東京ハンバーグ「人間と、人間と似たものと。」
もう1ヶ月ほど前ですが、東京ハンバーグ「人間と、人間と似たものと。」を座・高円寺で拝見しました。
東京ハンバーグさんは、少し前からお名前は聞いていましたが、拝見するのは初めて。「正太くんの青空」でお世話になった、宇鉄菊三さんが出演されるとのことでうかがいました。
冒頭、いろいろなところから役者さんがバラバラと入ってくるのですが、少しずつ音が足されていく感じが好きでした。そしてコロスとしての動きも美しい。集団美ですね。そして役者さんが舞台の三方に座り、しゃべる人はセンターで演じ、舞台脇のベンチへ座るとはけたことになるという、朗読劇のような仕組みも新鮮。
始めはそういったこのお話の構造みたいなところに注目がいきました。ものすこく想像力をかき立てられます。
お話は、ある国が他国に支配を受け、宗教、言葉、名前などを奪われ、挙げ句の果てに拉致後に臓器売買のために殺されてしまう…という悲劇を軸に、囚われる側、支配する側のストーリーが展開されます。
確か、支配する側が、支配される側の人たちが繁殖できないようにして、同じ人間をクローン技術を使って作り上げる…みたいな話もあったような…すでに記憶が曖昧になっていますが、ゾッとしたのを覚えています。
SFの世界のような話ですが、恐ろしいことにこれは空想の世界の話というわけではないそうで…そう聞くと、本当に怖くなります。
神の領域に、人間はどこまで立ち入れるのか。永遠のテーマですね。
宇鉄さんは、いつも佇まいが素敵です。なんでしょう、ただいるのが素敵というか、自然というか。今回は二役だったので、良い宇鉄さんと悪い宇鉄さんが見られて、個人的には楽しかったです。ヒゲ、似合いますね。
東京ハンバーグさんは、こういうメッセージ性の強いものを出しているところなのかと思ったら、いつもはもっとハートウォーミングな感じだそうで…今回が珍しいんだそうです。
集団美、動きや美術も美しかったので、また拝見したいなと思いました。