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のらくらり。

【R18】寝起きが一番色っぽい

2019.12.03 14:03

起き抜けにぼんやりしたまま触りっこ。

いちゃいちゃ。


かすかに意識が浮上していくのを感じる。

それでも瞼を開けるのはまだ億劫で、頬に感じる温かいものに擦り寄るように頭を動かした。

手に触れるのは肌馴染みの良い弾力のある何かであることは分かったけれど、それが何なのかを知ることは放棄した。

今はただこのまま微睡んでいたいと心が願えば、鼻から甘えるような息が出て、自然と腕にも力がこもる。

随分と居心地の良い空間だな、とルイスは思う。

自分を抱く温かい何かに身も心も委ねて、芯から全てが溶かされてしまうようだ。

あぁ、すきだな。

そう頭が理解した瞬間、その温もりの正体に気が付いた。


「にぃ、さん…?」

「おはようルイス。今日は随分とお寝坊だね」


ルイスが温かいそれに縋るように力を込めて、ゆっくりと瞼を開けて映るのは思い描いていたその人だった。

切れ長の瞳が蜂蜜を流したように煌めいている。

甘い瞳とは、文字通り今の兄が持つ瞳のことを言うのだろう。

いつだって優しくて頼りになるこの兄が、ルイスは世界の誰よりすきだった。

兄のためなら何でも出来るし、兄の邪魔になるものは全て排除してしまいたい。

寝台をともにするようになってからも、ルイスは強くそう思う。

昔と変わらず愛しい兄の腕に抱かれて眠ることが、何より幸せで大切な時間だった。


「おはようございます、兄さん」


きっと自分が起きるまで待っていてくれたのだろうウィリアムは、欲を感じさせずとも存分に愛を感じさせるキスを瞼に落としてくれた。

くすぐったいばかりのそれに返事をしてから、ふと周りを見てみればもう部屋は明るいようだった。

普段ならば当に目が覚めていてもおかしくないのだが、今の時間まで意識がはっきりしなかった。

昨夜は兄に長く抱かれていたのだから、その分の休息が必要だったのだろう。

これでは朝の執務に支障が出ると思い、慌ててウィリアムを振り返れば普段通り余裕を携えた彼が自分の体を強く抱き寄せた。


「大丈夫。今日一日くらい休んでも問題ないよ」

「ですが兄さん」

「それより体は平気かい?昨夜は随分無理をさせてしまったから」

「え、んっ」


先ほどのキスとは違い、明らかに欲を感じさせる手つきで腰を撫でられる。

確かに気怠い感覚は残っているが、動けないほどではない。

軍人であったアルバート程ではないにしろ、成人男性としてルイスも最低限は鍛えているのだから。

既往ゆえに限度はあるが、兄に抱かれた程度でダウンしてしまうほど体力なしではないつもりだ。

ましてウィリアムはルイスに無体を強いることはなく、ルイスも驚くほどに甘やかされた情事であることは分かっているのだ。

つい先ほどまで十分なほどウィリアムの腕の中で眠っていたのだし、体力もある程度は回復している。

そう反論しようとルイスは口を開けるが、欲を持った兄の手がそのまま腹側に回ってきてすぐさま口を噤んだ。


「ルイス…」

「に、兄さん…?」


ウィリアムの手はルイスの薄い腹の筋をなぞるように触れていき、そのまま下に手を伸ばしていく。

昨夜散々抱かれた体はまだ敏感で、その気がなくとも簡単な刺激で反応してしまう。

体の中心が震えているのを気配で感じ取り、ルイスは羞恥で顔を赤くして兄を見た。

紅い瞳はひたすらに甘やかだった先ほどとは違い、迸る情欲に濡れているようだった。

いつも涼しげな兄をこうも欲で満たしているのが自分なのだと思えば、感じ得るのは優越感と堪らない愛しさだけだ。

ルイスはウィリアムの瞳に映る自分の顔が、彼と同じように欲に濡れていることに気が付いた。

一晩中抱かれた後だというのに足りないなんて、自分は淫乱めいているのかもしれない。

けれど、兄がそれを望むのならばいくらでも乱れて魅せよう。


