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㉞話し合い

2019.12.05 01:16

私は、先生に、


「二人とも絶対に無事に、


 安全に産みたいです。 

  

 その為に帝王切開にして下さい。」



 とお願いしました。





でも、O先生は

首を縦には振りませんでした。



先生

「言いたい事は分かった。


 赤ちゃんを安全に産みたい気持ちも、


 分かります。


 色々あったもんね。



 でも、久美子さんは、


 大きな勘違いをしています。



 そもそも、帝王切開の方が


 安全と言うことは、ありません。




 帝王切開にもリスクがあります。


 久美子さんは、お友達とかに帝王切開で

 赤ちゃんを産んだ人もいると思うし、


 皆、無事に産んでると思うけど、


 この医療が発達した日本でも、


 年間に何人かは、帝王切開が原因で


 亡くなっている人がいます。



 大丈夫だと思ってるでしょ?!




 違うんだよ。




 私達医師も、絶対にそうならないように、


 あらゆる対処はしてるの。


 それでも、亡くなってるの。



 それが、久美子さんには起こらない、


 なんて言えないんだよ。」




そんなこの言われても…




でも、もし経膣分娩にして、


2番目に産まれる子に何か事故があったら…



でも、ここで、私が


もし、もし、


って言ってはいけないような気がしました。



こうまでして、


経膣分娩に分娩にする理由… 


何なんだろうか?




先生

「この前、この病院の産科の先生が、


 双子を出産したの。


 主治医は、私。


 最後まで、最初に出てくる予定の子は、


 頭が下、2番目の子は


 身体ごと横を向いていた。




 この場合、出産は、経膣分娩、帝王切開、


 どちらでもいい。


 最後まで悩んだ。 



 でも、彼女の希望によって、


 もし、二人目だけ帝王切開になっても、


 経膣分娩でチャレンジしたい…と


 結局、二人とも


 経膣分娩で産めたんだけどね。




 久美子さんの場合は、二人とも頭が下。


 しかも、かなり良い位置にいる。


 経産婦。


 こんなに恵まれてることはないんだよ。


 私達だって、双子の妊婦、


 帝王切開で産んだ方が楽だよ。


 呼び出される事もない。


 せっかく経膣分娩で産める環境に


 いるんだよ。


 お腹を切らないで、産めるんだよ。


 後、もし今後、


 久美子さんが何か病気になった時、


 お腹切ってない方がいいよ。」





私は、黙って先生の話しを聞いていました。



ここまで言われると私は、


もう良く分からなくなっていた。


そう、結局のところ、


赤ちゃんは、産まれて来ないと、


何も分からない。



後悔するかしないかは、


出産してみないと分からないのだ。 



私が迷っていると、夫が言った。



「経膣分娩でお願いします。」


(゜_゜)



私は、えー!!って、


私が決めるって言ったじゃん!って




心の中で夫を一瞬睨んだ。




「俺、久美ちゃんが死んだら嫌だから、


 少しでも、


 死ぬリスクがあるのは、


 賛成できないや。ごめんね。」




ああ…


この人は、赤ちゃんだけでなく、

私の事も考えてくれてるのか…




先生

「あんまり待てないけど、


 10分ぐらい、二人で話してごらん。



 待ってる。」





そう言って先生は部屋を出て行きました。


私は納得できたのか…


うーん…


実際は、出来なかった。


でもね、ここは前に進むしかない。


信じるしかないって気持ちになりました。