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チェンマイツアー②バーンロムサイ

2019.11.12 13:09

チェンマイの祭礼、ローイクラトンに参加した翌日、チェンマイ郊外のナンプレー村にあるバーンロムサイという施設を訪問しました。こちらは名取美和さんという日本人により1999年に開かれたHIV患者の子供達が生活するための施設。現在もたくさんの子供達が暮らしています。



実はこの施設を知ったのは住職の奇遇なご縁から。

住職の小中学校の同級生のいとうみわさん(旧姓)という方が絵本の読み聞かせなどの活動で滞在していることを知ったのが約10年前のこと。以来、お寺のヨガイベントでも何度か寄付を集め、エイズの子供達のためにチャリティをお送りしたことがありました。バーンロムサイの会報などを手にする機会もあり、いずれお寺のメンバーで訪れてみたいと考えながら10年以上が経過しました。


今回、チェンマイの祭礼・ローイクラトンに参加することが決まってから、すぐにバーンロムサイに連絡を入れ、見学と研修のために訪問したい旨を伝え、今回のツアーでの訪問が実現しました。人から人へ、長年のご縁が繋がりました。



現地で打ち合わせからずっと対応してくださったのが、山下曜子さんという日本人の方。施設をご案内いただきながら、バーンロムサイ発足当時から今に至るまでの歴史を説明してくださいました。


曰く、当時はまだまだ地域の理解も得られず、病気の子供達が集まる怖い場所という先入観から、不当な差別や嫌がらせを受けたこともあったそうです。しかし、日本を中心に多くの国際的な支援が集まり、教育設備や図書室、パソコンなどが導入されるに伴って、地域社会にとって不可欠な存在になっていったとのこと。今では学校帰りに楽しみに立ち寄る子供達も多く、長い年月の地道な活動とその労苦が偲ばれます。

こちらのプールも、当初は子供達のために寄付されたものです。


HIVにより皮膚病を発症した子供達が一般のプールに入ることを躊躇したことから、企業の寄付により子供達が安心して入れるプールが設置されました。今ではバーンロムサイが運営するゲストハウスのお客様用のプールとして使用されています。


ゲストハウスは一棟貸しの形式にて、欧米の方をはじめ、日本人、アジア系、世界各国の人々にもたくさん利用されています。日本人スタッフが常駐しているので、日本人にも根強い人気があります。特に北部チェンマイならではのタイヤイ料理(ミャンマーの文化も加わった伝統的なタイ料理)も美味しく人気があります。

山下さんの説明を受け、各所を見学する参加者一行。

畑では子供達が栽培している空芯菜が実っていました。現地での活動はバーンロムサイのブログでも日々の施設内や子供達の様子が綴られています。



施設内の縫製工場も見学しました。

日本人がデザインし、現地の人々により小物や衣類などおしゃれなクラフトが作られています。日本のバーンロムサイのショップや取り扱い店舗などでも購入することができます。リラックスして着用できる衣類はとても人気があり、今回のメンバーの皆さまもスーツケースに入りきれないほど買い物をされる方もいらっしゃいました。それほど素晴らしいのです!


こうして適正な価格で現地の商品が売買されることで、その売上が施設の運営を賄う収入となり、何よりも現地の人々の誇りや雇用の創出といった地域社会へ還元されるエネルギーともなります。


バーンロムサイのような施設や国際NGOなどの多くは主な収入源が寄付金収入である中、ゲストハウスや高品質なクラフトの販売などにより寄付金に頼らずに自立して運営していこうとする形は本当に素晴らしいと思います。多くの子供達を支えながら、且つ、ビジネスとしても確固たるポリシーを持って活動している日本人たちの姿は、私たち参加者にとって大きな刺激になりました。素晴らしいですね。


最後に、お見送りいただく前にスタッフの皆さまと一緒に記念撮影。

「次はここに泊まりたい!」そんな感想が飛び交う中、一行はバンコクへ向かうためチェンマイ空港へ向かいました。とても素晴らしい研修となりました。


現在、バーンロムサイではHIVに感染している子供達は4人のみ。ほか、二十数名の子供達はHIV以外の要因から施設で生活しています。麻薬問題、貧困問題、難民から国籍を持たない子どもたちなど、その家庭の背景は様々です。日本の児童擁護施設の現状のように、孤児でなくとも、家で子供でいることが許されない現実について深く考えさせられます。


まずは、その現実を知ることから。

これからも安洞院ではこういった海外の施設へのチャリティ事業などを通じて、小さくとも心が繋がっていくアクションを継続していく予定です。

(つづく)