ZW ガトリングフォックス レビュー 2019.11.27 01:43 今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、“ZW34 ガトリングフォックス” です。 “ZOIDS ゾイドワイルド” より、帝国での開発途中に逃走、人間による制御を受けずに帝国製の強力な武装を使用でき、さらにエヴォブラストまで可能という希少なゾイド“M型 キツネ種 ガトリングフォックス” が発売されました。 セカンドシリーズ、及びアニメ第2作のストーリーにおいて対立構造にある共和国と帝国。 武装ゾイドといえば帝国の専売特許のような印象がありますが、共和国にもトリケラドゴス改など、武装ゾイドは存在しています。 しかし、帝国製の武装ゾイドと共和国製のそれとで決定的に異なるのが、武装が内蔵型か、外付けかということで、共和国製の武装ゾイドはあくまで武装を外付けしているだけなのでゾイド本体にそれほどの影響はなく、しかし帝国製は発掘から復元の段階で改造が施されるため、Z-Oバイザーや拘束キャップによる制御が必要、ということなのでしょうか。まぁ、ゾイドを純粋な兵器として扱う帝国の方針もあろうかと思いますが。 ガトリングフォックスは、制御機能であるZ-Oバイザーを取り外し、パイロット共々脱走したわけですが、そんな状態で強力な内蔵兵器を使い続けることに問題はないんですかね? ひょっとしたら、そのへんもアニメで説明があったのかもしれませんが、ぼーっと見てたのであまり覚えてない(笑)。 でも、よくよく考えればファーストシリーズでも単に火器が内蔵されていない、というだけで本来の骨格に明らかに後付けの機構が組み込まれていたりもしますし、ガノンタスに至っては既に大型火器を内蔵していたんですが・・そもそもワイルドブラスト、エヴォブラスト、マシンブラストに明確な違いってあるんでしょうか? 少なくともキットのギミックとしてはとくに差別化は図られてませんけどね。 それでは、レビューしていきます。 と・・その前に一点、不具合について報告。 ブラスト形態でのガトリング砲の回転ギミックの要となるパーツですが、左のギアパーツと右のガトリングの砲身基部の接続部がスポスポで、そのまま組んでも中で空回りしてしまいます。 機構としてはハンターウルフと同じで、通常時は砲身基部を引き出してギアとの接続を断っておき、ブラスト時には押し込んでギアと接続し、動力を得て回転させる・・というものなので、抜きやすく、かつはめ込んだときはしっかり固定されるという絶妙なフィット感が要求されます。 公式の紹介動画では普通にスムーズに回転しているので(というか、この段階で回ってなかったらさすがに修正するだろうけど)、仕様ではなくあくまで個体差だと思います。ハンターウルフのときはこんなことはなかったので、要はハズレを引いてしまったということですね。 とりあえずギア側にマスキングテープを巻いて太さを調節し、急場を凌ぐことにしました。 今のところ回っております。ボーン復元 同じイヌ科ということで、ファーストシリーズで発売されたハンターウルフのボーンパーツが流用されています。 ・・いや、流用というかガトリング砲の基部以外はすべてそのままです。ワイルドドライガーからビーストライガーでは変更されていた爪パーツすらもまったく同じで、変更されたのは成型色のみ。 イメージとしては、キツネはイヌやオオカミよりも猫背(イヌ科なのに)という感じですが、もちろん姿勢もそのままなのですごくお行儀がいい(笑)。 一方で、骨格そのものが光学迷彩機能を持っている(インビジブルボーン)という設定を表現するため、ボーンパーツはスモークの入ったクリアブラック成型になっています。 パーツ自体にそこそこ厚みがあるため、頭部や胴体では目立ちにくいですが、脚の先や尻尾などはうっすら透けていてなかなかよい雰囲気です。復元完了 外装と武装を取り付けて復元完了。 シルバーの外装が美しい。