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のらくらり。

【R 18】三人恋仲

2019.12.04 00:09

28話でアルルイにドボンした。

アルバート兄様とウィリアムとルイス、三人で仲良くしてるのが最高にだいすき。


「それではお湯を貰ってきます。すぐに戻りますので、待っていてくださいね」

「慌てなくてもいいから、ゆっくりしておいで」

「よく温まってきなさい」

「はい」


アルバートの寝室で兄弟三人しばらく歓談した後、兄に薦められるままルイスは浴室へ向かった。

夕食を終えた後でルイスが朝食の支度をしている間に、ウィリアムとアルバートはそれぞれ入浴を済ませている。

そろそろ休もうかという矢先、まだ兄らと話していたがるルイスを宥めるように部屋から追い出したのには訳がある。


「さてウィリアム。教えてもらおうか」

「えぇ、勿論」


ベッドに乗り上げヘッドに背中を預けて凭れ掛かるアルバートの隣にウィリアムも腰を下ろす。

モリアーティ家当主であり尊敬する兄でもある彼のベッドに上がるなど、普段のウィリアムならば有り得ないことだが、今日は勝手が違うのだ。

二人並んで座っても余りある大きさのベッドは寝心地も抜群である。

足を伸ばして交差させているアルバートに倣い、ウィリアムも足を組んでから今ここにはいない弟を思い浮かべながら声を出した。


「ルイスがセックスの最中に喜ぶ行為はいくつかありますが、一番は抱きしめることでしょうね」


優雅に微笑むウィリアムの脳裏に浮かぶのは、赤らんだ頬を隠さず微笑むルイスの顔だった。

仲間内、特にウィリアムとアルバートにはよく表情を甘くさせる可愛い弟だから、見たことがなくてもある程度は想像がつくだろう。

アルバートはほう、と息を漏らして納得したように瞳を伏せた。


「いつもと変わらないな」

「えぇ。普段がしっかりしているので、その反動で甘えたいんでしょうね。抱きしめられながら繋がるのを好みます」

「なるほど…」

「ルイスが兄さんを怖がるとは思えませんが、安心させた状態の方がより可愛い顔を見られますよ」

「そうだな。初めてのことだし、怖がらせるまではいかずとも緊張はさせてしまうだろう。緊張を和らげるには抱きしめればいい訳か」

「はい。あとはキスをするのも良いでしょうね。ルイスは場所問わずキスされるのがすきなので」

「唇に限らないということか?」

「右頬は嫌がりますが、額や瞼は喜びますよ。全身を愛でて気持ち良くさせれば、火傷の跡に触れても嬉しそうに笑います」

「ほう、それは興味深いな」

「でしょう」


隣り合った状態で興味深いという様子を隠さずにいるアルバートと、まるで我が事のように可愛い弟を自慢するウィリアムは、つい先日ルイスを含めて三人で想いを繋げることになった。

