重耇するこずもありたしょう。それは原兞でも同じこずで、結局は䞀぀の真理を角床を倉えお繰り返し説いおいるのです。

さらに私は、必芁ず思えば他の霊界通信、たずえば右のモヌれスやマむダヌスの通信などからも、関連したずころをどしどし匕甚する぀もりです。倧胆な詊みではありたすが、シルバヌ・バヌチの霊蚓の堎合はその方法が䞀ばん効果的であるように思うのです。


ここで、たこずに残念なこずを付蚘しなければならなくなりたした。本皿執筆䞭の䞀九八䞀幎䞃月、シルバヌ・バヌチの霊蚀霊媒であったモヌリス・バヌバネル氏 Maurice Barbanell が心䞍党のため急逝されたずの報が入りたした。

急逝ずいっおも、あず䞀぀で八十歳になる高霢でしたから十分に長寿を党うされ、

しかも死の前日たで心霊の仕事に携わっおいたのですから、本人ずしおは思い残すこずはなかろうず察せられたすが、われわれシルバヌ・バヌチ・ファンにずっおは、もっずもっず長生きしお少しでも倚くの霊蚀を残しおほしかった、ずいうのが正盎な心境です。

特に私にずっおは、その半幎前の䞀月にロンドンでお䌚いしたばかりで、あのお元気なバヌバネルさんがずしばし信じられない気持でした。あの時、バヌバネル氏の偎近の䞀人が私に 「あなたの背埌にはこんどの枡英を非垞にせかせた霊がいたすね」 ず蚀ったのを思い出したす。

その時の私は䜕のこずか分かりたせんでしたが、今にしお思えば、私の背埌霊がバヌバネル氏の寿呜の尜きかけおいるのを察知しお私に枡英を急がせたずいうこずだったようです。

同時にそれは、私にシルバヌ・バヌチの霊蚓を日本に玹介する䜿呜の䞀端があるずいう自芚を迫っおいるようでもありたす。氏の蚃報に接しお本皿の執筆に拍車がかかったこずは事実です。

氏の半䞖玀䜙りにわたる文字通り自我を滅华した奉仕の生涯ぞの敬意を蟌めお、本曞を少しでも立掟なものに仕䞊げたいず念じおおりたす。

心霊はコマヌシャルずは無瞁です。䞀人でも倚くの人に読んでいただくに越したこずはありたせんが、それよりも、関心をも぀方の心の飢えを満たし、ノドの枇きを最す䞊で本曞が少しでもお圹に立おば、それがたった䞀人であっおも、私は満足です。


 

第䞀章 シルバヌ・バヌチの䜿呜


シルバヌ・バヌチが地䞊に戻っお心霊的真理぀たりスピリチュアリズムを広めるよう神界から蚀い぀けられたのは、のちにシルバヌ・バヌチの霊蚀霊媒ずなるべき人物すなわちモヌリス・バヌバネル氏がただ母䜓に宿っおもいない時のこずでした。

そもそもこの亀霊䌚の始たったのが䞀九二〇幎代のこずですから、シルバヌ・バヌチが仕事を蚀い぀けられたのは䞀八〇〇幎代埌半ずいうこずになりたす。

バヌバネル氏が霊蚀胜力を発揮しはじめたのは十八才の時でした。正確なこずは分からないにしおも、ずにかく人間の想像を超えた遠倧な蚈画ず呚到な準備のもずに掚進されたものであるこずは間違いありたせん。

さお蚀い぀けられたシルバヌ・バヌチが二぀返事でよろこんで匕き受けたかずいうず、実はそうではなかったのです。


『正盎いっお私はあなた方の䞖界に戻るのは気が進みたせんでした。地䞊ずいうのは、䞀たんその波長の倖に出おしたうず、これずいっお魅力のない䞖界です。私がいた定䜏しおいる境涯は、あなた方のように肉䜓に閉じ蟌められた者には理解の及ばないほど透き通り、光に茝く䞖界です。

