海外からも注目の的!植物の力を最大限に生かした盆栽
須坂のすごい技術を持つ方を勝手に「Suzaka Meister」と命名。
今回は明治創業の盆栽店・松山園 四代目園主 山本 千城子さん。
日の光が降り注ぐ気持ちのいい園内には、山本さんが丹精込めて育てた樹種も樹齢も様々な盆栽が並ぶ
女性でただ一人の日本盆栽協同組合認定盆栽技能保持者
盆栽の世界も女性が進出してきたのは近年のことだ。山本さんは兄弟の中では2番目だったが、一番上のお姉さんが別の道を希望したため山本さんが四代目として家業を継ぐべく園芸高校へ。しかし当時女性は園芸科への受け入れがなかったため、生活科へ進み、卒業後はすぐ店に入って修行をした。知識と技術を磨き、長年の功績が認められ、女性で初めて、そして唯一の盆栽技能保持者に認定されたのだ。
従来の盆栽とは根本的に違う山本さんの盆栽
一般的な盆栽は短期間で幹を太らせ、針金をかけ形にしているけれど、樹種が違うのに同じような形にしようとすることに疑問を感じていた山本さん。盆栽の常識では直根(種から最初に下に伸びてくる根)は早い段階で切除してしまうが、山本さんは直根こそ大事にし、植物が生きようとする力を活かしながら太陽と風を利用して整姿整形し、味わい深い、洒落た枝を作ることに情熱を注いでいる。
今や海外からも評判を聞きつけて盆栽愛好家が山本さんの技術を学びに来るが、あまりに彼らが常識だと思っていた盆栽と考え方も技術も異なるので、皆とても驚くのだという。
自然の力で味わい深い枝を作るのが山本さんの真骨頂
盆栽初心者におすすめの樹種とは
「盆栽を置きたい環境・手入れがどのくらいできるかによるので一概に言うのは難しい。手頃な値段の盆栽もあるけれど、初心者には手入れが難しい場合も多いので、まずは気軽に相談して。あとは、秋にどんぐりや松ぼっくりを拾ってきて、種から育てることもできる。」とのこと。地域のワークショップでお子さんにも教えているので、そういう所から初めてみるのも良さそう。
盆栽作りは「嫌いではない」!?
元々家業は姉が継ぐと思っていたこともあり、自分から希望したわけではなかった。だから好きかと聞かれると「嫌いではないと思う」という感じ(笑)ただ、盆栽は自然相手で時間もかかるし、なかなか思い通りにならないから、面白い。研究して、あの手この手の戦略を組み合わせて、5年後にやっと成果が分かるから、うまくいった時の喜びはひとしお。(それは好きなんじゃないですか笑?)
山本さんにとって「盆栽」とは?
「盆栽は自然と共存しながら作り手の想いを表現して遊ぶもの。」敷居が高いイメージの盆栽だけれど、形式に囚われず気軽にトライできそうだ。
松山園
住所 長野県須坂市幸高町屋敷添438-1
TEL 026-248-0080
OPEN 10~18時
定休日 水曜日
E MAIL chiya0427@gmail.com