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症例.小児の頑固な便秘

2019.11.23 01:22

☑患者 2歳男児。

☑主訴 便秘。

☑現病歴 半年前から便秘になる。小児科でいただいたお薬を飲むと調子が悪くなるので服薬を止め、現在は市販の浣腸を週に一度の頻度で使っている。

それでも7日に1回、しかも少量しかでない。

☑愁訴 肌が乾燥しやすい。

☑経絡腹診 診れない。

☑脉状診 浮、数、虚。

☑比較脉診 診れない。

☑証決定 病症より判断して脾虚証。

☑適応側の判定 男児なので左、また左足の経絡は気を引き下げる。

☑本治法 イトウメディカル社製中野てい鍼小里モデルの尻尾の方を左太白に当て五行ほど補う。

次いで母経の左大陵にも同様の手技。

てい鍼の頭の方で左豊隆を経に対して横に切るように神・気・精と瀉法。

☑補助療法

✅宮脇奇経治療 左同側公孫-内関と陥谷-合谷に主穴に10壮、従穴に6壮、宮脇優輝考案温感無熱灸、通称『無熱灸』にて奇経灸。

施灸後、金銀粒貼付。 

☑標治法 

✅左上前腸骨棘から鼠径部にかけての塊に対し、その回りを等間隔で補鍼。

✅左志室周囲の塊に対し、その回りを等間隔で補鍼。

✅左臀部を瀉的に散鍼しては反対の手で祈りを込めてなでる。

✅下腹部正中の最も陥凹した箇所にてい鍼の尻尾の方を当て、陰陽陰陽陰陽のリズムで指頭叩打すること6呼吸。

☑止め&セーブ鍼 右合谷をちょん。

☑セルフケア 奇経に灸点を卸し、母親に自宅で愛情を込めてドライヤー灸、または音を怖がる子にはカイロ灸をするように指導。

☑経過 4回目で浣腸を使わずに排便できるようになった。

大量の便が出たという。

しかも、便が出だすと肌のコンディションがよくなったとのこと。

☑反省と考察 『道書』に、「小児七歳までを神童と名づく。神これを守る。」とあります。

お母さんの話をよく聴いて、適切に処置すれば、子どもたちの生命力が旺盛になり自然と癒えていきます。