三人で、とはいうが、ウィリアムはルイスが誰より大事だし、アルバートも同様にルイスを庇護対象に置いている。

互いに愛情は持ち合わせているが、欲の対象になるのは二人共通の弟であるルイスに対してだけだった。

可愛い弟をそういう目で見て良いものかとアルバートが頭を悩ませていたところをウィリアムに見つかり、洗いざらい想いを吐かされたのは記憶に新しい。

そうこうしているうちに気付けば、いつの間にか三兄弟という関係にプラスして三人で恋仲という関係が加わった。

となると、次は体の問題になる。

全員ともに立派な成人男性、人並みに性欲はあった。

ウィリアムとルイスは随分前から想いを交わして体を繋げているが、先日想いを交わしたばかりのアルバートはまだルイスと体を繋げていない。

アルバートとしては無理強いするつもりもなければ、ウィリアムからルイスを奪うような真似をするつもりもなかった。

自分を兄として認めてくれているとはいえ、ルイスを溺愛しているウィリアムがそれを許すとは思えなかったのだ。

だがアルバートの思惑が外れ、存外あっさりと許可が出たときは相当驚いた。

ルイスにしても「大丈夫です兄様!ウィリアム兄さんに抱かれているので、体は慣れています!」と意気揚々と両手を握られる始末だ。

抱きたくない訳ではないし、可愛い弟を自らの手で愛でることが出来るのならば幸せなことだろう。

ゆえに今現在、アルバートはウィリアムからルイスとのセックス事情について情報を貰っているところだった。


「フレンチのような深いものより、軽く触れるだけのキスを気に入っています。何度かしてあげると恥ずかしそうに笑いますよ」

「それは是非見てみたいものだな。きっと可愛いんだろう」

「あとは最初から激しく快感を与えるよりも、じっくりと時間をかけて愛撫した方が良いでしょうね」

「ふむ。その辺りは慣れるまで時間がかかるということかい?」

「いえ、ルイスは自分が気持ち良くなるよりも僕と長く触れ合っていたいと思っている節があるので、きっと兄さんに抱かれても同じだと思います」

「…随分可愛らしい特徴だな」

「ルイスですから」


指を組んで至極楽しそうに口を開くウィリアムは、まさか自分のことを話されているとは知らないであろうルイスを考える。

可愛い弟が敬愛する兄の手で綺麗に色濃く乱れるというのは興味をそそる。

自分以外に初めてルイスが心を開いた人間がアルバートであることを考慮しても、ルイスにとってアルバートはウィリアムとは別の意味で特別な人間だろう。

アルバートに抱かれることを嫌がってはいないし、ウィリアムとしても兄と弟が仲睦まじくいる様子は是非見てみたい。

だからこそ、初めてルイスを抱くアルバートに自慢がてら情報提供をしているのだ。

自慢とも惚気とも取れるだろうが、数時間後には同じ思いを共有できる立場になるかと思うと、それもまたウィリアムにとって興味深かった。

今まで内に秘めてきた感情をアルバートと共有できるというのは随分と魅力的な話だ。

誰より愛しい弟を任せても良いと思える程度には、ウィリアムはアルバートを信頼していたし好いている。


「子どもの頃から色々と我慢させてきた反動か、セックスのときのルイスは基本的に甘えたです。兄さん、甘えられるのは苦手ではないですよね?」

「ルイスならば構わないな」

「それは良かった。まぁ甘えるといっても抱きしめてほしいだとかキスしてほしいだとか、そういった些細なおねだりがあるくらいですけどね」

「…そんなルイスを前にして、ウィルはよく冷静でいられるな」

「冷静でいると思いますか?」

「いや」

「勘の鋭い兄を持って幸せですよ」


ゆったりと笑うウィリアムの表情が全てを物語っていた。

自分に触れる兄の顔色を見つつ、控えめに首元へ腕を回して上目でキスを強請る愛しい人間を間近で見て、冷静でいられる訳がない。

それこそルイスが酸欠になる寸前までその柔らかい唇を堪能したこともある。

ウィリアムからの暴力的なキスを受けて尚蕩けたように笑うのだから、より一層の愛しさが募るのだ。


「兄さんはルイスに触れたいと思いますか?それともルイスに触れてほしいと思いますか?」

「私の好みとしては、ルイスに触れて気持ち良くさせたいと思っているが」

「それは良かった。僕もどちらかといえばルイスに触れたいと思うタイプなので、あまりルイスにはこういった方面での技術を身に付けさせていないんですよね」

「ルイスには必要のない技術だということか?」

「はい。ルイスは僕に愛されていればそれで良いんです。僕が全身を愛撫して敏感になるよう教えてきたので感度は抜群ですよ。どこに触れても気持ち良さそうにするはずです」

「なるほど。触れるのが待ち遠しいな」

「ルイスは肌も綺麗ですから、触れるだけでも満足出来ると思います」


まだシャワーを浴びている弟は、今頃念入りに体を洗っていることだろう。

白い体に清潔感のあるシャボンの香りを纏わせている湯上りの姿は実に扇情的だ。

ゆっくりしてくるように言いはしたが聞き入れてはいないはずだから、もうじきこの寝室に戻ってくるに違いない。

実際に触れながらその反応を見て事を進めるのもいいが、他に何か伝えておくべきことはあっただろうかとウィリアムは顎に手をやり考える。

従順で感じやすい弟のことだから、要領の良いアルバートの手によって美しく乱れてくれるのは間違いない。

愛しい兄であるアルバートに抱かれてルイスはさぞ喜ぶだろうから、それを近くで愛でるのも良いだろう。


「…そういえば」

「どうした?」

「いえ、ルイスが唯一苦手なことがありまして」

「苦手?何がだい?」

「ルイス、フェラチオが苦手なんですよ」


ふと思い出したように話し出したウィリアムに、アルバートは瞳を丸くして彼を見た。

もう今更だしアルバートが言えた義理でもないが、綺麗な顔から出てくる直接的な言葉には少々面喰ってしまうのだ。

そんな兄の様子を気に掛けるでもなく、ウィリアムは淡々と記憶を遡りながら声を出す。


「僕としては存分に舐めて可愛がりたいのですが、大抵は嫌がられるし拒否されますね。どうも僕に性器を舐められることに戸惑いを覚えるようで、こればかりはいつまで経っても慣れてくれません。触れる分には気持ち良さそうに鳴いてくれるんですけど」

