名球会選手の顕彰
早いもので、もう7回目を迎える。NPO創設で地域の子どもたちを育てたい、そんな記事が「西脇時報」に掲載されて、それを見て「わたしにできることがあれば遠慮なく言ってくださいよ」と、わざわざ電話をよこしてくれた人がいた。8年近く前のこと。その人は、プロ野球通算317勝を誇る西脇市出身の鈴木啓示さん、勝利数歴代4位の名球会選手である。
「鈴木さんの名を冠した少年野球大会をつくります」
わたしは現西脇市議のSさんに協力を依頼し、以後二人三脚で「鈴木啓示 草魂カップ少年軟式野球大会」を育んできた。西脇軟式野球連盟、北播少年野球連盟がともに実行委員会となり、その現場の努力が7年間の成果を生んでいる。
わたしたちは1年に一度、大会の際に顔を合わせ、ラーメンや弁当を共にしながら子どもたちの懸命なプレーに元気をもらう。去る11月24日(日)午前8時半、西脇公園野球場に大きな声が響き渡った。「プロ一年目のオールスターゲームでのこと、先ほど亡くなられた400勝の大投手・金田正一さんにカーブを教えてほしいと頭を下げると、ここは学校のクラブ活動じゃないぞ、授業料を持ってこいと相手にしてもらえなかった、そこから負けてたまるかとわたしの心に火が付いた」。
今の小学生はもちろん、保護者であっても鈴木さんの現役時代は知らない。だが金田さんとの逸話は会場の全員に大きなインパクトを与えたようだ。それも手伝ってのことか、会場を巡回していると保護者の鈴木さんに対する笑顔に例年以上の親しみが込められているように感じられた。
以下は317勝投手の勲章の一部である。
•1安打試合 4回(1969/6/8、1969/10/3、1971/8/5、1971/9/28)
•1シーズン20勝以上 5年連続(歴代3位)合計8回(1967~1971、1975、1977、1978)
•開幕投手8年連続(歴代2位)
•完封勝利最多投手 5回(1971、1972、1977、1978、1983)
•1シーズン300奪三振(1968/305個)
•1シーズン200奪三振 5年連続5回(1967~1971)
•1シーズン100奪三振 13年連続17回(1966~1978、1980、1982~1984)
•47イニングス連続無失点(1962/7/7~7/29)
•1試合15奪三振 2回(1966/9/27対西鉄、1968/5/18対阪急)
•奪三振最多投手 1回(1962/270個)
•被本塁打最多投手 5回(1967~1969、1982、1983)
•防御率ベストテン入り 11回(1968~1971、1975~1978、1980、1983、1984)
日本全国にプロ野球選手の名前の付いた野球場は7つある。スタルヒン、長嶋(2)、川上、山田、皆川、津田の各氏。さらに早稲田実業が王貞治記念、明治大は内海・島岡ボールパーク。プロ、アマ計9つを数える。となると、記念すべき10個目は、兵庫県西脇市の「鈴木啓示草魂スタジアム」であるべきではないか。
S市議と夢を語り合いながら、実現に向けて努力は惜しまないと誓う、わたしの7年目である。