映画『イエスタディ』を見て思い出したビートルズのこと。
「昨日まで、世界中の誰もが知っていたビートルズ。今日、僕以外の誰も知らない」
そんな唆られるキャッチコピーが彩る映画が、『イエスタディ』です。
あらすじは、こんな感じ。
売れないシンガーソングライターのジャックが 音楽で有名になるという夢をあきらめた日、 12秒間、世界規模で謎の大停電が発生─。 真っ暗闇の中、交通事故に遭ったジャックが、昏睡状態から目を覚ますと… あのビートルズが世の中に存在していない! 世界中で彼らを知っているのはジャックひとりだけ!? ジャックがビートルズの曲を歌うとライブは大盛況、 SNSで大反響、マスコミも大注目! すると、その曲に魅了された超人気ミュージシャン、エド・シーランが 突然やって来て、彼のツアーのオープニングアクトを任されることに。 エドも嫉妬するほどのパフォーマンスを披露すると、 ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくる。 思いがけず夢を叶えたかに見えたジャックだったが─。
あのエド・シーランが本人役で登場するのも驚きでしたね。二人の曲対決は見ものでした。エド・シーラン全然聞いたことなかったけど、この映画を見て聴いてみようと思いました。
ネタバレにならない程度に感想を述べますが、本編の一番の注目どころは、やっぱりなんと言ってもビートルズの曲の素晴らしさ。
タイトルでもある「イエスタディ」を主人公が歌った瞬間、ぞわっと鳥肌が立ちました。
そこから、怒涛のように次々と流れる名曲。うーん、やっぱりいい。帰ってからも、「ホワイトアルバム」やら「1」やらをリピート中です。シンプルなリズムと極上のメロディに乗っかる心地がいいワード。王道の強さ。うん、ドライブにも持ってこいですよね。書きながらまた聴きたくなってきた。多分読んでいるあなたもそうでしょう。
スティービワンダーがわからない生徒も、ビートルズは知っています。マイケルジャクソンの「スリラー」がわからない生徒も、ビートルズの「レットイットビー」はわかります。まぁ、塾には、ビートルズの詩集完全版もありますからね。
この映画を見ながら、思い出していたことがありました。ちょっとだけ思い出話をしてもいいですか。「よくない!」と言われていてもわからないので続けます。
僕が、初めてCDを買ったのは、中学生2年生の頃でした。
最初に買ったCDは、S&G「サイモン&ガーファンクル」のベストアルバム。サウンドオブサイレンスの歌詞が好きで、「Hello darkness my old friend」のフレーズにどハマりしていました。中2病ですね。
そこから洋楽にハマり、もちろんその過程の中でビートルズの存在を知ることとなります。英語の先生が「リスニングの練習にいいよ」なんて教えてくれたのもあって、当時二枚組だったかな、赤と青のアルバムを借りてMD?かテープ?に入れて聴いてたんですよね。懐かしい。
でもね、英語の成績が全然伸びなくて、だんだん聞く頻度が減ったんです。先生に嬉しそうに報告した手前、なんだか申し訳なくてね。あと見栄もあったんでしょうか。意外と真面目だったんですよね。その時のなんだか不思議な罪悪感を、今でもなんとなくちょっとだけ覚えています。
そんな時、帰り道にその話をたまたました友達から言われたんですよね。
「音楽なんだから、楽しく聴きゃいいのに」
その一言で、気持ちがすっと楽になって、もうそこからひたすらビートルズ漬け。頭の中に入ろうが入るまいが、リスニングの練習になろうがなるまいが気にしない。「ラブワズサッチアンイージーゲームトゥプレイ」の意味なんて気にしない。
そしたら、英語の成績は、勝手に上がっていきました。
「勉強のために聴く」から「楽しく聴く」にしたら、結果勉強になったというなんとも教訓にしづらいお話。でも、そういうこともあるんですよね。
たった気持ち一つで、僕らはいつでも世界を変えられる。
自分にとって、居心地の良い世界へ。自分自身で、いつだって。
そんなことがふとよぎった素敵な映画でした。うん、映画の中で主人公もそうしたようにね。
余談です。
「ねぇねぇ、どうする?自分以外がビートルズ忘れてたら。主人公みたいにカバーして有名人になるかなぁ?歌詞とかメロディ覚えておかなくちゃな」とビートルズ好きの友人と話していたら、
「覚えてても、伝えられるかどうかの問題もあるしね」と言われて、納得。どうか、僕の世界では、ビートルズは永遠に在り続けてください。消えたら消滅してしまいます。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
映画「イエスタディ」所々の小ネタも笑えます。ぜひ劇場かDVDでご確認を。