国道303号 寒風トンネル旧道 後編
前編最後に現れた崩壊地。
これはなかなかクリティカルな崩落。
車なら絶対通行不可ですし、自転車でも(オブローダー以外は)通ろうとも思わないレベルでしょう。
ここで改めて、崩壊地を分析します。
写真がぶれてるのは足下が意外と悪いから。
かなり粗い土砂で、石というにはいささか大きすぎるようなサイズの落石も散見されました。
ただでさえ厄介な状況なのに、天候まで僕の探索を邪魔しにかかります。
廃道で雨宿り。
これは正直初めての経験でした(笑。
雨脚はそれほど強くはなかったんですが、崩壊地を越えるという作業を考えると、やはり少しでも万全を尽くしたいところ。
大きな椿の木の下を少々お借りしました。
焦らしてくれるぜ。
ちなみに雨は10分ほどで止みました。
しかしよく見れば、路盤はあるのです。
大量の土砂に埋もれてはいますが、その下には確かに平場が存在していることがわかります。
崩壊は3つのピークによって構成されていて、これはその中でも最も低い第1ピーク上から撮影しています。
そして最大の問題は次の第2ピーク。
崩壊斜面の勾配がヤバいことになってる。
登攀中はとてもじゃありませんが、撮影はできませんでした。
四足歩行でトラバースすれば、それほど困難な崩壊現場ではありません。
しかし雨で緩んだ土砂は崩れやすく(自業自得)、細心の注意を払いました。
写真では上から見下ろす構図になってますが、これは安全の為に高巻きしたから。
だって落ちればあのガードレールと同じように、名前からして冷たそうな寒風川にダイブですよ。
そして路盤はあるとは言っても半分くらいになってるようですね。
まぁ路盤があろうが、無かろうが、落ちたくないのは一緒ですが。
上を見るとごっそり逝っちゃってるのがよくわかります。
まぁでもこれは初心者向けの崩落地と言えるでしょう。
距離的にも、勾配的にも、余裕を持って攻略できます。
別におススメしてるわけじゃありませんので悪しからず。
廃道から流れ落ちる流しそーめんのようになってしまったガードレール。
崩落の威力が窺えます。
しかし普段頑強に見える(実際頑強ですが)ガードレールも自然が本気を出せばこの有り様だということ。
人間は自然に対してどこまで太刀打ちできるのか、道というのはそんな戦いな気がします。
先の見えない第3ピークの先は・・・、
楽勝!!
突破確定!!
振り返る崩落地帯。
3つのピークがよくわかるかと思います。
・・・そして滑った時の余地の無さもよくわかると思います。
ガードロープの支柱って、まさに氷山の一角だったんですね。
地上に出てる分の3倍くらい、地下に埋まってるってことがわかりました。
まぁ路面ごと持っていかれれば為す術はないですね。
こちらから見た方が崩落地の迫力は伝わるかと思います。
これが死んだ道、「廃道」の真の姿です。
崩落地の前には新し目の封鎖がありました。
これが一番新しい封鎖かと思われます。
たぶんいたんだろうなぁ。
バイクとかで突っ込んだ人・・・。
崩落地を過ぎれば、やんわりとした廃道が復活します。
落石がなければ現役と言われても・・・。
いや、無理か・・・。
前半の落石注意より、かなりの立ち往生っぷりを見せている「追い越し禁止」の標識。
これが見えればゴールはもうすぐそこです。
こちらにも同じく「廃道宣言」がありました。
こちらは国道303号と面しているので、人の目に触れることが多いです。
見たことあるよって人、けっこういるんじゃないかな??
最後に、寒風トンネルは1980年竣工だそうです。
ということは33年ものの廃道だったってことですね。
いやぁ、しかしいい道でした。
廃橋あり、崩壊あり、短いながらに凝縮されたとても濃い廃道です。
決してお勧めはしませんが、ちょっと雰囲気を味わうだけでもいいかもしれません。
ただしゴミは捨てないで!
以上、旧国道303号寒風トンネル旧道編