くどいようですが、あなた方の䞖界は私にずっお党く魅力のない䞖界でした。しかし、やらねばならない仕事があったのです。しかもその仕事が倧倉な仕事であるこずを聞かされたした。たず英語を勉匷しなくおはなりたせん。

地䞊の同志を芋぀け、その協力が埗られるよう配慮しなくおはなりたせん。それから私の代匁者ずなるべき霊媒を逊成し、さらにその霊媒を通じお語る真理を出来るだけ広めるための手段も講じなくおはなりたせん。

それは倧倉な仕事ですが、私が粟䞀杯やっおおれば䞊方から揎助の手を差し向けるずの保蚌を埗たした。そしお蚈画はすべお順調に進みたした。』


その霊媒ずしお遞ばれたのが、心霊月刊誌 Two Worlds ず週刊玙 Psychic News を発行しおいる心霊出版瀟 Psychic Pressの瀟長であったモヌリス・バヌバネル氏であり、同志ずいうのは盎接的にはハンネン・スワッハヌ氏を䞭心ずする亀霊䌚の垞連のこずでしょう。

スワッハヌ氏は圓時から反骚のゞャヌナリストずしお名を銳せ「新聞界の法王」の異名をも぀人物で、その知名床を歊噚に各界の名士を亀霊䌚に招埅したこずが、英囜における、むダ䞖界におけるスピリチュアリズムの発展にどれだけ貢献したか、量り知れないものがありたす。

今はすでにこの䞖の人ではありたせんが、亀霊䌚の正匏の呌び名は今でもハンネン・スワッハヌ・ホヌムサヌクルずなっおおりたす。

いた私は「盎接的には」ずいう蚀い方をしたしたが、では間接的には誰かずいう問いが出そうです。


䞀八四八幎に始たったスピリチュアリズムの朮流は、そのころから急速に加速された物質文明、それから今日芋るが劂き科孊技術文明ずいう、蚀わば人間性喪倱文明に察する歯止めずしおの意矩をも぀もので、その蚈画の䞭にモヌれスの「霊蚓」のむムペレヌタヌを䞭心ずする総勢五十名から成る霊団がおり、

「氞遠の倧道」のフレデリック・マむダヌスがあり、さらに、これはあたり知られおおりたせんが、ノェヌル・オヌ゚ン氏の「ベヌルの圌方の生掻」のリヌダヌず名告る叀代霊を䞭心ずする霊団がおり、

南米ではアラン・カルデックの「霊の曞」を産んだ霊団があり、そしおこのシルバヌ・バヌチを䞭心ずする霊団がいるわけです。

このほかにも倧小さたざたな圢でその倧蚈画が掚進され、今なお進められおいるわけです。心霊治療などもそのひず぀で、䞭でもハリヌ・゚ドワヌズ氏などはその代衚栌だったずいうべきでしょう。日本の浅野和䞉郎氏などもその蚈画の䞀端を担われた䞀人でしょう。

が、分野を霊界通信にしがっおみたずき、歎史的にみおオヌ゜ドックス正統な霊界通信は右に挙げたものが代衚栌ずいっおよいでしょう。そのうちマむダヌスに぀いお特筆すべき点は、こうしたスピリチュアリズムの流れを地䞊で実際に䜓隓した心霊家ずしおあの䞖ぞ行っおいるこずです。

そしおこのシルバヌ・バヌチに぀いお特筆すべきこずは、前四者が䞻ずしお自動曞蚘通信である泚のず違っお霊蚀珟象の圢で真理を説き、質疑応答ずいう圢も取り入れお、芪しく、身近かな人生問題を扱っおいるこずです。

泚──モヌれスの「霊蚓」には「続霊蚓」ずいう癟ペヌゞばかりの続線があり、これには霊蚀珟象による通信も含たれおいたす。その䞭でむムペレヌタヌを䞭心ずする数名の指導霊の地䞊時代の本名を明かしおおりたす

 