「ルイス…無理をさせてしまうけど、抱きたい」

「んっ、兄さん…僕も、抱いてほしいです…兄さん」


ルイスは兄の唇を自分のそれで覆い、腰を揺らして兄の手に自分の性器を擦り付けた。

ぞくりと走る快感に、思わず全身が震えてしまう。

ふいに口から漏れ出た声を聴いたウィリアムは、まるで自分が快感を得たかのように瞳を細めて再びルイスに口付けた。

唇をぬるりと這う感触に嫌な気持ちはせず、むしろもっとと強請るように唇を開けてウィリアムを誘いこめば、すぐさま彼の舌が口腔内に入り込んでくる。

互いの舌同士が触れ合うだけなのに、それだけで既に気持ちが良い。

唾液を絡めて交換するような深いキスにルイスが意識を持っていかれると、ウィリアムは彼の気がそぞろなことを知りつつ手の動きを再開する。

そうして竿の部分を揉みこむように上下に扱いて撫で上げた。


「っ、ふっ、ぅ、あっ」

「っは、」


突然の刺激に思わずウィリアムの肩を押して唇を離し、続けざまに腹部に目をやれば兄の手の中で喜んだように蜜を溢す自身の性器が目に入った。

兄の手を濡らしているそれに倒錯するような快感を自覚し、ゆっくりと彼を見れば獲物を見つけた獣のような瞳をしている。

欲を孕んだ、熱そのものをした緋色の瞳。

あぁ、今まさに自分は彼に食べられる被食者なのだ。

兄の欲を満たせるのならば、喜んでこの体を差し出そう。


「兄さん、もっと」


ルイスは淫らに微笑んで、キスを再開しようと顔を寄せる。

ウィリアムはその誘いを逃すことなく唇を奪い、横抱きの姿勢を変えてルイスの体を押し倒した。

一つ一つ丁寧に歯列をなぞり、上顎を撫で、口内に溜まった唾液を掻き混ぜるようにしてから喉の奥に流し込む。

ルイスは抵抗なくそれを飲み込み、上下する喉を振動で感じることでウィリアムはぞくりとした快感を得た。

手の中に収めている性器は、一切の刺激を与えずとも今のキスだけで体積を増している。

感じやすい自分の性質がよりウィリアムの欲を刺激していることは、知識として知ってはいてもあまり実感はしていないだろう。

ルイスは唇と性器から与えられる快楽と全身で感じる兄の温もりに、何も考えることなくただただ浸っていた。

馴染んだ体温と、全身が熱くなるほどの刺激がアンバランスで気持ちが良い。

まだ残っていた快感に新しく与えられる快感とのせめぎ合いに、体も心もついていかない。

もっと気持ち良くしてほしいし、兄にも気持ち良くなってほしい。


「ん、んぁ、ぁあっ」

「可愛い声で鳴くね、ルイスは。もっと聞かせてほしいな」

「んや、ぁ、兄さ、もうだめっ…ふっ、あ」

「駄目?どうして?」

「ふ、ぇ…にいさんっ…」


くち、くちゅり、と耳に入る水音がどうにも厭らしく耳に届き、それが兄に触られる自分から出ているのだと自覚した瞬間、もう我慢できないと思った。

散々愛された性器より、もっと後ろで一際強い快楽を得たい。

兄が自分の体を上から下まで一通り愛でることがすきなのは重々承知だ。

そうでなければ、毎度毎度こんなにも全身くまなく愛されるはずがない。

兄の良いように扱ってくれて構わないと公言してはいるが、今は自分だけに与えられる快感だけでは足りない。

ウィリアムの熱を感じて、一緒に気持ち良くなりたい。

兄の行動を制限するようで心苦しいが、昨夜にかけて溶かされた頭ではそこまで思考が回らないのも事実だ。

自分の性器を楽しそうに弄る兄の手を掴み、一瞬だけ躊躇うもすぐにそこより奥まった場所にその手を誘い込んだ。

兄の人差し指と自分の中指を絡ませて蕾を割れば、昨夜の名残りなのかするりと中に入っていった。

ルイスにはよく分からないが、おそらくこれが蕩けた状態なのだろう。

その証拠に柔らかく締め付けている内部からの刺激が背筋に伝い、物足りないと快感を教えてくれた。


「も、早く欲しい…いれてください、兄さん…っ」

「…どこで覚えたのかな、こんな誘い方」

「に、ぃさん以外に、誰がいるんですか、ぁんっ」

「ふふ、そうだったね」