ウェルドラインもあまり気にならず、まさに銀ギツネ。 ハンターウルフのパッケージは雪原を疾走している画でしたが、そのシチュエーションだとこっちのほうが似合ってたなぁ。 外装はオプティカル・ステルスアーマーと呼ばれ、光学迷彩機能を備えています。せっかく骨格自体に光学迷彩機能があっても外装になければ透明人間が服着てるようなもので意味がないですしね。 外装の形状は軽量化目的もあるのかわりとシンプル。通常時にも使用可能な小型の火器(2連ソードオフ・ショットガン)を胸部と前脚装甲の左右4箇所、計10門装備しています。 頭部外装の頬の部分や耳の形状、武装(マルチプルランチャー)も兼ねた尻尾のボリュームなどでキツネっぽく見せようという努力は感じますが、やはり姿勢の良さのせいでほとんどキツネに見えない・・もう普通にイヌ型でもよかったのに(笑)。 耳のパーツは分割されていますが、可動はしません。 なお、Z-Oバイザー、拘束キャップを取り外して脱走しているため、頭部外装はアイパーツが見えている状態(もちろん、目には色が付いています)、ゴムキャップもビーストライガーなどと同じタイプのクリアカラーのものが使われています。 出自は帝国製の武装ゾイドなので、あくまでメカっぽくはあるんですがそれほど兵器感はなく、スマートな印象です。旧シリーズ第1期の後半のゾイドの雰囲気に近いかなぁ。エヴォブラスト(進化解放)形態 通常時は後方に向けられている背部の武装、A-Zインフィニティガトリングとダブルバスターライフルを前方に展開、さらに尻尾のマルチプルランチャーのハッチを開放したマシンブラスト・・もとい、エヴォブラスト形態。 流用基のハンターウルフでは2段階変形になっていましたが、ガトリングフォックスでは一息にこの段階まで変形させる仕様に。どちらがより進化を表現するに相応しいのかは疑問に思うところですが・・ ただ、ガトリングもバスターライフルも実際には仰角45度くらいの位置まで起こせるのが限界で、実質対空目的でしか使えないような状態です。 ボーンパーツの基本構造、ブラストギミックとほぼすべての要素をハンターウルフからそのまま流用したかたちで、ネコ科の悪習をイヌ科でも繰り返してしまった感があります。 なお、この形態で放つ進化開放技は “幻影機関砲(ファントムガトリング)” 。尻尾のマルチプルランチャーから状況に応じた各種弾頭を発射し敵陣を幻惑し、インフィニティガトリングトバスターライフルで一掃する大技です。改造計画書 お、これ1段目の特殊部隊仕様は再現できるんじゃないの? と思いきや、Z-Oバイザー付きの頭部外装がないから無理・・というオチ。 ともあれ、それ以外は既発売アイテムからのパーツ流用で再現可能です。ただ、それでもフォースバレルガトリングが3つ必要なので、スナイプテラを2つ用意しなけらばならず悩ましい。 僕は1つしか持っていないので、とりあえず左肩と尻尾に取り付けてみました。 レドームは1つだけでいいんだろうか?電動アクション 通常時は、口を開閉しながら4本の脚で前進します。 なんか、すごい摺り足で笑ってしまった。 ハンターウルフも当然そうだったんでしょうが、そのときはあまり気にならなかったなぁ。 撮影ブース内からより平らな本棚の上に歩かせる場所を変えたことで目に付いた次第です。 というか、爪を引き摺る音がけっこう・・ エヴォブラスト形態では、通常時の連動ギミックにガトリングの回転とバスターライフルの上下動が加わります。 動作はハンターウルフとまったく同じ。なにかしら追加ギミックがあるわけでもなく、むしろ2段階変形だったところをオミットいるので、プレイバリューの面で劣ってしまった感も否めません。 まぁ、設定としてオミットされただけなので、ハンターウルフのブラスト第1段階に相当する形態にはできるんですが。比較画像 まずは旧シリーズより、同じキツネモチーフのシャドーフォックスと。 主武装が背中のガトリング砲だったり、尻尾の外装を開くと現われるサブウエポン、光学迷彩を備えているという設定など機体特性はほぼ共通。