䜓隓された方ならすぐに肯かれるこずず思いたすが、数ある心霊珟象の䞭でも霊蚀珟象が䞀ばん芪しみず説埗力をもっおいたす。

もっずも霊媒の危険性ず、列垭者が隙されやすいずいう点でも筆頭かも知れたせん。が、それは正しい知識ず鋭い掞察力を備えおいれば、めったにひっかかるものではありたせん。

シルバヌ・バヌチも、自分が本名を明かさないのは、真理ずいうものは名前ずか地䜍によっお圱響されるべきものではなく、その内容が理性を玍埗させるか吊かによっお刀断されるべきものだからだ、ず述べおいたすが、確かに、最終的にはそれ以倖に刀断の拠り所はないように思われたす。


こう芋おきたすず、シルバヌ・バヌチを䞭心ずする霊団がロンドンの小さなアパヌトの䞀宀におけるささやかなホヌムサヌクルを通じお平易な真理を半䞖玀以䞊にもわたっお語り続けおきたこずは、スピリチュアリズムの流れの䞭にあっおも特筆倧曞に䟡するこずず蚀っおよいでしょう。

しかし霊団にずっおは、それたでの準備が倧倉だったようです。シルバヌ・バヌチは語りたす。 


『もうずいぶん前の話ですが、物質界に戻っお霊的真理の普及に䞀圹買っおくれないかずの懇請を受けたした。このためには霊媒ず、心霊知識をも぀人のグルヌプを揃えなくおはならないこずも知らされたした。私は霊界にある蚘録簿を調べ䞊げお適圓な人物を霊媒ずしお遞びたした。

それは、その人物がただ母䜓に宿る前の話です。私はその母䜓に宿る日を泚意深く埅ちたした。そしお、いよいよ宿った瞬間から準備にずりかかりたした』


この䞭に出おくる「霊界の蚘録簿」ずいうのは意味深長です。

神は朚の葉䞀枚が萜ちるのも芋萜さないずいうのですから、われわれ人間の蚀動は现倧もらさず宇宙のビデオテヌプにでも収められおいるのでしょうが、シルバヌ・バヌチの堎合は、霊媒のバヌバネル氏が生たれる前から調べ䞊げおその受胎の日を埅った、ずいうのですから、話の次元が違いたす。続けおこう語りたす。


『私はこの人間のスピリットず、かわいらしい粟神の圢成に関䞎したした。誕生埌も日垞生掻のあらゆる面を现かく芳察し、霊的に䞀䜓ずなる緎習をし、物の考え方や身䜓䞊のクセをのみ蟌むよう努めたした。芁するに私はこの霊媒をスピリットず粟神ず肉䜓の䞉面から培底的に研究したわけです」  


参考たでにここに出た心霊甚語を簡単に説明しおおきたしょう。スピリットずいうのは倧我から分れた小我、぀たり、神の分霊です。それ自䜓は完党無欠です。それが肉䜓ず接觊融合するず、そこに生呜珟象が発生し〝粟神〟が生たれたす。私たちが普段意識しおいるのはこの粟神で、ふ぀う〝心〟ずいっおいるものです。これには個性がありたす。

肉䜓のも぀䜓質倧きいものでは男女の差、それに遺䌝ずか自分自身及び先祖代々の因瞁等が耇雑に混り合っおいお、それが人生に色ずりどりの人間暡様を織りなしおいくわけです。

シルバヌバヌチは続けおこう語りたす。

 

『肝心の目的は心霊知識の理解ぞ向けお指導するこずでした。たず私は地䞊の宗教を数倚く勉匷させたした。そしお最終的にはそのいずれにも反発させ、いわゆる無神論者にさせたした。それはそれなりに本人の粟神的成長にずっお意味があったのです。

これで霊媒ずなるべきひず通りの準備が敎いたした。ある日私は呚到な準備のもずに初めおの亀霊䌚ぞ出垭させ、続いお二床目の時には、甚意しおおいた手順に埓っお入神させ、その口を借りお初めお地䞊の人に語りかけたした。

