一人ひとりに寄り添って自立を目指す - 弥富市 学校生活適応指導支援室"アクティブ"
弥富市の鍋田支所2階にある「学校生活適応指導支援室」の"アクティブ"。
不登校児童生徒の自立を目指す「学校生活適応指導支援室」
適応指導支援室って何をするところかご存知ですか?
適応指導支援室は、学校ではありません。学校に行かなければと思いながらも、悩みごと、心配ごとがあって、登校できないでいる小学生・中学生のみなさんや、その保護者の方々のために、設置されたもので、本人の状況に即した学習や教育相談などを行い、心の安定と成長、ゆるやかな学校への復帰を手助けする場所です。
弥富市においても年間50〜60名程度の不登校児童生徒がおり、現在20名弱が学校生活適応指導支援室アクティブに通います。
不登校児童生徒を無理に学校に行かせることが目的ではありません。
社会に出て生活をしていくため、人との交流を通じて自立支援することが目的です。
不登校になる理由は様々で複雑です。
アクティブでは人との交流を通して、先生や支援員、仲間と一緒にゆっくりとその子のペースに合わせて寄り添いながら自立を支援していきます。
人との交流が断絶されたら自立することは困難です。
核家族が増え、少子化が進んでいます。
昔々の家庭や街に人があふれていた頃は、良くも悪くも自然と様々な人との交流が生まれていました。
それが現代では少なくなり、きっかけはちょっとした一言や環境の変化だったりしても、大きな不安感や心の傷に繋がりやすく、不登校や引きこもりに繋がっているのかもしれません。
アクティブは、鍋田支所の2階。静かな場所にあります。
細かな決まりごとはなく、服装は個人の裁量で、平日9時から15時までの開室しています。
「人と人との絆の大切さを知り、強く育てることが重要」(奥山さん)。
アクティブで勉強して、高校へ進学します。
近年の高校進学率は100%で、続いているそうです。
訪問した日も、午後の時間に伺いましたが、中学生3人で楽しく話し合いながら勉強をしている子たち、もくもくと自分が興味のある作業に没頭している子、ゲームを楽しんでいるグループ、楽しくキャッチボールする子たちなど思い思いに過ごしていました。
伸び伸びと過ごす子どもたちと、遠くもなく近すぎもしない適切な距離感で接する教育長や支援員さんを拝見して、一人一人の個性や状況をしっかり受け止め、気持ちに寄り添いながらカスタマイズした対応で自立を目指している感覚がひしひしと伝わってきました。
そんなアクティブが抱えている課題感は、「アクティブへ通うための市内交通手段」とのこと。
鍋田地区にあるアクティブに通うための交通手段が限定的であり、保護者による送迎か、市内を30分以上もかけて自転車で行き帰りするしかない状況があります。
弥富市には「きんちゃんバス」が運行されていて、これを利用する児童生徒もおりますが、バスの到着、出発の時間がアクティブの理想的な開始/終了時間とは合っていないため、入室が遅くなったり、早めに帰ることになりあまり便利とは言えません。
次のダイヤ改正のときは、アクティブに通う子の利便性を重視してほしいと要望します。また、将来的に弥富市の中央部に大きめの施設を作る計画や、それまでに北部地域にもう一つ適応指導支援室を開設するなど、様々な角度から検討しているところです。
来てさえくれればしっかりと受け止めて寄り添う環境は用意できていますから、「どうやって行くのか、どうやって帰るのか」という部分、もう少し改善していく余地があるなと思っています。(教育長)
今回は、弥富市の南部 鍋田地区に位置している「適応指導支援室アクティブ」について、詳しく教えていただきました。ありがとうございます。
ご興味を持たれた方へのお願い
なお、本取材は、弥富市における教育の一端を発信すべく取り上げましたが、興味本位での見学、アクティブへの直接の問い合わせ等はご遠慮くださいますようにお願いいたします。
見学や相談の希望は弥富市教育委員会へまずはお願いいたします。
弥富市 教育部 学校教育課 庶務グループ
- 愛知県弥富市前ケ須町野方802-20 総合社会教育センター
- 電話番号:0567-65-1111(代表)