アニメにおける立ち位置も第2作の相棒的キャラの乗機と、オマージュがあからさまですね。 いっそメインカラーも同じなら清々しい気分もあったんですが。 なお、シャドーフォックスは第2期シリーズの中盤に発売されたキットで、背部ウエポンラックの換装や各部の可動など。ゼンマイによる歩行アクション以外にも手動でいろいろと楽しめる要素が盛り込まれていました。頭部と首も可動するので、キツネらしい猫背にすることもできました。 顔付きは、あらためて見るとあまりキツネっぽくないですが・・ 流用基のハンターウルフと、各形態で。 ボーン機体での違いは成型色とメインウエポンの先端パーツのみ。 ですが、ボーンパーツのクリア成型は意外に芸が細かいと感じました。 背部スタビライザーのほか、外装がけっこう派手めな形状のハンターウルフに対し、機能性重視といった雰囲気でシンプルかつスマートなガトリングフォックス。 ただそのせいで、ハンターウルフのほうが見ためにボリュームがあります。 ワイルドライガーからのビーストライガー、ガノンタスからのバズートルでは明らかに後者のほうがボリュームアップしていたので、500円の価格上昇もまぁ納得できたんですが、ギミックの追加もない、パッと見のボリュームも減っている今回のガトリングフォックスには正直便乗値上げ感が強いですね。 ゾイドワイルド ハンターウルフ の レビュー 以下、画像 ブラスト形態では対空にしか使えなそうな大型射撃武装ですが、実はダブルバスターライフルのほうは基部はそのままでライフルのみ前方に向けることができます。 ただ、裏向けになるのでがっつり肉抜きが見えてしまいますが。 尻尾のマルチプルランチャーのハッチも、通常時ではガトリングが邪魔で大きく開くことができません。 弾頭部分やハッチ裏側にも多数の3㎜穴がありますね。 ちなみに、ガトリングを展開したブラスト形態でハッチを最大まで開くとちょうど上手い具合に電動スイッチを押し込むことができます。たぶん、たまたまです(笑)。 インフィニティガトリングの砲口は3㎜穴(ちょっとキツめ)になっているので、別売の各種エフェクトパーツなどを取り付けたりもできます。 画像はコトブキヤのメガミデバイスなどに付属のマズルフラッシュエフェクトの一部ですが、なかなかいい雰囲気です。 ビーストライガーとの共闘イメージで。 アニメのほうでは、しばらくは主人公グループと完全に行動を共にすることはなく、ピンチのときに都合よく駆けつける助っ人ポジションになるのかなぁ。 もちろん、最終的には正式に仲間入りするんでしょうが。 以上、“ZW ガトリングフォックス” でした。 ハンターウルフの構造をそのまま踏襲し、外見だけを変えた単純な仕様変更キットです・・というとあまり印象がよろしくないですが、実際その通りなんだから仕方がない。 ビーストライガーやバズートルのようなわかりやすいパワーアップ要素もなので、セカンドシリーズのアイテムとしては正直少し淋しいです。 まぁ、デザインはハンターウルフよりもさらに格好いい(あくまで個人的嗜好)ですし、光学迷彩設定を表現するのにボーンパーツをクリア成型にするなど地味なところで拘っていたりと評価できる部分はもちろんあります。 ただ、個人的には初っ端のガトリングの不具合でマイナスイメージが強いです・・ しかし、アニメでの扱いも良さそうなのできっと人気は出るでしょうね。 欲を言えば、コンパチで帝国での正式採用機も再現できるよう、Z-Oバイザー付きの頭部外装と拘束キャップも付けておいてくれればよかった・・とか言ってたら、忘れた頃に帝国仕様が発売されたりして。スナイプテラの一般カラー含め、可能性はある気がします。 もちろん、その前に共和国所属の完全新規ゾイドか、流用でもせめてガブリゲーター型くらい変更点のあるものをどんどん出してもらいたいものですが。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。