「自然素材」の何がいいの? -これからの服えらび-
人は着ている服の成分を身体に吸収する、と言われたら、どう思いますか?
そんなバカな、オカルトだ、と思われても不思議じゃないでしょう。
でも、成分を吸収しているとは思えなくてもお気に入りの服を着ているとき、気分が上がったりすること、ありますよね?
色や肌触り、デザイン、素材によって、少なくとも気分は影響を受けている。
何を着たら気分が良いか?というのは人それぞれなのでわかりませんが、ここで注目して欲しいのは、自然素材を服選びの基準に入れてみて、ってこと。
「自然素材」なんて言葉、数年前にはあんまり聞かなかったと思います。
使われるようになったのは、化学繊維がよっぽど普及したからで、それらとは違うものだと区別するための言葉。
もともと、化学繊維が普及する前にはコットンとかウールとか、自然素材の服ばかりだったので、区別の必要はなかったのですよね。
ところが、「地球にやさしい」暮らしを意識する人たちが増えてきて、着る服も化学繊維を減らして、昔からの素材を見直そうという流れがあります。
「オーガニックコットン」という言葉、よく目にするようになってきました。
無印良品などの大手でも、肌着の素材にオーガニックコットン100%、とうたってPRしたりしています。
実は、大規模な綿花の栽培には大量の農薬が必要で、それが土地を痩せさせ、生産者の健康にも影響を与えます。
そこで、地球環境に優しく、生産者の健康にも配慮したオーガニックなコットンを着ることのメリットを訴えている。
それを選ぶことが、生産者さんの応援にもなるのですよね。
麻の生地もじわじわと人気が高まってきています。
夏のシャツの生地としてはリネンが有名。
さらっとした風合いで摩擦などにも強く丈夫で長持ちするとして人気があります。
最近ではヘンプの生地も見られるようになってきましたが、こちらはより繊維が強く、もっと丈夫。
最初は硬さを感じるかもしれませんが、着るたびに身体に馴染んできます。
実は、戦前の日本では麻=ヘンプとして日常生活のいたるところに使われて、市民の生活を支えていたのです。
神社のしめ縄は今でもヘンプ。
お盆のオガラもヘンプの茎です。
栽培のしやすさや、生育時のCO2の吸収、なども選ばれる理由になっています。
コットンリネンやヘンプコットンなど、素材を混ぜてもまた違った風合いが楽しめるのが自然素材の魅力。
さらに、草木染を施したものを選べば、化学染料で染めるときの水の汚染を防ぐことができます。
と、ここで最初の話に戻ります。
着ている服の成分を身体が吸収する、としたら、どうでしょう?
化学繊維なら石油由来の成分が身体に影響を与えることになるし、栽培時の農薬や化学染料が皮膚にあたることの影響は?
中国の古い文献『書経』には、服に薬理作用があることが示されていて、それが現在、薬を飲むことを意味する「服用」になったと考えられてもいます。
服と薬にはつながりがあると考えていた。
ま、それが実際にあるかどうか?はわかりませんが、もし気になったら、自然素材100%の服を選んで、ぜひご自身の身体で試してみてください。
今まで感じられなかった何かが、あるかもしれません。
★ヘンプ / 麻について
【麻】は縄文時代の昔より日本人の生活(衣食住)文化と密接に関わってきた植物です。最近の傾向で、繊維利用を目的とし品種改良した麻のことをヘンプ(Hemp)と呼ぶようになりました。
また、成長の速度が速く、農薬や肥料を必要とせず、痩せた土地でも育つので、環境にとても優しい植物です。その繊維、葉、花、幹、種子などは余すところがなく、建材・燃料・医療・祭事・神事などに利用され非常に親しまれていました。
かつての日本では、麻の糸でへその緒を切り、麻のようにすくすくと丈夫に育つようにとの願いを込めて麻の葉模様の産着を着せ、麻の鼻緒の下駄を履き、麻布の着物や褌を身に着けて、麻の茎入りの壁でできた家で暮らしていたのです。
三宅商店の自然素材製品
「衣服は大薬なり」
という言葉があるとおり、日々肌に触れるものを見直すことが、ものづくりの世界とのつながり、生態系とのつながりを見直すことになっていきます。
体を守ること、コミュニティを守ること、職人技を守ること、天然繊維をもたらしてくれる生態系を守ること。
身につけるものを変えることが、世界の変化につながっていきます。
家族や親戚、お友達へのギフトにも、厳選に厳選を重ねた三宅商店チョイスの自然素材たちを、ぜひご活用ください!
いつもありがとうございます!
三宅商店
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