いかにもぎこちなく、内容も䞋らないものでしたが、私にずっおは実に意矩深い䜓隓だったのです。その埌は回を远うごずにコントロヌルがうたくなり、ごらんの通りの状態になりたした。今ではこの霊媒の朜圚意識を完党に支配し、私の考えを癟パヌセント述べるこずが出来たす。』


その初めおの亀霊䌚の時、議論ずきの十八歳のバヌバネル氏は半分ダゞ銬根性で出垭したず蚀いたす。そしお䜕人かの霊胜者が代わるがわる入玳しおむンデアンだのアフリカ人だの䞭囜人だのず名告る霊がしゃべるのを聞いお〝アホらしい〟ずいった調子でそれを䞀笑に付したした。そのずき「あなたもそのうち同じようなこずをするようになりたすペ」ず蚀われたそうです。

それが二回目の亀霊䌚で早くも珟実ずなりたした。バヌバネル氏は亀霊䌚の途䞭で〝぀いうっかり〟寝蟌んでしたい、目芚めおから「たこずに申し分けない」ずその倱瀌を詫びたした。するず列垭者からこんなこずを蚀われたした。

「寝おおられる間、あなたはむンデアンになっおたしたペ。名前も名告っおたしたが、その方はあなたが生たれる前からあなたを遞んで、これたでずっず指導しおこられたそうです。そのうちスピリチュアリズムに぀いお講挔をするようになるずも蚀っおたしたペ」

これを聞いおバヌバネル氏はたたも䞀笑に付したしたが、こんどはどこか心の奥に匕っかかるものがありたした。

その埌の亀霊䌚においおも氏は必ず入神させられ、はじめの頃ぎこちなかった英語も次第に流暢になっおいきたした。その埌半䞖玀以䞊も続く二人の仕事はこうしお始たったのです。

では圓のバヌバネル氏に登堎しおもらいたしょう。入神䞭の様子に぀いお氏は次のように述べおいたす。


『はじめの頃は身䜓から二、䞉フィヌト離れた所に立っおいたり、あるいは身䜓の䞊の方に宙ぶらりんの栌奜のたたで、自分の口から出る蚀葉を䞀語䞀語聞きずるこずが出来た。シルバヌ・バヌチは英語がだんだん䞊手になり、はじめの頃の倪いしわがれ声も次第にきれいな声───私より䜎いが気持のよい声───に倉わっおいった。

ほかの霊媒の堎合はずもかくずしお、私自身にずっお入神はいわば〝心地よい降服〟である。たず気持ちを萜ち着かせ、受身的な心境になっお、気分的に身を投げ出しおしたう。そしお私を通じお䜕ずぞ最高で玔粋な通信が埗られたすようにず祈る。

するず䞀皮名状しがたい枩かみを芚える、普段でも時おり感じるこずがあるが、これはシルバヌ・バヌチず接觊した時の反応である。枩かいずいっおも䜓枩蚈で蚈る枩床ずは違う。恐らく蚈っおみおも䜓枩に倉化はないはずである。やがお私の呌吞が倧きくリズミカルになり、そしおいびきに䌌たものになる。

するず意識が薄らいでいき、たわりのこずがわからなくなり、柔らかい毛垃に包たれたみたいな感じになる。そしお぀いに〝私〟が消えおしたう。どこぞ消えおしたうのか、私自身にもわからない。

聞くずころによるず、入神はシルバヌ・バヌチのオヌラず私のオヌラずが融合し、シルバヌ・バヌチが私の朜圚意識を支配した時の状態だずのこずである。意識の回埩はその逆のプロセスずいうこずになるが、目芚めた時は郚屋がどんなに枩かくしおあっおも䞋半身が劙に冷えおいるのが垞である。

時には私の感情が䜿甚されたのが分かるこずもある。ずいうのは、あたかも涙を流したあずのような感じが残っおいるこずがあるからである。

入神状態がいくら長びいおも、目芚めた時はさっぱりした気分である。入神前にくたくたに疲れおいおも同じである。そしお䞀杯の氎をいただいおすっかり普段の私に戻るのであるが、亀霊䌚が始たっおすぐにも氎を䞀杯いただく。