ウィリアムはルイスがただ挿れただけの指を巧みに動かし、彼が感じる場所を的確に突いていく。

弟の羞恥を煽るためか、ルイスの指を操って自分で自分のイイところを弄らせる様子はウィリアムを楽しませた。

ルイスには兄の意図に気付く余裕などないが、それでも兄に誘導されるがまま指に動かすと、その刺激がそのまま自分の快感になっていることには否が応でも気が付いた。

まるで自慰をしているような倒錯感を覚える。

ウィリアムの手を添えられているとはいえ、兄の目の前で自分は一体何をしているのか。

だが、自分はともかく兄が苦痛を感じないよう中を慣らしておかねばならない。

本当ならすぐにでも挿れてほしいが、今までの経験上ウィリアムが何の慣らしもせずに挿れてくれる可能性は皆無だ。

ルイスの負担を減らすためと言われれば、焦らされていると感じてもルイスがウィリアムに強く出れるはずもない。

昨夜散々抱き合った後であろうと例外はないだろう。

それでも、なるべく柔らかくほぐしておいた方が挿入するウィリアムの負担もきっと小さくなるはずだ。

そう気を取り直して兄の愛撫を受け入れていることは、きっとウィリアムも知らないことだろう。

ルイスは自分の内部がどのようになればウィリアムが快感だけを得て挿入できるのかを知らないのだから、兄に全てを任せるしかないのだ。

自分の指に感じていることに気付かれたくなくて、ルイスは目を閉じて兄が満足するままに指を動かし、空いているもう片手で口を塞いだ。


「ん、ふっ、…んぅ、うぅ」

「…」

「んー、んぁ、ぅ、ふぅ」

「…可愛い」


兄の声に目を開けて前を見れば、ウィリアムが愛しいものを見るような緋色をルイスに向けていた。

思わず口に当てていた手をどけて兄の背に腕を回せば、彼も片手でルイスの背を抱いた。


「可愛い、ルイス。自分の指で感じているのが恥ずかしいのかい?気にしなくていい。これは僕の指だよ。存分に感じて、存分に声を出していい。ほら、ここが気持ちいいんだろう?」


脳を揺さぶるような兄の言葉に、箍が外れるような気がした。

自分の中を弄っているのは間違いなく自分の指なのに、それが兄であるウィリアムの指だというような錯覚を覚える。

手に触れている兄の体温が心地よくて、抱きしめられている体も満たされていて、彼の言葉通り確かに気持ちがいい。

ただ一つ、間違いを指摘するならば。

ルイスは眼鏡がなくともはっきり視認できるほど近くにいる兄を上目で見て、一言告げる。


「…ここじゃなくて、全部気持ちいいです」


兄さんに触れられているところ、全部。

そう告げればウィリアムの顔に満足気な笑みが浮かび、ルイスの中を弄っていた互いの手を抜いて、彼が待ち望んでいたものを挿れてあげることで返事をする。

柔らかくも強く締め付ける弟の中を堪能しつつ、ウィリアムは甘えたように鳴くその声も堪能するべく全身を強く抱きしめた。

兄に抱きしめられて、全身で兄を感じて、歓喜に震えながらルイスは愛しい彼の顔を見て幸せを実感するのだった。



(兄さん、朝からだなんて珍しいですね)

(今日は講義も休みだし、兄さんも用があるからロンドンに帰る予定もないしね。たまにはいいかと思ったんだ)

(一日ベッドの中にいるなんて、何だかいけないことをしている気分です)

(ルイスを可愛がるのはいけないことでも何でもないよ)

(ふふ。昨夜からずっと兄さんと一緒にいれて、まるで子どもの頃に戻ったみたいですね)

(あの頃のルイスよりも、今の君は随分と色っぽくなったけどね)

(それは兄さんもです。こんなに色気駄々漏れじゃありませんでしたよ、昔の兄さんは)

(ルイスには言われたくないな)

(兄さんの方が色っぽくなりました!いつも一緒にいた僕が言うんだから間違いありません)

(それを言うならいつもルイスと一緒にいた僕の言葉だって間違いないだろう?ルイスの体は随分と厭らしくもなったしね)

(そ、れは…兄さんのせいじゃないですか)

(そうだね。だから僕が責任取らないといけないね、ルイス)

(…お願いします、兄さん)

(勿論)