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Workshop Vuovdi / 東京下町の小さな森の工房

狩猟とキャンプ(基礎構築編)

2019.12.04 11:21


海外のYouTube動画を見ていると軍幕に薪ストーブをインストールして真冬のキャンプを楽しんでいるソロキャンパーの映像をよく目にする。で国内ではどうなのかというと、私のキャンプ場を見ている限りではやはり薪ストーブをインストールする方が増えてきたようだ。ただし国内ではまだファミリー層でのキャンパーが大多数を占めているせいか、大型のテントに薪ストーブという形で、ソロでの薪ストーブインストール派はまだマイノリティーのようだ。 


そこで今回のテーマは『狩猟とキャンプ』ということで狩猟にはどのようなキャンプが良いのか?ということを考えてみることにした。


 

日本には昔からマタギと呼ばれるプロの狩猟集団がいた。彼らの行う狩猟は主に巻狩りというグループ猟で、山奥にマタギ小屋と呼ばれる小さな山小屋のようなものを作り、そこをベースに生活し狩猟を行っていた。キャンプといえばキャンプだがマタギ小屋は丸太でしっかり組まれた小屋なので毎年毎年、壊れたら修復し繰り返し使われていたようだ。


 現代では交通の便もよくなり、わざわざ山奥に泊まらなくても狩猟が可能になり、ほとんどのハンターは朝早く家を出て暗くなる前には下山して帰路に着くという人が多い。

しかし、朝早く出てほぼ皆車移動だと思われるが移動範囲は時間的に限られてしまうと思う。私の場合では東京都江東区在住ということでまずは猟場まで遠い。片道4〜5時間というのはザラである。近くに猟場があっていつも同じ場所にしか行かないって人なら別だが、移動時間はできるだけ短い方が良いに決まっている。 



であれば猟場に近いところに泊まってしまえ!というのが私の案だ。野営が可能な場所であればホテルやキャンプ場のようにチェックインの時間に捉われる必要もない。普通に前の日に仕事を夕方までやり、夜出発しても現地で野営すれば仮眠の時間くらいたっぷりある。そして休みさえ多く取れれば猟場の範囲は限りなく広がる。


 最後に私の狩猟でのキャンプスタイルだが冒頭にも話した軍幕に薪ストーブという海外のブッシュクラフターでは定番のスタイルが今の時点では快適に泊まれる最終結論だ。 



まずは軍幕だがポーランド軍の通常ポンチョとして支給されるものだが、これを二枚つなぎ合わせるとティピー型のテントになる。中は狭いがこれがソロで狩猟で使うには最適であると思う。この狭い空間に薪ストーブをインストールするわけだが広い空間を温めるわけではないので薪は最小限で済むのが1番の理由。キャンプだけをしに来るのであればいくらでも薪集めに時間を割いても良いが、狩猟しながらだと少しでも設営やその他の準備時間は減らしたい。次に軍ものは本当にタフに扱える。無骨なのも狩猟にはぴったりだ。そのほかポンチョでは手を出す部分が煙突の取り出し口にはなるし、ワンポールテントは設営が早いのも理由。 



次に薪ストーブ。私はG-Stoveというノルウェー発の薪ストーブを近年愛用している。軍幕にインストールすることを考えると薪ストーブは大きすぎてもダメだし小さすぎてもダメでバランスが大事になってくる。まず狭い空間を温めるだけなので大型のものは必要ない。できるだけ機材はコンパクトにまとめたい。しかしオーバーナイトでの使用を考えると小さなストーブは薪も小さくなくてはならず、小さな薪は長く燃えてくれないので火の世話が大変になる。 G-Stoveでは火の世話が全く必要でないわけではないが、慣れればその日がマイナス十何度であれ快適に眠ることが出来る。だだし気温が最も下がる時間帯に出猟することになるのでテントから出るには勇気が必要だ。


 あくまでもこれは私の場合での『狩猟とキャンプ』である。車中泊も色々やってはみたが、やはり火の暖かさには敵わないものがあるし自分ではこれが自分流のマタギ小屋だと思って楽しんでいる。