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この道往けば act2

金ヶ崎隧道 Reverse編

2019.11.27 09:18

金ヶ崎隧道

敦賀市が全国に誇る近代土木遺産。

個人的には阿曽隧道小刀根隧道と合わせて、

敦賀三大隧道

そう呼ばせて頂いております。

(まぁ阿曽は別格ですが)


このブログで一番最初に取り上げた隧道の一つで、それだけ思い入れも強いのですが、先のブログでは敦賀側の坑門しか紹介していないということを思い出しました。

詳しくはこちらへ。

ウツロギ峠Reverse編を紹介した今、ここもやらねばなるまい!

これが今回紹介するエリア。

注目は旧道全てが現役の道でしっかり書かれているということ。

赤の破線にしたのは隧道の位置がわかりやすいようにです。

新金ヶ崎隧道のほぼ真上を貫いていることがわかりますね。

それではレポスタート!

おりしもこの日は地図左端にも抱えれている金ヶ崎宮が主催する「花換え祭り」の真っただ中。

探索日は平日でしたが、それでも地元民も驚くほどの人出にびっくりしました。

というかこれのおかげで、この辺の探索にいつも使っている駐車場が使えなかったんだよね。

桜は八分咲きという所、例年より一週間ほど開花が早いようです。

この日はなぜかゲートが全開でした。

もともと隧道前広場は金ヶ崎宮の駐車場として使っていた時期があるそうなので、そういうことなんでしょうか?

この区間、廃道じゃないのか??

廃道でした(笑)。

いよいよ何でゲートが全開だったのか謎だな・・・。

まぁ交通整理してたので、一般車はあのゲートまで入れなかったので問題なかったのかもしれませんが。

国道8号だと意識しなければ、整備を諦められた市道か、そこそこ気合入った舗装林道かという程度の道を上りつめると、倒木の向こうに広場が見えます。

ここまで来れば、もう辿りつく先は一つ。

ただいま。

帰ってきたよ。

旧金ヶ崎隧道(かねがさきずいどう)

明治19年竣工。

延長290m。

石組みと煉瓦を組み合わせた、明治隧道の傑作です。

「吉祥洞」

これは現金ヶ崎隧道にも掲げられている、あだ名みたいなもの。

「吉祥」とは「幸せなことが起こる兆し」ということなので、この隧道の開通によって福井県の歴史が大きく動いたことがうかがえます。


ちなみに揮毫はかの維新志士、山形有朋。

この頃は内務卿に就任していたので、インフラ整備も仕事だったのでしょう。

明治の息吹きを今に感じます。

一切の綻びも無い長手積みの煉瓦巻きたて。

明治19年に積まれたものが、100年以上の時を越えて今なお隧道を支え続けている事実に震えました。


このブログを初めてほぼ1年。

色んな隧道に潜りました。

そしてやっぱりわかったのは、「金ヶ崎隧道すげえ」ってこと。

これほどまで完璧に現存する煉瓦の隧道なんて、全国探しても数えるほどしかない。

こんな隧道が地元にあるだけで僕は幸せです。


さてここからしばし、光とはお別れ。

今のうちに名残を惜しんでおきましょう。

いざ!290mの闇の世界へ!!

とはいっても勾配もカーブも無い、直進の隧道、反対側にゴールは見えています。

しかしね、これがやっぱり怖いんですよ。

闇というのは根源的に人間が恐れを抱く対象。

この一歩踏み入れる瞬間というのは何度やっても慣れません。

途中、車の死体が伏していました。

これは・・・うん、なんだ・・・その・・・グロい。

時間的には撮影しながら進んで10分くらいで反対側へ。

落石も無く非常に穏やかな洞内です。

まぁ右手に写ってる配管の整備の為、多少の手は入っているのでしょう。


しかし植物の根っこの執念には驚かされます。

根っこは光を浴びる必要はないので、土があればこんなところにまで進出してきます。

・・・隧道を出たところは某有名セメント工場の敷地内とのこと。

一体どこに出るのか・・・。

一抹の不安が・・・。

そこに道など無かった。

久々に来たな。

完全に廃道だ!!

焦りのあまりまともな写真が取れてませんが、こちらが金ヶ崎隧道の田結(たい)側の坑門。

こっちは完全に廃隧道の風格です。


これだけ見ると阿曽隧道に匹敵する隧道だってのが伝わります。

金ヶ崎側はなんか人の手を感じますし・・・。

長野隧道と同じ匂いというか・・・。

完全廃道区間から下を見下ろすとそこには現金ヶ崎隧道坑口が見えました。

しかしこちらから上を見上げても、そこに道の痕跡を見出すのは難しいと思います。

それほどまでに完全に草の海に埋没してます。

春先の探索でこれなら、夏場なら・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

なんとガードレールが現存してました!

でもこれ本当に旧国道のガードレールなんだろうか?

なんか「ちょっとは落石受け止めてくれんじゃね??」的な意図を感じずにはいられないんだけど・・・。

もしくは配管工事用とか・・・。


まぁなんにせよ藪が落ち着いたので、一安心。

激藪区間は30m程度です。

ここで緊急事態発生!

向こうから人が来る!!

僕は大慌てで藪の中に身を隠し(笑)、隧道に舞い戻りました。

まぁとりあえず前回達成できなかった、旧金ヶ崎隧道は完全制覇できました。

ここから先は前回に引き続いての「国道8号旧道シリーズ」に譲ろうと思います。

1枚上の写真でも明らかに見えている路面、悔しいがもうちょっと待ってろ!


以上、旧金ヶ崎隧道Reverse編