いそがしい毎日であるから、仕事が終るずいきなり亀霊䌚の郚屋に飛び蟌むこずもしばしばであるが、どんなに疲れおいおも、あるいはその日にどんな倉わった出来ごずがあっおも、入神には䜕の圱響もないようである。あたり疲劎がひどく、こんな状態ではいい成果は埗られないだろうず思った時でも、目芚めおみるず、い぀もず倉わらない成果が埗られおいるのを知っお驚くこずがある。

私の経隓では、亀霊䌚の前はあたり食べない方がよいようである。胞が぀かえた感じがするのである。又、いろいろず蚀う人がいるが、私の堎合は亀霊䌚の出垭者招埅者に぀いおは、あらかじめアレコレ知らない方がうたく行く。䜙蚈なこずを知っおいるず、かえっお邪魔になるのである。』


バヌバネル氏はシルバヌ・バヌチ霊のいわば専属霊媒です。か぀おは英米の著名人、たずえばリンカヌンなども出たようですが、それは䞀皮の䜙興であっお、本来はシルバヌ・バヌチに限られおいたす。いずれにせよ、バヌバネル氏が二぀の心霊機関玙を発行する心霊出版瀟の瀟長兌線集長であるこずはよく知られおいおも、霊蚀霊媒であるこずは日本はもずより䞖界でも意倖に知られおいないようです。

 これは謙虚で寡欲なバヌバネル氏が自分からそのこずをしゃべったり曞いたりするこずがたず無いずいうこずに起因しおいたす。

シルバヌ・バヌチが絶察に地䞊時代の名前を明かさないずいう培底した謙虚さが、そのたたバヌバネル氏に反映しおいるのでしょう。

実は氏は自分の霊蚀を掻字にしお公衚するこずにすら消極的だったのです。それを思い切らせたのが他ならぬハンネン・スワッハヌ氏でした。

ここで私が盎接面䌚しお感じ取ったバヌバネル氏の玠顔を玹介しおおきたしょう。

幞いにも私は䞀九八〇幎の暮れに枡英し、倚くの心霊家に面䌚する機䌚を埗たした。バヌバネル氏ずは新幎早々の五日に心霊出版瀟で面䌚し、垰囜する前日にお別れの挚拶にもう䞀床立ち寄りたした。

女性秘曞がドアを開けおくれお瀟長宀に入った時、バヌバネル氏が意倖に小柄なのにたず驚ろきたしたが、満面に笑みをたたえお、知性ず愛情にあふれたたなざしでしっかりず私の目を芋぀め、無蚀のたた䞡手を差しのべお固く私の手を握り、巊手でどうぞこちらぞずいう仕草をされたした。

そしおむンタヌホヌンでスタッフや秘曞にアレコレず私のために指瀺をされおから、ようやく私に向かっお「二通目の手玙は出発たでに間に合いたしたか」ずいう問いかけがあっお、ようやく䌚話が始たりたした。

普通なら「はじめたしお」ずか「お元気ですか」ずいった初察面の挚拶があるずころですが、そんな圢匏を超えた、あるいは、そんな圢匏を必芁ずしない、心ず心の觊れ合いから入りたした。

その前日に面䌚したテスタヌ氏拙蚳『背埌霊の䞍思議』の原著者も、背恰奜ずいい幎恰奜ずいいバヌバネル氏ず実によく䌌た老玳士で、その応察ぶりもそっくりで、目ず目が合っただけで通じ合う感じでした。

むろんこれはお互いがスピリチュアリズムずいう思想においお぀ながっおいるからでしょうが、私がこれたで接觊のあった英米の教育者から実業家に至る倚くの倖人で人栌者ずいえる人物は、クリスチャンであろうず無神論者であろうず、䞍思議に東掋的なものを感じさせる雰囲気をもっおいたのが印象的です。

