7章 ささやかな願い
2019.11.30 01:58
病気が進行して、日常生活にも不自由をきたすようになっても、みすゞはまだ病気のことを誰にも明かさなかったが、さすがに母親には隠しおおせるものではなかった。
そんな彼女のささやかなよろこびは、日向で我が子と遊ぶことと、灯影で本を読むことだと自身が母校の通信で綴っている。そして一般的には最後の投稿作品として「夕顔」があげられることが多いが、この後で「繭と墓」が掲載され、死後にも2作品が発表されたことは他の先生方は書いていらっしゃらない。
夕顔
お空の星が、
夕顔に、
さびしかないの、と
ききました。
お乳のいろの
夕顔は、
さびしかないわ、と
いひました。
お空の星は
それっきり、
すましてキラキラ
ひかります。
さびしくなった
夕顔は、
だんだん下を
むきました。
何とも切なくなってくるような童謡詩だが、みなさんはどう思われるだろうか。