高音発声が苦手な場合
高音発声が苦手な方の多くは
地声の限界点あたりから“喉締め”が入り
中音域全体が
喉締めの影響を受けてしまった声に
なってしまっていることが多いです。
ですのでまず
喉締めを起こしにくいエリアの声を聴かせていただきます。
男性ならC3~G3あたり
女性ならG3~C4あたりの
けっして高くない音域の声を出していただくのですが
その際こちらは
本当に驚くことが多いです。
というのは
リラックスしていただきながら
その方の状態に応じて
適宜必要な言葉をかけていきますと
みなさん必ず
「めちゃくちゃいい声」
を出されることが多いからです。
そしてまた
その声は今まで使われたことがなかったり
その魅力にご自身が気づかれていないことが多いので
お互いが驚いている状態が生まれます(笑)。
「作った声」や
「キャラを被った声」
ではないため
すーっと人の胸に響きますし
その方が生まれ持った体を通じて出てくる声ですので
自ずと「個性」も出て
声に魅力がグッと出てきます。
また体が鳴るようになるため
女性に多い
「力強く歌えない」
という悩みはここでほぼ解消されます。
※喉をガッツリ開いてしまうと「器官」としての声になりますので
逆に個性は減少します。
上記の音域においては
「程よく開いた状態」
で発せられるため
個性を帯びた声になるのです。
こういった流れを通じて
「あ、これが自分のいい声なんだな」とか
「確かにこれなら無理なく出せるな」という感覚を
つかんでいただきます。
そしてその「いい声」を軸とし
地声の限界点付近まで上げていくことで
喉締めを回避したまま
地声の範囲を広げていくことが可能になります。
ただし喉締めがきつめに入っている方の場合は
喉を開いていくトレーニングも行ない
前述の「いい声」と接続する処置を行なっていきます。
喉の開き方はマンツーマンでやっていくと
割と早い段階でつかんでいただけることが多いです。
そこから先は人によって特に違ってくるため
その方の現在の状態によって
取り組んでいただく内容も変わってきます。
閉鎖がうまく使えてるな、という方の場合は
ミックスボイスに誘導していきますし
ファルセットがうまく出せている方の場合は
そこに地声をブレンドしていき
歌唱音域を広げます。
「閉鎖」や「ミックスボイス」に関してはまたあらためてご説明しますね。