京都遠征第2弾 佐々里峠 前編
前回の井戸峠に引き続き今回も丹波高地の峠をご紹介したいと思います。
丹波高地は京都北部を中心に、兵庫、大阪、滋賀、福井にまたがる広大な高地で、皆子山(みなごやま・972m・京都府最高峰)、愛宕山(あたごやま・924m)、鞍馬山(くらまやま・584m)といった数多くの独立峰を抱えています。
さらにその周辺には北に野坂山地(のさかさんち)、西に中国山地(ちゅうごくさんち)、東に比良山地(ひらさんち)と山々が連なっていて、日本を二分するに足る山塊を形成しています。
今回ご紹介するのはその北端付近に位置する峠です。
まずは地図をご覧ください。
地図には映っていませんが、右手には京都府最高峰の皆子山が控えるこの地域。
現在地は国道477号、つまり右下の大布施集落がスタート地点です。
そしてここから北上し、京都市左京区と南丹市の境目に聳える峠が今回の目的。
佐々里峠(ささりとうげ)
いざ、レポスタート!!
さてここが件の国道477号の交差点です。
左が目的の峠へ続く県道。
京都府道38号京都広河原美山線
(きょうとひろがわらみやません)
どこかで聞いたことある?
そりゃそうでしょう。
この道は京都が誇る一大道路スポットの一角をなす道。
この交差点は起点でも終点でもなく、重複地点。
京都府道38号が国道477号の重複から離れる場所こそ、酷道マニア垂涎のポイント。
百井別れ
ぜひ、抱き合わせてご賞味いただきたい!!
いやぁ広い道だ。
いや、嫌味じゃなくてマジで。
この辺りの道の中ではマジで広いほうといえるこの道。
なにせメインストリートが酷道と名高い477号ですからね。
国道477号方面の花脊峠が最も道が広がるポイントかもしれません。
ここはまだ峠の麓ともいえない場所です。
しかしここにはかの田烏隧道でも傷跡を残した、台風18号の痕跡が生々しく残っていたので、こちらも伝えたいと思い、あえてこの位置からレポを開始させていただきました。
正直、凄かったです。
明らかに路肩が崩れてます。
この狭さでの路肩崩壊は地味に危険。
特にこの辺りはこの道が寸断されると、孤立すること間違いなしの集落が多くあります。
素早い復旧に頭が下がります。
道は断続的に広がったり狭まったりを繰り返します。
ここはその中でも結構えげつない狭まり方をしちゃった場所。
しかし幅員減少の案内さえない・・・。
でっかい斧で割ったかのような切り通し。
こういう古い作りが残るのも京都の道の素晴らしいところ。
というかこれ僕が好きなだけなんですが。
山村都市交流の森という何とも新しい可能性を感じる施設が目に入りました。
こういうのいいですね。
山村集落じゃなく、あえて山村都市と言っちゃうところが素敵です。
あ、ここ京都だから十分都市か。
敦賀も山村都市の仲間入りしないかなぁ・・・。
これが京都北部では普通の道幅。
そしてここからさらに減少させようという心意気がたまりません。
峠への期待と不安が高まります。
時々このように広がって・・・、
現実に引き戻す。
これによって通行に対するストレスはかなり跳ね上がります。
まぁずっと細いのは困りますが。
牛廻越みたいに。
そしてこの辺りにはこんな素敵なものが・・・、
アグレッシブすぎる橋!!
こいつはキてるぜ。
現役なのは間違いないでしょうが、一歩を踏み出すのに勇気がいる。
ちなみに対岸にいる外人さんは普通にこの上をチャリで走ってました。
まぁなら大丈夫だろ・・・。
対岸に到着。
でもね。
橋に一歩足を乗せた瞬間、
路盤がグニッって凹んだよ♪
メンテナンスをお願いします!!
下を覗けばそこそこ怖いもんです。
そもそも欄干ないですし。
落ちたら痛いだけじゃすまない高さって微妙に嫌です。
下流側は結構えぐれています。
思えば台風18号で最も荒れたのは、この川でした。
桂川(かつらがわ)
この地点では大堰川(おおいがわ)とも呼ばれます。
ここから丹波高地の水を集めた波濤が京都市内を襲いました。
そう考えると、今ここに立っていることが恐ろしくも感じます。
橋台は今もなお、石垣。
これでなお、台風18号の猛威に打ち勝ったこの名もなき橋に賛辞を送りたいと思います。
お前はよく耐えたと。
本当にすごい技術力。
石垣、いつか見直される日が来るかもしれませんね。
さて、そろそろ先へ進みましょう。
ススキの路肩と、奥の赤い吊り橋がいい感じ。
気分も乗ってまいりました!!
そしてやってまいりました。
懐かしの京都府道110号、能見峠への玄関口です。
ここも丹波の峠らしい、幽玄な雰囲気を持つ峠。
こっちにも確か素敵な橋がいっぱいあったなぁ・・・。
さて次回はいよいよ峠への上りが始まります。
冗長にならないように気を付けながら・・・、