「…そうか。ならば私も拒否されてしまうのだろうな」

「恐らくは。気にしなくていいと伝えても嫌だと言うので、やる方としても一苦労です」

「何だ、結局はするんじゃないか」

「えぇ、まぁ。ルイスの精液は口に合いますし、快感に身悶える姿が可愛いので、多少強引ではありますがやることが多いですね」

「ルイスは怒らないのかい?苦手なんだろうに」

「終わった後は大概拗ねてますよ。でも抱きしめてキスしながら謝れば大体は誤魔化されてくれます」

「分かりやすい子だな」


簡単に想像がつくその様子に、アルバートは思わずくつくつと笑い出す。

元よりウィリアムの言うことに逆らわないルイスがはっきり拒否するということは相当に苦手な行為だろうに、それでも結局は絆されてしまうところは詰めが甘くて可愛らしい。

恐らくはウィリアムもそう考えているに違いない。

嫌がっているのを理解した上で、羞恥に染まりながら快感に浸る様子を見ることも拗ねた様子を見ることも機嫌を取ることも全て含めて、一連の流れを気に入っているのだろう。

アルバートが推察するに、要望に沿ってひたすらに甘やかしたセックスをしているのかと思いきや、ルイスの意向に構わずきちんと我を通すウィリアムに本人らしさが垣間見えた。


「口でされるのは苦手のようだが、する方にも抵抗があるのかな?」

「いえ、むしろ積極的に舐めたいと言ってはくれますね」

「…まるであまり経験がないように聞こえてくるが」

「事実、それほど回数をこなしていないので」

「何故?」

「ルイスには申し訳ないのですが、僕個人としてはルイスの体をすきに出来る方がよほど快感を得られるので断ることが多いです。してもらうときはいつまで経っても初々しくて可愛らしいので、それはそれで気に入ってますけどね」

「聞いていると、ルイスは随分とウィル好みに育てられているようだな」

「当然でしょう。ルイスは僕のものなんですから」


言葉の通り、至極当たり前のようにさらりと口にしたウィリアムがアルバートを見て妖艶な笑みを浮かべる。

その緋色は鋭くランプの灯りを映していて、さも自信ありげな様子を見せていた。


「僕が大切に教え込んできました。きっと兄さんの好みにも合うはずです」

「それは楽しみだな」


支配者然とした本質がよく似た二人だからこそ、セックスの好みも合うだろう。

さして心配もしていないが、こうなるとウィリアム自らが手をかけて大事にしてきたルイスの肌が俄然楽しみになってきた。

アルバートは乾いた唇を一舐めしてから、色香漂う目元を扉に向ける。

廊下からは音が響く深夜にはそぐわない足音が控えめに聞こえてきて、噂の末弟がやってくることを知らせていた。



(お二人とも、何を話されていたんですか?)

(ルイスについて兄さんに少しお話していたんだ)

(僕のことですか?)

(あぁ。どうすればルイスが気持ち良くなれるのか、ウィルに確認していたんだよ)

(えっ?)

(ふふ。髪を乾かしたら兄さんにたくさん触れてもらうと良いよ、ルイス)


(さてルイス、君はどこが気持ち良いだろう?)

(え、あの…さっき、兄さんに聞いたんじゃ)

(そういえば具体的な部分については確認していなかったからね。ルイスが教えてくれると助かるのだが…)

(ぼ、僕がですか…?)

(ほらルイス、アルバート兄さんに教えてあげないと)

(ルイス、どこが気持ち良い?)

(あ、え…う、ウィリアム兄さん)

(どうかした?)

(に、兄さんがお伝えしてください。僕より兄さんの方が詳しいです)

(…それもそうだね。でも僕はルイスじゃないから、間違った情報を兄さんに教えてしまうかもしれないよ?)

(間違ってなんかいません、兄さんはいつも正しいです)

(ふふ、そうか)

(それに…)

(何だい、ルイス)

(…兄様が触れてくれるなら、きっとどこでも気持ち良くなれると思います。アルバート兄様のすきにしてくれて構いません)

(…ほう。言うね、ルイス)

(兄さんが、アルバート兄様ならきっと僕を大事に抱いてくれると言ってくれました。僕もそう思います。…強いて我がままを言わせてもらえるなら、お顔が見える状態で抱いてもらえたら嬉しい、です)

(…ウィル、今までよくルイスを抱きつぶさなかったな)

(…僕もそう思います)

(私はあまり自信がないのだが)

(今日ばかりは仕方ありませんね。僕も加減できると思えませんので)

(そうか。おまえの許可があるならルイスの言葉通り、私のすきにしていい訳だな)

(えぇ。ルイス、おいで。僕と兄さんで気持ち良くしてあげるから)

(は、はい…)