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「自分らしく生きる」社会を実現するために〜多様性の街ニューヨークで、起業やシェアリングエコノミーを学ぶ〜

2019.12.11 10:00

初めまして。今回「起業を目指す若手支援2か月ニューヨーク滞在プログラム」に参加中の木村薫子と申します。

まずはじめに、私がニューヨークに来ている理由を、きっかけとなった出来事を踏まえてご説明させていただければと思います。



ニューヨークの人たちは、自分から湧き出るビートに正直

人種のるつぼ、アメリカ。中でもニューヨークは様々な地域から来た人種や母語が異なる人々が、場所や時間を問わず、それぞれの仕方で「自分のカラー」を表現しています。


たとえば、地下鉄の車内や駅構内での楽器演奏やダンスの披露は当たり前。バスに乗っていて、隣の人が急にヘッドフォンの音楽に合わせて体を揺らしたり、歌い出したりするのも日常茶飯事。

先日のサンクスギビングのパレードでは、巨大なバルーンを前に、40〜50代とみられるおじさんたちが「ヒュ〜ヒュ〜スポンジボブ来た!!イェーイ!!!」と大はしゃぎでした。1番ガヤを盛り上げてくれていたのは、子どもたちだけではなく彼ら。


そして、このホリデーシーズン、街中を歩けば真面目な顔をしたビジネスマンが七面鳥やサンタの帽子を被って颯爽と歩いています。誓いますが本当です。なんて微笑ましい。


このような人々を見るたびに私は、「ああ、ニューヨークに来て正解だった」と目頭が熱くなります。なぜなら、私の活動の軸は「自分らしく生きる」ということだからです。

「自分らしく生きる」ことは、自分の感情を正直に表現し、自分の好きなことを実践し、自分の長所を生かして個性を存分に表現することだと思っています。そのようなことが、日本社会ではまだ実現できていないと私は考えます。


日本の慎ましさ、秩序を基盤とした和を美徳とする文化の美しさは特異性があり、貴重なものです。私が問題として捉えているのはそこではなく、自分らしさを生かした職業選択ができづらい社会のことです。

「自分の好きなことは趣味に取っておきなさい」「好きなことばかりしていては成長できない。苦手なものこそ取り組んでみるものだよ」そんな意見があることも知っています。

確かにそれらは事実です。でも、自分の長所を生かした仕事を切実に求めている人たちがいることも確かです。



フィンランドやドイツで、私を変えた忘れられない出会い

学部3年次、私はフィンランドへ1年間の留学をしていました。ある時、フィンランドの小学校で日本文化を生徒たちにプレゼンテーションで紹介する機会がありました。

その授業の後、知的障がいを持った男の子が近づいてきて、手書きのオリジナルイラストをたくさんプレゼントしてくれました。彼は私に、日本が大好きだということ、将来日本のゲーム会社で働きたいという夢を語ってくれました。そして私に、どうしたらその夢を実現できるのかと尋ねてきました。


私は答えに窮しました。日本のネイティブで、健康になんら問題のない人でさえ自分の好きな仕事に就くのは簡単ではないと私は感じていて、少年の夢と希望のはざまで、胸が締め付けられる思いがしました。

彼の絵は細かいところまでよくデザインされており、どうすれば彼の能力を最大限発揮することができるのかと悩みました。


その後、私はドイツの有機農家でインターンシップをしました。そこには正規の外国人労働者として、私と同年代の女の子が働いていました。

その子とはいつもおしゃべりをしていて、状況をよく知ることができました。彼女は4年制の大学を卒業しており、観光学の学位を取得し、5か国語を話せること。母国の経済は混乱しており、まともな職に就くことができないこと。

そして彼女は、将来母国に戻り、自分の専門である観光の職に就きたいとの夢を私に教えてくれました。でも、その夢をいつ叶えることができるか、そもそも可能かどうかさえわからない、と伏し目がちに言いました。


私は不思議に思いました。なぜ、彼女のような有能で尊敬すべき人格の持ち主が、身寄りのない外国の、炎天下のもとで肉体労働をしなければならないのか?偶然生まれた国によって職業選択の幅が違うなんて、そんなの不公平だ、と。



起業やシェアリングエコノミーを学び、能力を活かせる社会づくりに貢献します

以上のような経験を通して私は、ハンディキャップがあろうとなかろうと、性別や経済状況、生まれた国に関わらず、それぞれの能力を最大限活かすことができる社会づくりに尽力することを心に決めました。

このようなビジョンを実現するには、シェアリングエコノミーをベースにしたプラットフォームを構築する必要があると考えています。いわゆるスキルシェアを活用するのです。


シェアリングエコノミーを運用するにはITの知識や技術が必要です。

そのため私は、大学院在学中からインターンシップを通してITビジネスの動向について学んできました。そこで、ITが働く場所や時間の制約を取り払ってくれる有用性についてもよく理解することができました。プログラミングについても現在学習中です。


そして、今いるニューヨークでは、起業やシェアリングエコノミー 、ハンディキャップを含め様々な能力を持った人々のキャリア形成について学んでいきたいと思っています。

「自分らしさを存分に発揮できる社会に」という目標のもと、私はここ自由の国アメリカにおいて、多様性が生かされる秘訣を探していきます

それは、会社のオフィスの中にあるかもしれないし、普段通っている道端で見つけるかもしれない。美術館やレストランだって見過ごすことはできないと思っています。


これから書いていくこのブログには、そんな日常の中で見つけた発見についてまとめていきます。稚拙な文章ではありますが、どうかお付き合いいただければ幸いです。