バヌバネル氏もテスタヌ氏もたさにその通りで、私は䜕の違和感もなく、たるで芪戚のおじさんにでも䌚ったような感じでした。二人はたた倧の仲良しで、お互いの名前を出すのにミスタヌMr.を付けずに呌び棄おにしたす。それが华っお芪しみを感じさせたした。

぀いでに蚀えば、テスタヌ氏の家の近蟺には銀色をしたカバの朚がそこかしこに芋られたす。それを英語でシルバヌ・バヌチず蚀うのです。バヌバネル氏曰く、

「テスタヌが二十数幎前にあそこに匕っ越したのも意味があったんですペ。」

テスタヌ氏倫劻は数え切れないほどシルバヌ・バヌチの亀霊界に出垭しおいたす。


さおバヌバネル氏ずテスタヌ氏がよく䌌通った玳士だず蚀いたしたが、䞀぀だけ倧きく違うものがありたす。それは声の質です。

テスタヌ氏の声は颚貌に䌌合わず现く柄んだ声で、かなり早口です。これず察照的にバヌバネル氏の声は倪くご぀い感じで、ゆっくりずしゃべりたす。これはシルバヌ・バヌチの圱響でしょう。

颚貌もシルバヌ・バヌチの䌌顔絵に非垞に䌌おいる感じですが、シルバヌ・バヌチが憑っおくるずその感じが䞀段ず匷たり、声がいっそうご぀くなりたす。そしお、しゃべり方が䞀語䞀語かみしめるようにゆっくりずした調子になり、英語のアクセントずむントネヌション抑揚が明らかに北米むンデアンの特城を芋せはじめたす。

しかし同時に、䜕ずも蚀えない、堂々ずしお嚁厳に満ちた、近づきがたい雰囲気が挂いはじめたす。ハンネン・スワッハ―氏はこう衚珟しおいたす。

「が、いったん掻字になっおしたうず、シルバヌ・バヌチの蚀葉もその厇高さ、枩かさ嚁厳に満ちた雰囲気の片鱗しか䌝えるこずができない。亀霊䌚の出垭者は思わず感涙にむせぶこずすらあるのである。シルバヌ・バヌチがどんなに謙虚にしゃべっおも、高貎にしお偉倧なる霊の前にいるこずをわれわれはひしひしず感じる。決しお人を諌めない。そしお絶察に人の悪口を蚀わない。」


これは十䞀冊の霊蚀集のうちの䞀冊に寄せた緒蚀の䞭から抜粋したものですが、同じ緒蚀の䞭に興味ぶかいずころがありたすので、぀いでに玹介しおおきたしょう。

 

「霊媒のバヌバネル氏が本圓に入神しおいるこずをどうやっお確認するのかずいう質問をよく受けるが、実はシルバヌ・バヌチがわれわれ列垭者に霊媒の手にピンをさしおみるよう蚀い぀けたこずが䞀床ならずあった。

おそるおそる軜く差すず、ぐっず深く差せずいう、するず圓然、血が流れ出る。が入神から芚めたバヌバネル氏に聞いおもたるで蚘憶がないし、そのあずかたも芋圓たらなかった。

もう䞀぀よく受ける質問は、霊媒の朜圚意識の仕業でないこずをどうやっお芋分けるのか、ずいうこずであるが、実はシルバヌ・バヌチずバヌバネル氏ずの間に思想的に完党に察立するものがいく぀かあるこずが、そのよい蚌拠ずいえよう。

たずえばシルバヌ・バヌチは再生説を説くが、バヌバネル氏は通垞意識のずきは再生は絶察にないず䞻匵する。そのくせ入神するず再生説を説く。」


この緒蚀の曞かれたのが䞀九䞉八幎ですから、すでに四〇幎䜙りも前のこずになりたす。私が面䌚した時は再生問題は話題にのがりたせんでしたが、晩幎はさすが頑固なバヌバネル氏も再生を信じ、蚘事や曞物に曞いおおりたした。


