悪質な業者を撲滅させるためにはどうすればいいのか?
以下はあくまで私感です。ひとつの意見としてこんな考えがあるのかと思ってください。
繰り返しにはなりますが、現状として悪質な業者に対してできることは私たち一人一人が知恵を身に付け、NOと言える姿勢を見せることでしょう。残念ながら個人が自己防衛策を取る以外にないと言えます。
今後は以下のような対応が望まれます。
① 公的な機関による留学支援
→役所や大学の国際交流課がもっと留学希望者に対して積極的なサポートを行うべきです。とはいえ、全国各地隅々までの役所が対応できるとは思えません。予算や人員に限界があるためです。しかし、留学希望者は例えば高校生であれば一般の日本の大学へ進学を希望する生徒に比べてわずかな数しかいません。市区町村レベルの行政単位では対応が難しいですが、都道府県など大きい単位であれば十分に対応可能だと言えます。最寄りの役所からオファーを受けて、担当職員が出向くことぐらいできるはずです。また、大学生については大学がもっときちんと学生の留学をサポートするべきです。現状では厳しい意見を言うばかりで、何かを質問すると業者を使うなと言う反面、自分で調べて自分で手配しろの一点張りです。これでは結果的に業者を利用することを促しているようなものです。自分で手配することを促すのであれば、親身に担当職員をつけて留学プランを組み立てるお手伝いをするべきです。大学の職員は国際交流課に配属され、それで給料をもらっているわけですから、学生を支援することが仕事だということをもっと自覚して欲しいものです。公的な機関が留学支援に乗り出すことで、民間が商売として行う意味はなくなり、最終的には悪質な業者を排除できると思われます。
② 公教育の充実
→2020年より英語が小学校でも必修化されます。当面は小学校5年生から二年間だけの実施ですが、いずれは3年生から科目として導入される予定です。指導者については議論を重ねてきましたが、小学校教員がそのまま担当する結論に至りました。数年をかけて研修を打っているようですが、残念ながら実力不足の教員が多いと予想されています。また地域格差も著しいと言われています。現状の中学校においても、特に公立学校においては英語教育がうまく機能しているとは言い難いため、小学校から始めたからといって子どもたちの英語力がたちまち伸びるとは考えられません。どころか保護者の不安を掻き立てるといった最悪の事態を招いているのが実状です。ここにつけ込んでいるのが悪質業者です。近年、子ども向けの英会話スクールや英会話教材が大盛況です。子どもの教育にお金を惜しまない日本人の習性を利用し、荒稼ぎをしています。しかし、そもそも公教育がきちんと機能していれば業者の出る幕などなくて済みます。日本国憲法には教育を受ける権利、そして教育を受けさせる義務が規定されているにも関わらず、親が大金をはたいて副教育を受けさせないとまともな英語力もつかないなんて状況にあることの方がおかしいのです。お稽古として英会話に通うことや教材を購入することは高額な費用がかかりますから、当然すべての人ができることではありません。子どもの貧困率が年々上昇傾向にあるとも報道されています。低所得世帯の子どもはどうすればいいのでしょうか?
すべての人に質の良い教育を提供できてこそ先進国です。どうか親が英語教育のために大枚をはたく必要がない状況を一刻も早く整えて欲しいと願うばかりです。私的な意見ではありますが、小学生への英語教授に対しては教員資格の云々に関わらず、地域にいる高い能力を持つ方を登用していくことで指導力不足を解消できるのではないかと考えています。教育関係者の方々には是非、一考していただきたい次第です。
③ 一人一人の意識改革
→ここまでは学校や行政といった公的機関の努力不足が業者の暗躍を招いていると述べてきましたが、原因はそれだけではないと思われます。英語学習をめぐる悪質業者多発の最たる原因は日本人一人一人の勉強不足にあると考えられます。実は高校までのカリキュラムで英文法はすべて習得できているはずなのです。大学受験のためにはかなりの数の単語を覚えているはずですし、それなりの長文を読む訓練もしているはずです。それにも関わらず、多くの日本人が大卒であっても英語を話す・読む・聞くことができない状況なのはなぜなのでしょうか?答えは日本人の成人における学習意欲のなさにあると言えます。OECDの調査によると、日本人の成人で学習を継続している人は先進諸国の中で最低というデータがあります(教育機関等で学んでいる社会人はわずか1.6%)。社会の求めるニーズが複雑かつ高度化している現状を鑑みると、これはあまりにも時代遅れな事態です。つまり学校を卒業した多くの日本人はほぼ勉強をしていないというわけです。それ故、学んだことをすべて忘れてしまっているのです。
そんな状況に業者はつけ入ってきます。「仕事で突然、英語が必要になったから」・「子どもに英語を教えられないから」、と売り込みがかかったら、思わずビクッとしてしまう人も多いことでしょう。
要はそういった状況に自分が陥っていなければ業者の手に乗ることなく生きていけるのです。そのためには自分自身が勉強を続けていくことが大切です。それが一番、費用もかけずに力を伸ばす最短ルートです。大学受験のために買ったテキストは捨てずにとっておきましょう。毎日、少しずつでも構わないです。英語力をキープするために単語帳をやりましょう。本屋に行けばたくさんの参考書が販売されています。自分の実力に合った参考書を数冊手元に置いておくだけで英語力はつけられます。単語帳・文法集・ボキャブラリー問題集を各一冊ずつ持っておけば十分です。図書館に行けば英字雑誌や新聞はあります。申請すればコピーも可能です。数枚コピーしてそれを読むだけでも立派な勉強です。スマートフォンにはリスニング用のアプリがたくさんあります。その多くがダウンロードは無料です。時間を上手に遣うこともひとつの鍵です。通勤・通学の間であったり、何かの待ち時間といったふとした隙間時間には英単語帳を開いてみませんか。すべての時間を生産的に遣えば、忙しい日常の中でもっと勉強に当てられる時間は見つけられるものです。
業者に任せれば大丈夫、業者に申し込んだから勉強している、といった考えは幻想です。英語は自分自身が身を粉にして学習しないと身につくものではありません。逆に言えば、きちんと努力を続ければ、大金をはたかなくても英語力は伸びます。すべての人が自助努力で賄えるようになれば、自然と業者の出番はなくなり、悪質業者の消滅につながっていくと信じています。