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恋に落ちる、輪島寿司

2019.12.11 15:45

毎年、年の瀬になるとちょっと背伸びをしてカウンターの寿司を食べに行く。

1年頑張ったご褒美に、築地の裏路地に入ったところにある秘密のお寿司屋さんへ。

寿司っていつから自分にとってのご褒美フードになったのだろうか。


先日は友人と

「毎日食べても飽きない食べ物は何だろうか?」

という議題を酒のつまみに小一時間話し合った。


その時に最後まで「カレー」と「寿司」が競って、結局「寿司」が勝った。

デイリーなカレーより、ご褒美を毎日食べ続けたいという欲が勝った。


よく、美人(イケメン)は3日で飽きる。ちょっとブスくらいが恋愛には向いている。

なんていうけど、

このセオリーは食べ物においては全く持って逆だ。

(ちなみにわたしは人間だって毎日イケメンがいい。)


決定、輪島の毎日食べたいお寿司

話は引き続き、輪島の思い出に。

鶴瓶になったわたしは、KALPAで紹介してもらったお寿司屋さん「寿司処 伸福」へ。

日本海の海の幸への期待度は来る前から半端なく、お昼は寿司と何となく決めていた。

紹介してくれたお店がお寿司屋さんで、ドンピシャ。KALPAの奧さんに感謝だ。


到着すると、カウンターごしの大将に

「あ、KALPAさんの子ね。座って座って。」

と迎えてもらった。

奥の座敷からは地元のお年寄りがランチ会をしているらしく、楽しそうな声が聞こえる。

気温10度の小雨が降る寒空の下、てくてく海岸沿いの道を歩いてきたわたしは、

まるで恋に落ちる時かのようなスピードで、お店の温かさに気持ちがほころんだ。

この瞬間わたしはもう、伸福のとりこ。

KALPAを旅立つ前に、奧さんに

「絶対に《地物にぎり》か《能登丼》を注文するのよ。」

といただいたアドバイスを忠実に守って、《地物にぎり》2700円をオーダー。


しばらくして運ばれてきたお寿司はキラキラ・ツヤツヤしていて宝箱のよう。

この時ばかりは彦麻呂の言葉を遠慮なく拝借したくなる。

その日地元の港で採れた魚だけを使うまさに「地物」にぎり。

正直に言うと、お皿が到着してから興奮して、ぶっちゃけ、何の魚を食べたのか細かくちゃんと覚えていない。メモすらない。それくらい興奮していたんだと思う。

恋に落ちると、デートの内容も覚えてないタイプだけど、伸福でそれを疑似体験した。

岩のりのお味噌汁は、あごだしを使っているそう。

香ばしい香りと、磯の香りが気持ちよくって、付け合わせのお味噌汁なのに丁寧さが滲んでて最高だった。

東京でも散々、あごだしって使っているけれども地元の人の出汁の使い方やとり方って、やっぱりしっかりしてる。

お寿司で一番印象に残っていたのは《アジ》。

この油のツヤ感とピンク色の身が、ちょっとしたジュエリーみたいでキレイだったし美味しかった。

思い出すだけで今からまたすぐに食べたいくらい。喉の奥がキューってしてくる。

好きな人を思い出すと胸がキューっとなるのと一緒。


伸福のいいところは、シャリがちょっぴり小さめなところ。

シャリが小さめだから10貫も苦しすぎず、ちょうどよく完食できたんだと思う。

種類を多く食べたいわたしみたいな欲張りにはぴったりだと思う。

KALPAでデザートもコーヒーも飲めなかった話をしたり、何で輪島に来たの?とか。そんな話を大将&女将さんとしていたら、すっかりランチタイムが終わってしまう時間。

ここもまた居心地がいい上に、人がみんな親切で素敵なお店だった。

帰り際には、女将さんが

「輪島塗じゃないんだけど、よかったら持って行って。」

と言ってお箸をくれた。

どこまでやさしいんだ。どこまでわたしを好きにさせるんだ。


次に来るときは夜にも来てみたい。

2019年のご褒美寿司は「伸福」ということでまんぞく、満足。

もし輪島に住んだなら、きっと通いつめて痛風になると思う。毎日食べたいお寿司。


やっぱり、イケメンと寿司は毎日でも飽きない。うん、飽きないな。

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寿司処 伸福(しんぷく)

石川県輪島市河井町5-41-23

#1人でも #地元の人に愛されているお店

#夜は要予約 #大人数でも #中心地からちょっと歩く

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#るるぶにも載ってるらしい

けど #るるぶ旅はもうやめた #30歳からの旅のはじめかた