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この道往けば act2

春日野隧道 後編

2019.12.13 14:56

中編の緑の壁から引き返し、十字路まで戻ってきた僕はこの看板の残骸を発見しました。

これはかつてネットで初めて「春日野隧道」の存在を知った時に、某有名サイトの写真に出ていた看板かと思われます。

ネットで見たときで既に傾いてたし・・・、いつ限界が来たんだろう・・・?

どう見ても頼りない道に「この道通行止め」と来たら、大概の車は逃げ帰るでしょう。

事実、上の力尽きた看板にはかつて「この先右も左も通行止め」という旨が書かれていました。

しかし僕は見逃しません!

「トンネル入り口ほうかいの為」

この看板を見て、僕は一気に現実に引き戻されました。

「あの春日野隧道に来ているのだ」ということを思い出したのです。


思えばこの隧道との出会いはかなり古いです。

ネット上で初めて見つけた福井県の廃隧道だったと思います。

ダートの、どうみても旧国道とは思えないような酷い道の先に、突然古代遺跡のような総石造りの隧道が現れるあの衝撃。

もう少しであの光景に出合えるのです。

どう見ても軽トラサイズの轍が森の奥へ続きます。

しかし轍の後は新しく、人通りは今なおあるようです。

近くに電力関連施設があるので、そちらへの通行の可能性も大いにありますが・・・。

ベアベルを忘れた僕は大声で歌いながら(笑)、この道をチャリで突き進みます。

途中、軽トラとすれ違いましたが、相当怪しい目で見られました。

人と会って変人扱いされるのは慣れてますが、ぷーさんとは会いたくないんです!!

なんか轍草が藪に移行しつつあるような・・・

限りなく藪に近い道

確信した。

この道にはしばらく四輪車は入ってない。

バイクも入ってないんじゃないかな?

ここをスピード出して走ったら切り傷だらけですよ。

もっとも藪が深い所から現国道8号が見えるこの皮肉。

シニカルだねぇ・・・。

位置的には武生トンネルを抜けた辺りが見えているはずです。

日当たりが悪い所ではこのようにかつての国道の面影をはっきりと残す場所もあります。

昭和33年と言えばスバル360、通称てんとうむしが発売された年。

(市道化は昭和43年とのことでした)

てんとうむしがこの道を走ったことはあったのでしょうか・・・?

だんだんまわりが開けてきました。

この光景はネットで見た光景。

もうすぐそこです。

あ・・・

きたーーーーーー!!!

ネット上でお見かけしてから苦節10年、ようやく会えたね!!

春日野隧道(かすがのずいどう)

阿曽隧道金ヶ崎隧道と同じく、特徴的な釣鐘型の坑口。

総石造りの重厚なスパンドレル。

どれもネット上で見た以上の迫力。

惜しいのは藪がうっとうしすぎる・・・。

洞内は情報通りの水没でした。

内部構造は煉瓦ですね。

長手積みですが、なかなかくねくねと曲がっていて(笑)、大変さがうかがえました。

アーチ構造って難しいよね(同情)。

一目見てヤバいとわかるポータル左上の崩れ。

これが通行止めの原因でしょうか?

洞内には目立った崩れはありませんし、「トンネル入り口」というのは「坑門」のことを言っていたと考えれば辻褄が合いますね。

白とびした写真で申し訳ありません。

しかし美しい。

藪が酷くて、全体を写せないのが残念でなりません。

しかしそれでも扁額だけはしっかり押さえました。

これを抑えねばレポ完了とは言えません。


今回はここで踵を返します。

しかし敦賀側からのアクセスはReverse編でしっかりやりたいと思います。

その時まで、しばしのお別れです。

また来るぞ!!


以上、春日野隧道編