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この道往けば act2

大阪遠征第2弾 天王峠 後編

2019.12.14 14:51

ある意味これほどわかりやすい道の形もないでしょう。

これから行く道は常に見えているのです。

中編から続く九十九折れもいよいよ佳境。

ここで僕は一つ小さな発見をしました。

扇谷春橋(おうぎたにはるばし)

読みにくくはなっていますが、確かそう刻まれていました。

九十九折れを貫く沢には4本の橋がかけられています。


この沢の橋には命名に連続性があったのです。

上流側から順番に春夏秋冬が刻まれていた。

何とも風流ではありませんか。

僕はこういう道を作った人の小さな遊び心が大好きです!


扇谷1号橋とかなんか作業的でおもしろくないじゃん!!

秋冬も写真に収めたい!

ただ一つ不安が・・・。

最後のヘアピンカーブが終わり、いよいよ最後のトラバース区間が始まりました。

この九十九折れとは暫しの別れ。


実は上で書いた不安とは僕の凡ミス。

カメラの充電が切れそうなのです!!

車の探索だから充電できると甘く見た!!

拠点としてた大阪市内のホテルからここまで、意外と近かったのが盲点だった!!

問題はどこで切れるか!!

・・・俺のあほ・・・。

トラバース区間に入って、道は一気に寂れてきました。

というか廃れてきた!!

峠までいけるのか?

大丈夫なのか??

路肩逝ってる!!

これはいよいよやばい。

廃道まっしぐらどころじゃない。

既に片足突っ込んでらっしゃる!!

いちおう倒木は刈られているので、管理の手は入っている様子。

しかし杉葉が積もりすぎて、どこまでが道でどこからが路肩か判別不能。

近い将来見捨てられそうです・・・。

遺された警笛鳴らせも相当くたびれています。

固定材の形にさびてるのが何というか・・・、グロい。

しかし寂しげです。

これ自体、もう廃道の光景に近いものを感じますね。

カーブミラーだった棒に刻まれた「大阪府」の文字。

ここがかつて県道以上(ここは国道)の格をもった道だったことを教えてくれます。

この道は何とも言えない切ない雰囲気に満ちています。

僕の心象を現すように再び小雨が降ってきました。

ガードレールは谷底に向かっていますが、道は峠へ向かっています。

寒風トンネルのアレを思い出しました。

状況はどうなってるかというと・・・、

路肩どころか1/4ほど道自体が逝ってる!!

しかし最大の問題はそこではないのかもしれません。

これ以上、道の崩壊を抑えるために積まれた土嚢から、

杉の若木が育っとる!!!

どんなけ放置され続けてるのか・・・。

僕の感覚から言うならこの若木、芽吹いて3~5年は経っていると思われます。


そしてここで恐れていた事態が・・・。

カメラ、完全に沈黙しました!!

(エヴァのマヤ風に)

峠までもうすぐなのに!!

あと10分、枚数にして10枚程度持ってくれたら・・・。

こうなれば取れる手段は一つ!!

ワープ!!

ワープとは言いつつ30分以上かかってますが・・・。

これが先ほどの旧道の行き先。

そしてここが目標の地でもあります。

天王峠、着。

過去最高にしまらない形で迎えちゃった!!

天王峠はかつて摂津国と丹波国の国境でした。

でしたというのは現在は違うから。

現在の県境は前編に記したとおり、峠道の麓よりにあります。


これはかつてここで境界争いが起こったことによるもの。

生活の場である山がどちらの国に属すかは、非常に重要な問題でした。

結局、峠道を含めた区間は天王地区に属すということが決まり、現在でもこのような形になっているそうです。

ちなみに碑自体は新しいもので、珍しくも何ともありません(笑)

これが峠の全貌。

峠を車道化する際に7mほど、峠を掘り下げたという記録が残っています。


しかし実際、天王側から峠へはそれほど苦労する道のりではなかったことでしょう。

やはり天王峠の本領は丹波側にこそあると言えます。

しかし・・・、僕はここで大変なミスをしていました。

峠における最重要な石碑を撮り忘れた!!


なんということ!!

泣くに泣けない!!

国道425号ほどではないにせよ、上位に食い込む再訪する可能性が低い場所なのに・・・!!

しかし泣き言ばかり言ってても仕方ありません。

いつか必ず、再訪し補完編を行うことを約束して・・・。


以上、天王峠編

完?(探索は計画的に!!)