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この道往けば act2

観音坂隧道

2019.12.04 23:18

さて鈴鹿峠から始まったこの日の探索は今回で最後。

現役国道から廃橋、廃隧道を巡って辿りついたのはこのブログの大本ともいえるこの分野。

現役だけど味のある隧道。

現役だからこそ感じる村田鶴の熱意と情熱。

それを感じていただければ嬉しいです。


ただ時間帯が・・・、いや言うまい。

レポスタート!

※ブログ引っ越しにあたっての追記

2021年現在、観音坂隧道は新観音坂トンネルの開通により廃隧道となっています。

在りし日の姿をお楽しみください。

いきなり暗い!!

塩汲峠編の終盤を思い出すこの暗さ!

ウツロギ峠Reverse編でも思いましたが、暗いってのは単純に重要なものを見逃すリスクが高いってこと。

これは重要な問題です。

ちなみに現在地は・・・、

滋賀県長浜市

過去にもちょくちょく出てくるこの市。

実は長浜市は敦賀市のお隣なので、遠征って言うのはどうなの??って自分でも思ってるんですが、なにせ滋賀県下最大面積(湖上面積含む)の自治体。

その南端にあたるこの辺りは十分遠いんですよ。


そして前回紹介した横山隧道も地図中に見えていますね。

ある意味兄弟のような位置関係にある隧道です。

一番上の写真は滋賀県道243号東上坂近江線(ひがしこうざかおうみせん)から、この隧道のある道との交差点を撮影したもの。

この道の名は・・・、

滋賀県道509号間田長浜線

(はさまたながはません)

道は狭いですが、れっきとした県道です。

いかにも隧道がありそうな線形で登って行く県道509号。

この先にある隧道の名前は、

観音坂隧道(かんのんさかずいどう)

村田鶴作品の中では比較的後期の隧道で、煉瓦からコンクリートへの移行期にあたる隧道です。

古い道ならではのワイルドな切り通し。

林道等では比較的よく見かけますが、僕はけっこうこの光景が好きだったります。

なんかこの取り残されちゃった感が愛おしい。

いつの間にかこういう光景も少なくなりましたねぇ。

山に入りそうで入らない焦らし好きな県道。

というか集落が結構山裾まで食い込んでるんですよね。

地形図に名前も載らない低い山ですが、かなり地域と溶け込んでいるようです。

ここからは・・・、いよいよっぽいな。

看板林立は峠の証!

峠道は工事中でした。

調べてみたところ新トンネルを含めたバイパスが建設中とのことです。

観音坂隧道も廃隧道の仲間入りする日はそう遠くないのかもしれません。

カーブの先には・・・、

見えちゃってる!!

観音坂隧道、着。

夕闇に浮かび上がる姿には、只ならぬ存在感があります。

個人的には迫り出し型と呼んでいるこのタイプのポータル。

過去には湖北隧道や現佐和山隧道などがそれにあたります。

ピラスターを持たず、スパンドレルが全体的に前に迫り出すような姿のものを早々称しています。

ここのものはコンクリート製にもかかわらずデンティルを有している辺りがさすが村田鶴。

一筋縄ではいかないぜ。

とりあえず、米原側へワープ!

米原側にはお地蔵様がありました。

観音坂(峠の方ね)に由来するものでしょうか。

今日一日の探索の無事に感謝します。

長浜側の扁額は隧道名でしたが、米原側には別の言葉が。

「造化無権」

造化とは「天地を作ること、またそれを為す者」という意味があり、無権は「測らない」や「区別しない」という意味があるので、ここでの意味は「誰もが自由に通れる神のごとき道」みたいな意味でしょうか。

ちょっと装飾しすぎたか?


なんにせよ、これで長かった三重遠征はすべて終了です。

最後2つは、夕闇に飲まれかけてるのでまた再訪します・・・。

古峠にも行きたいですし。


以上、観音坂隧道編