壮麗帝の挑戦6-赤ひげ提督チュニス陥落
2019.12.09 04:16
1534年オスマン帝国によって、チュニスが陥落した。これを実行したのは、バルバロス・ハイレッデンという北アフリカを荒らしていた大海賊である。ハイレッデンは4人兄弟であり、兄弟揃って海賊である。兄ウルージは、1516年アルジェリアを占領して、オスマンに臣従して承認された。
17年アルジェリアはスペインに奪還され、兄は死亡。兄の地位を引きついたハイレッデンは、オスマンの支援を得て、1529年にアルジェリアを完全占領し、それを足場として、対岸のマルセイユやシチリア島を略奪した。そして1533年スレイマン1世によりカプタン・パシャ海軍総司令官に任命された。
それからは、パシャとしてローマ近郊のオスティアにまで出現し、ローマにとっても脅威となっていった。1534年、ハイレッデンは、チュニスを攻略した。チュニジアは、13世紀以降はフス朝が支配して、オスマンからは独立し、欧州とも交易を行ってきた。
スルタン・ハサンは、チュニスを逃れ、皇帝カール5世に援助を要請した。ヴァチカンからも、再三ハイレッデン討伐を要請されていたカール5世は、ポルトガルのジョアン3世と連合し、チュニス攻略に大艦隊を編成した。
下左はイスタンブールのハイレッデン像右は当時のチュニス