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毎日入れ歯の手入れをしてますか?

2019.12.04 06:52

要介護状態でない高齢者においても、義歯清掃を「毎日はしない人」は「毎日手入れをする人」に比べて、過去1年間に肺炎を発症した人が1.3倍多いことを明らかにしたと東北大学が発表しました。

施設入居をしていない高齢者の口腔衛生と肺炎との関連性を調査したもので

肺炎は高齢者において死因の上位を占めており(2016年の調査で3位)、嚥下機能及び免疫機能が低下する高齢者では、飲食物や唾液などが肺に入ることによる「誤嚥性肺炎」を発症するリスクが高く、誤嚥時に口腔内の微生物も一緒に肺に到達することにより、肺炎が発症すると考えられている。

そのため、入院患者や介護施設入所者に対して「口腔ケア」を実施することで、肺炎を予防できることが報告されてきた。

今まで誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアが入院患者や介護施設入所者に対して実施され、その有効性が確認されてきた。

しかし、要介護認定を受けていない高齢者でも誤嚥性肺炎のリスクはあるにも関わらず、入院や施設入居をしていない一般的な高齢者における口腔衛生と肺炎の関連についての研究は行われていなかった。

そこで本研究では、2016年に実施されたJAGES(Japan Gerontological Evaluation Study ; 日本老年学的研究)調査に参加した要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者のうち、義歯を使用している7万1,227人を対象に、義歯の清掃頻度と過去1年間の肺炎発症の有無の関連を横断研究で調べた。

75歳以上で毎日の義歯清掃を怠ると1.58倍も肺炎リスクが高まる

その結果、対象者7万1,227人のうち過去1年間に「肺炎を発症したと答えた人」は2.3%、「義歯を毎日は清掃しない人」は4.6%であった。

また、「義歯を毎日清掃する人」では過去1年間に肺炎を発症した人は2.3%であった一方、「毎日は清掃しない人」では3.0%であった。

さらに75歳以上の人に限ると「義歯を毎日清掃する人」では過去1年間に肺炎を発症した人は2.9%であった一方、「毎日は清掃しない人」では4.3%と、肺炎発症のリスクが高くなった。

傾向スコアを用いた統計解析により、65歳以上の全対象者では「義歯を毎日は清掃しない」ことによりリスクが1.30倍高く、また、75歳以上の人に限ると1.58倍高くなることが示された。


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