腕立て伏せはベンチプレス とは違う
押す動きを使ったトレーニングの代表格である「腕立て伏せ」と「ベンチプレス」
同じような動きに見えますが、実際の動作のポイントは異なります。
簡単に言えばベンチプレスはいかにベンチを利用するのかが重要で、ベンチに対して肩甲骨や仙骨を適切に押し付ける事でバーベルやダンベルといった重量物をより多く持ち上げる事ができます。
腕立て伏せはベンチを利用する事ができないため、肩関節を含めた全身の関節の安定性が求められます。
特に腕を曲げた状態での肩甲骨の位置は両者でかなり違いがあり、腕立て伏せの場合、腕を曲げた状態でも肩甲骨を寄せずニュートラルポジションを保ちます。
これは日常的に立って強く物を押すようなスポーツの動作をしている方なら実感できるはずです。
例えば僕の専門のキックボクシングでも相手が接近して首を掴みに来た時や打ち合いになって距離が詰まり過ぎているときには、瞬間的に両手で相手を押して距離を開け、そこで打撃を打つ事があります。
こんな動作をする時には体幹が強く安定する必要があり、押すための全ての筋肉を協働させるために、脊柱の不必要な伸展(背骨の反り)を伴わず肩甲骨を寄せ過ぎない肩の位置から押すわけです。
腕立て伏せでも肩関節も含めた関節の安定性を意識するわけです。
それについては昨日のブログでも書きましたのでぜひご参照ください。
さらにその全身の関節の安定性を学ぶために床で行うダンベルプレスはとても有効です。
最初はこの画像のように膝を曲げ下半身を安定させ、胴部と肩関節の動きの習得に集中します。
その次に膝を伸ばし、カカトで床を押して臀筋の収縮を作り、スパインプランク(仰向けのプランク)状態で同じようにダンベルプレスを行います。
ダンベルを使う事で自体重がかかる腕立て伏せよりも軽い重量で動作習得する事ができ、さらに床がある事で肩甲骨の動きの制限も学習できるわけです。
エクササイズはただやれば良いというわけではありません。
しかし単に細かくすればより良くなるわけでもない。
何のためにそうやって動くのか?
目的に合わせた動き方を理解する事で、それを身につける方法も割り出す事ができる。
それを実践しているのがQuestなのです。