Q&A
僕が以前書いた記事を読んだ後輩くんからのメールだった。
おそらく、間違いなく、酔っ払っての連絡で、ちょっと面倒くさかった。
「写真で表現」って、そんな簡単に言うもんじゃない。大体僕はカメラマンじゃないから、引き出しも少ない。
だから、その時は何だかよく分からない下ネタではぐらかしたことを覚えている。
しかし、でも、うーん。
あれからちょくちょく「影」と「陰」の違いが気になっている。
相変わらず湖は釣れないし、
まして最近は3時間も釣りをすると温泉モードになってしまって、どっちがメインなのかもよく分からない。
まぁ、こんな時季があっても良いでしょう。(という訳で今回も釣りネタではありません。)
師走モードを目の前に比較的まったりとした毎日。
忘年会で久しぶりに町に出たので、スナップをシュートしながら、影と陰について色々考えてみた。
※「ヤバいワインをいっぱい飲むには、人生は短すぎる。」だって。いいねえ。
調べてみると「影」は「形」、「陰」は「場所」って理解すれば良いみたいです。
「影」は光のパートナーみたいなもの。
影絵とか影法師とか、光の当たった何かと一緒に動くものが、「影」。
ちなみにこれも前から気になっていたんだけど、「月影」も調べてみたら、月の光自体のことをそう呼んだり、月の光に照らされて映る人や物の姿のことを言うそうです。
つまり、光のことを影と呼ぶ、と。何か良いですね。
じゃあ、「陰」は?
陰は、「場所」。光が当たらない空間・場所のことを指すのだそうです。影が光の仲間なのに対して、こっちは闇の仲間、といったところ。
(酔っ払いながら撮った)この写真だと、紙の部分が「影」で、障子の木枠の部分が「陰」かな。
とまあ、こんな所まではネットで調べてすぐに分かったけど、それだけじゃつまらない。
僕自身の疑問を解決するためにも、もう少しだけ深く。
結構長い間、数日間は考え込んだ。
そして、結論。
「陰」は「力」、「未来」
で、
「影」は「美」、「(過去になり続ける)現在」
だと思う。あとまだ「混沌(カオス)」と「秩序(コスモ)」なんてのもありそうだけど、これはちょっと借りてきた言葉っぽくて好きじゃない。
今まで漠然と好きだった「カゲ」の形が少しはっきりしてきて、自分に説明できるようになって、とても気持ちがいい。これもまあ、あの酔っ払い後輩のお陰かもしれない。
陰(=闇)という形も時間もない世界から力を得て、
影(=光)に照らされ、形と時間と美しさが現れる。
そして、2つのカゲのグラデーションが人を惹き付ける。
人の営みだって陰影が作るストーリーの中にあるんだ。きっとそうだ。
同じ写真でもモノクローム(≓陰)だと、時間が止まったように見えて、力強さが増して、
ということで、K・Fくん、君が僕に出した、
「影と陰。この違いを写真で表現してくれませんか?」
の答えは1枚目の手の写真です。
(続きは今度一緒に呑んだ時に。)