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福岡 柳川・Groovy(グルーヴィ) ③19/11【加藤雄大氏、さいふや旅館】

2020.01.01 14:55

明けましておめでとうございます。

今年もこの龍のように悠然と飛翔出来ますように!

私もこれまで同様、ゆるゆると頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

今年最初の記事は、この絵の持ち主である福岡・柳川(ヤナガワ)のGroovy(グルーヴィ)さんとその母体(?)さいふや旅館(宰府屋旅館)さん。

昨年11月、ご当地柳川出身の大詩人 北原白秋の命日を偲ぶ白秋祭水上パレードに誘っていただき、訪問した時のお話ですが、この日は初めて尽くしで盛り沢山。

今、振り返ってみても、とても言葉では語り尽くせない贅沢な一日。

最初の白秋祭水上パレードで味わったのは、思いも寄らない非日常の時間(詳細はこちら)。

その後はGroovyさん(この扉はさいふや旅館内から見た入口)に場所を移して、いつものとおりマスターとの楽しいひととき(注1)。

更にこの日は、スペシャル・ゲストが登場。

「柳川をもう一度、ニホンウナギの棲む郷に」というプロジェクトの映画製作のために、この白秋祭にいらっしゃっていた映画監督 才谷遼さん、そして、カメラマン 加藤雄大さん。。。彼らとご同席させていただけることに。

才谷監督はお疲れでほとんどお話を伺うことが出来ませんでしたが、お付き合い下さった加藤さんがこれまたスゴい方。。。黒澤明監督の下で修業され、岡本喜八監督作品等、多くの映画を撮って来られたレジェンド・カメラマン。

その加藤さんのお話(注2)ですが、これがあまりにも貴重で興味深く、次から次へとお話をおねだり。楽しい時間の経つのは早く、気づいたら明け方28時前。そこでお開きとなりましたが、運がいいことに、遅い朝食もたまたまご一緒。

知的好奇心が大いに刺激された濃密な時間。本当に有難く、感激いたしました。

この幸運の舞台となったさいふや旅館さん

今回初めて泊めていただきましたが、60年超の老舗旅館の雰囲気、美味しい料理、ママ(この場合は「女将」?)の心尽くし、おもてなしの温かさ、しみじみと味わえる旅情。

全てをひっくるめて、大満足。リピーターの方が多いという評判にもあっさり納得した次第です。

こんな濃厚で味わい深い一泊二日をいただきましたマスターとママに、心から感謝。

この年末年始もお忙しいことと思いますが、今年も引き続き、よろしくお願いいたします。

【駐車場:有、喫煙:可】

(注1)クラシックに目覚められたマスターですが、「変な演奏を聴くと耳が痛くなる」とその毒舌ぶり、言いたい放題ぶりはご健在。笑

下記Youtuveのような日本では無名のピアニストの演奏(名前をメモしそびれたのですが、緊張感のある音が特徴的)を発掘して楽しむ等、その持ち前の音色に対する鋭敏さを武器に邁進中。

今回一番驚いたのは、ジャズ演奏家とクラシック演奏家のどちらがフリーか?というマスターからのご質問。

一見、ジャズが答えのように思えるこの設問。ジャズはさておき、譜面の制約があるクラシック演奏家の自由さを、ジャズ一辺倒だったこのマスターが力説なさるとは。。。

それをライブで実感出来る直方谷尾美術館室内定期演奏会に足を運んでいただきたいと思いましたし、NHK交響楽団第一コンサートマスターの篠崎史紀さんの譜読みの深さ、それを体現する技術のスゴさ、更にはピアノという楽器の演奏技術の奥深さを目の当たりに出来る「楽興の時」をご聴講いただきたいと思いました。

マスター、お忙しいとは思いますが、是非行ってみてくださいね!

(注2)カメラマン 加藤雄大さん。。。この方をこんな所で私が中途半端にご紹介していいのかどうか?

この方の生き様のカッコ良さを前面に押し出し、NHKの名物番組「プロフェッショナル」風に描くことも出来れば、伝説的カメラマンが語る日本映画の裏話といった描き方も出来るはず。。。

そのご経歴の中で、7回も死線を彷徨われたお話は、それこそもう映画にしてもいいぐらいの波乱万丈ぶり。映画「八甲田山」の壮絶な裏話の数々、その中で教えていただいた当時の役者さん達の凄み(高倉健さんと北大路欣也さん等)、黒澤映画での撮影上のご留意点(望遠レンズを絞って撮っていたため、俳優にピントを合わせる訳ではなく、被写界深度の中に入れることだけを考えていた等)、岡本喜八監督の逸話や映画「ジャズ大名」の裏話(削られた予算に合わせて、クオリティを下げずに如何に効率良く撮影されたのか?)等々、映画ファン垂涎のお話多数。

そして、一番心に沁みたのはこのお言葉「いいカメラマンとは、予算を出来るだけ掛けずにいい映像を撮れる人」。

①予算の限られた映画において、「撮影」にかけるお金が少なければ少ないほど、美術等にお金を回せて、クオリティが上がること

②今時のデジタル・カメラは機材そのものの値段が高い上に、一人では撮影出来ず、人件費がかさむこと

③準備を念入りにしておくこと、現地スタッフとコミュニケーションを積極的に取り、情報を正しく伝達すること等でムダな経費は省けること

④特にアメリカ人スタッフは契約社会で生きているだけに、正しく使うことさえ出来ればとてもよく働いてくれるのに、「アメリカ人は働かず、お金ばかりかかる」と言う日本人スタッフが多いこと

⑤それは、日本人スタッフだけで固まり、自分のやりたいことのイメージやスケジュール等を彼らに予め伝えておかないこと等が原因で、単に彼らを遊ばせてしまっているだけであること

このお言葉を解説するとこういうことになりますが、特に③~⑤は私達サラリーマンとしても同じような話がよくあるため、耳の痛い話でもありました。 

ちなみに、この加藤さん。黒澤監督のことをちゃんと学習している欧米人からは、レジェンドとしてVIP扱いを受けるのに、日本では知る人ぞ知る扱い。。。日本の文化的レベルの低さを痛切に感じた一日でもありました。

加藤さんの今後ますますのご活躍を祈念すると共に、またお話を伺える日を楽しみにしております。


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