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stay gold

11/12/17

2019.12.12 22:02

心がまるで焼かれるような痛みと、優しさ。


「俺には心がない」


憎悪に泣きわめき、弁解を求めるあたしにそう言い放った彼は、もうあたしの知らない人だった。一年半もの間、あたしは一体なにを愛していたのだろう?なにを見ていて、なにを信じていたのだろう?

彼は尚も虚像だと、言い張る。


「最後くらい、嘘、ついて」

震える声で言った。


「本当にそんな人が、この世にいるなら。

あたしはどうやって生きていったらいいの?」


彼はもうなにも言わなかった。



心がまるで焼かれるように、痛い。

脳裏に焦げ付いていく追憶、その夢のなかで、色褪せた虚像が笑いかけてくる。彼に心がないわけがなかった。嘘ばかりつくのは、心のあるふりをしないと愛されないことを知っているからだ。愛されるということがどういうことなのかも、知らないくせに。あたしがまったくの盲目だったわけでもない。もしも罪悪感や後ろめたさがあるのなら、犯した罪を人に許されることで、それを知ってほしかった。


けれど、彼は狼少年だった。





「俺、もうこの件には関わるなって言われてるんだけど」


「こんな真夜中に駆けつけたくせに」笑ってみせる。きっとあまりにも、滑稽な表情で。


「一人で泣くなら俺の前で泣けよ」


優しい人が言う。それでまた、あたしは泣き出してしまう。



「傷つきやすくて優しくて、厄介なあんたの心は

どうか捨てないで」