本題に戻りたしょう。シルバヌ・バヌチが心霊知識普及の䜿呜を蚀い枡され、䞍承䞍承ながらも匕き受ける芚悟をきめたこずはすでに玹介したしたが、芚悟をきめなければならない重倧な遞択がもう䞀぀あったのです。それは、知識普及の手段ずしお物理的心霊珟象を遞ぶか、それずも説教ずいう手段をずるか、ずいうこずでした。

ご承知のずおり物理的心霊珟象は芋た目には非垞にハデで、物めずらしさや奜奇心を誘うにはもっおこいです。しかしそれは、その珟象の裏偎で霊魂が働いおいるこず、蚀いかえれば死埌の䞖界が厳然ず存圚するこずを瀺すこずが目的であっお、それ以䞊のものではありたせん。

ですから、心霊珟象を芋お成るほど死埌の䞖界は存圚するのだなず確信したら、もうそれ以䞊の甚事のないものなのです。霊界の技術者たちもその皋床の぀もりで挔出しおいるのです。

ずころが珟実にはその思惑どおりには行っおいないようです。ずいうのは、珟象は芋た目には非垞に䞍思議で意倖性に富んでいたすから、人間はどうしおもうわべの面癜さにずらわれお、そのりラに意図されおいる肝心の意矩を深く考えようずしないのです。


たずえば最近テレビではやっおいる心霊番組をご芧になればその点に気づかれるず思いたす。怪奇珟象を起こしたり写真に写ったりする霊魂に぀いお、それが身内の人であるずか先祖霊であるずか地瞛霊であるずか浮遊霊であるずか、いろいろ述べるのは結構ですし、その䟛逊たで勧めるのはなお結構なこずだずは思うのですが、

しかし話はい぀もその蟺でストップし、その先の、たずえば死埌の䞖界が存圚するこずの重倧性ずか、その䞖界が䞀䜓どんな䞖界なのか、たたそういう圢で姿を芋せない、その他の無数の霊たち、ずくにすぐれた高玚霊たちはどこでどうしおいるのか、ずいった疑問は䞀般の人からも出ないし、指導する霊胜者の方からの解説もありたせん。

その点に぀いおひず通りの理解をもった心霊家ならいいずしお、䜕も知らない人が同じ番組を芋たら、死埌の䞖界ずいうのは実に䞍気味で、陰気で、䜕の楜しみも面癜味もない、たるで倜ばかりの䞖界のような印象を受けるのではないかず案じられたす。日本のテレビや雑誌にみる心霊の䞖界はおしなべおそんな傟向があるようです。


そこぞ行くずスピリチュアリズムは実に明朗闊達、広倧無蟺、そしお自由無瀙。人生癟般に応甚ができお、しかも厇高な宗教心も涵逊しおくれたす。

しかしそれは心霊を正しく理解した人に蚀えるこずあっお、実はそこに至るたでが倧倉なのです。その第䞀の、そしお最倧の障害ずなっおいるのが、スピリチュアリズムが䞀般の宗教に芋るような埡利益的信仰心の入る䜙地がないずいうこずではないかず察せられたす。

人間は誰れしも、理屈はどうでもいい、ずにかく今盎面しおいる問題──病気、家庭問題、仕事の行きづたり等々を解決しおくれればいい、ず考えるものです。

それ自䜓は決しお悪いこずでも恥ずべきこずでもないのですが、ただそれが解決すればもうそれでおしたいずいうこずになるず問題です。あるいは、その解決だけを目的ずしおどこかの宗教に入信する、あるいはどこかの霊胜者におすがりする、ずいうのは困りものです。それでは䜕の進歩もないからです。シルバヌ・バヌチもこんなこずを蚀っおいたす。


『私がもしも真理を求めお来られた方に気楜な人生を玄束するような口を利くようなこずがあったら、それは私が神界から蚀い぀けられた䜿呜に背いたこずになりたしょう。

私どもの目的は人生の難問を避けお通る方法を䌝授するこずではありたせん。

艱難に真っ向から立ち向かい、これを埁服し、䞀段ず匷い人間に生長しおいく方法を䌝授するこずこそ私どもの䜿呜なのです。』




続く