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基地負担 分かち合いを

2016.04.19 10:05

東京新聞(4月1日付朝刊)投書欄に東京都在住の大学院生の意見が掲載されました。「もう差別を終わりにしたいのです」という訴えは、先日の16才の高校生の手紙に呼応するものでもあるでしょう。本人の承諾を得てそのまま掲載いたします。


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「基地負担 分かち合いを」


73.8%。これは沖縄県に集中している在日米軍専用施設の割合です。一つの県に全体の約四分の三がある計算です。いびつと言わずして何と言うのでしょう。


この構図は1950年代から始まりました。本土での反米軍基地運動が盛り上がり、危機感を募らせた日米政府が米軍政下であった沖縄に山梨や岐阜県などにあった本土の米軍基地を移すことで収束を図り、ここから沖縄に基地が集中することになったのです。


沖縄県名護市辺野古で出会った方が静かに語ってくれました。「元あった場所に基地を引き取ってほしい」と。そして「自分が中高生のときに本土から基地がやってくるのを目の当たりにした悔しさは忘れない」。私は申し訳なさで胸が張り裂ける思いでした。


だからこそ訴えたいのです。本土でも米軍基地を分かち合いましょう。日米安保体制である以上、基地負担も平等に引き受けることが筋です。全部を本土で負担しろというのではないのです。


日米安保体制に反対派は、安保破棄・全米軍基地撤去という理想を掲げています。理想を掲げるのは結構ですが、沖縄だけに不平等を強いていることにも考えを巡らせてほしいのです。安保破棄・全米軍基地撤去という高い理想をクリアするために、沖縄の人々の「負担を軽減してほしい」との声を踏み付けるようなことはしてほしくありません。それを良しとすると、沖縄の犠牲の上での理想追求になってしまいます。


日米安保の賛否にかかわらず、負担は分かち合うという想像力が広がることを望みます。もう差別を終わりにしたいのです。


(ひっとえんどらん・26才)


出典: 東京新聞投書欄(4月1日付朝刊)