COP25の開催に思うこと
2019.12.04 05:51
COP25(第25回国連気候変動枠組条約締約国会議)が12月2日、スペインの首都マドリードで開幕されました。初日の会合には各国の首脳級の閣僚が参加しましたが、主要排出国の中国、インド、日本は参加していません。また、アメリカのトランプ大統領は脱退を表明しています。
来年から始まる地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づいて、各国が自主目標を設定しています。「パリ協定」とは2015年パリで開かれた温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)のことで合意された協定です。
「パリ協定」は1997年に定められた「京都議定書」を引き継いだものです。「京都議定書」では排出量削減の法的義務は先進国のみに課せられていましたが、発展途上国の中でも急速に経済発展をしている国々が誕生して、それに伴って排出量も急増しています。
世界各国別の2016年の温室効果ガス排出量シェアは、
1位が中国で 23.2%、
2位が米国 13.6%、
3位EU-28 10.0%、
4位インド 5.1%、
5位ロシア 5.1%
6位インドネシア 3.8%
7位ブラジル 3.2%
8位日本 2.7%
9位コンゴ共和国 2.3%
10位カナダ 1.5%
パリ協定は、産業革命前からの平均気温の上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えるとして、今世紀後半に温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にすることを謳っています。アントニオ・グテーレス国連事務総長は2日の開幕演説では「世界的な気温上昇を1・5度までに抑えるためには、2050年までに二酸化炭素の実質排出ゼロを達成しなければならない」と訴えていますが、現段階では各国が自主的に目標や基準年度を決めています。
日本は中期目標として、2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度の水準から26%削減することを目標としています。EUは1990年比で40%削減を目指していますが、日本と同じ2013比で換算すると24%削減になります。
温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の本格実施を来年に控え、各国が温室効果ガスの削減目標の引き上げや、新たな排出抑制策を打ち出す機運が高まるか注目されています。現在の目標を各国が達成しても3度以上の上昇になると指摘されており、さらなる一層の削減の取り組みが必要になっています。
問題点
2050年温室効果ガス排出80%削減や0%を本気で目指した時、自国のエネルギー政策との関連があります。特に再生エネルギーの割合と原子力発電の割合です。再生エネルギーを基幹エネルギーにするという意見もありますが、現実的に無理です。特に現段階の太陽光発電は悪天候時の発電と夜間の発電の問題、そして何より割高の電気料です。
逆に原子力発電はCO2が発生しない面と天候に左右されなく、資源のない日本おいては最有力な基幹エネルギーになります。また、電力コストも一番安いです。ちなみに資産エネルギー庁のデータによると1キロワットアワーあたりの発電コストは
原子力発電 10.1円
石炭火力 12.3円
LNG火力 13.7円
石油火力 30.6円~43.4円
風力(陸上) 21.6円
太陽光(メガソーラー) 24.2円
それに石炭、LNG、石油の火力発電では燃料費だけでなく二酸化酸素対策費もかかります。
また急激な脱炭素社会は経済活動を一気に低迷させます。あくまでも温室効果ガス排出規制はその国の経済状態と密接に連動する必要があります。例えば太陽光発電を基幹エネルギーにする場合、電気料金が倍以上になりため、企業の利益を圧迫します。また、夜の電力制限されるなどの規制があれば、24時間営業している会社や工場はあっという間に利益が減少します。
なによりも地球温暖化自体の原因がCO2かどうかは完全に科学的に証明されていません。地球はCO2に関係なく温暖化と寒冷化を交互に繰り返しています。また、太陽の影響説もあります。公害対策ではトップレベルの日本です。日本もアメリカのように日本ファーストの考え方を持たないと、経済が更に衰退する可能性があります。