My Favorite Things
こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
"My Favorite Things"という曲をご存じでしょうか?
和名は「私のお気に入り」というそうです。
タイトルは知らなくても、コマーシャル等でもよく使われる曲なので、聞いたことはあるという方は多いと思います。
ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の一曲で、ベビーシッターのマリアが、雷を怖がる子どもたちに歌ってあげていた曲です。
When the dog bites 犬にかまれた時
When the bee stings 蜂にさされた時
When I'm feeling sad 悲しくなった時
I simply remember my favorite things 私のお気に入りを思い出す
And then I don't feel so bad そうするとそんなに嫌な気分じゃなくなるから
上はサビの部分の歌詞を抜粋し、簡単な訳を並記してみたものです。
雷雨に遭遇したり、犬にかまれたりということ以外にも、不安になったり気持ちが落ち込んだり、嫌な気持ちになるようなことは普通に過ごしていてもたくさんあります。
心がネガティブな状態になった時に、自分をポジティブな気持ちにさせてくれるものを知っているというのは、ストレスコーピングに有用な強みです。
多くの人は気分転換のために自分の好きなことを取り入れていると思います。
仕事の合間のコーヒーやお菓子、天気のいい日のお散歩、大好きな曲を聞く、etc., etc....
気分転換になる自分にとっての定番の方法が決まっているという方もいらっしゃるでしょう。
"My Favorite Things"では、マリアはたくさんの「お気に入り」を並べていきます。
鳴り続ける雷の恐怖を吹き飛ばすために、いくつもいくつも好きなものを並べ立てて歌います。
お気に入りがたくさんあること、そして自分が何を好きか知っていることは、ネガティブな局面を乗り越える大きな力になってくれるのです。
好きな食べ物、好きな動物といった思いつきやすいものだけでなく、"My Favorite Things"の中でマリアが挙げていた「まつげや鼻の上に乗った雪の結晶」や「月を背にして飛ぶガチョウ」のような、日常の中のふとした好きだなぁと思う瞬間を見つけてみてください。
もしかしたら、最初はあまり見つけられないかもしれません。
あえて好きというほどでもない、と感じられることもあるでしょう。
「好き」というと、特別な何かがないといけないような気がしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そうした「好きかもしれない」ものたちは、誰かにプレゼンしたり、かしこまって伝えるものではないので、自分で「好きかも」「あってもいいかも」「嫌いじゃないかも」と感じた程度で十分です。
日常の中にふとあらわれる、自分にとっての「たえなる」瞬間を大切にしてください。
そうしたささやかで微妙で、でも確かに自分の心にあたたかなものをもたらす瞬間が、時にとてもしんどく感じる時間を乗り越える支えとなるかもしれません。
かしこ