紀伊半島遠征第12弾 林橋
さて前回とは打って変わって、今回の遠征で見つけた素敵な橋をご紹介します。
紀伊半島で橋と言えば・・・、皆さんもうわかりますよね・・・。
場所はここ。
地図中央の湖は自然のものではありません。
風屋ダム(かぜやダム)
戦後の電力不足により完成が急がれたダムとして有名なこのダム。
伊勢湾台風による被害などなかなかドラマチックな経緯を持っています。
そしてこのダムの完成を遅らせた最大の原因が交通網の不便。
今でもこんな状態の紀伊半島ですからそれも当然でしょう。
そこで改善されたのが地図を南北に横切る国道です。
国道168号
紀伊半島を縦断する道としては非常に高規格な道です。
和歌山県新宮市から大阪府枚方市に続く道ですが、台風に弱くしょっちゅう寸断されてる印象もあります。
探索中も国道425号との重複を離れる新宮市方面が通行止めでした。
しかし今回の主役は国道168号ではなく、そこから風屋貯水池を渡る橋。
まぁここは見た方が早いでしょう!
レポスタート!
怪しいよねぇこの道。
いきなりなんだと思うかもしれませんが、現役国道の脇のこういう道、すごい気になるんですよね。
しかもここは紀伊半島。
思わぬものが飛び出してくるのです。
そんな軽い気持ちで僕はここを降りていきました。
一応舗装されてるんですよ。
落ち葉がどけられていることからも現役であることがよくわかります。
横のフェンスも転落防止ですよね。
僕こけても大丈夫かな?
これぞ吊り橋!!
敷材はオール木材!
今までありそうでなかった100m越えの吊り橋です。
しかも木材なかなか薄いぞ!
落下防止ネットもなければ手すりもない(鉄線はある)。
シンプルイズベストな吊り橋!!
敷鉄線がある限り、落ちることはありえない。
そんなことはわかってる。
でもやっぱり・・・、
怖くないのかと言われれば怖い。
日本にもこんな橋あるんだねぇ・・・。
水量は少ないのですが、驚くほどきれいな色の水。
ダム湖って濁ってるイメージだけど、水量が少なければそうでもないのかな。
なんか逆に本当に自然の色なのか疑いたくなる青。
チンダル現象によるものなんでしょうが、驚くほどのきれいな青でした。
玉川ダムの宝仙湖の青い湖水が有名ですが、ここも負けず劣らず美しいですね。
中間地点に到達しました。
メインケーブルの懸垂線の頂点にいることが写真でもわかります。
この辺りになるともう眼科は河原で水はありません。
緩衝材がなくなったというのはある意味恐怖・・・。
振り返って撮影。
やっぱ長いなこの橋は。
ちなみに吊り橋のメインロープ(主塔から直接橋を支える最も太いロープ)は懸垂線を描くと言われていますが、それは正確ではありません。
確かにこの橋のように吊られるものが木材のように軽い場合は懸垂線に近い曲線になりますが、明石海峡大橋などの超大吊り橋では放物線に近い曲線となります。
その為、吊り橋のメインロープは懸垂線と放物線の中間の曲線と表現されます。
ちなみに細かい計算は超文系人間の僕には不可能なので(笑)、各自でどうぞ!
こちらには集落があります。
林集落(はやししゅうらく)
実はこの集落、写真では穏やかに見えますが、かなり重要な問題が・・・。
何を隠そう・・・、
この橋を渡らなければどこにも行けない立地なのです。
車道はどこにもつながっておらず、この橋が唯一の生命線。
奥の建物の建材とかどうしたんだろう・・・。
やっぱそれもこの橋渡したのかな?
空輸とか??
そしてこちら側には簡易な主塔が。
もしかしたら近年建て替えられたのかもしれません。
それほど古い印象は受けませんでした。
旧橋も見当たらなかったなぁ。
対岸には主塔はなく、岩肌に直接打ち付けて固定してある形式のようです。
山間部ではこのような吊り橋も多くみられますね。
しかし改めて見てもいかついなぁ・・・。
この規模でこの簡素さって、そうそうないんじゃなかろうか?
あとで確認したこの橋のお名前。
林橋(はやしばし)
吊り橋王国の中でも、個人的にトップ。
揺れ方、長さ、高度、どれも素晴らしい。
そして次回にかかわりますが、人がいないってのも素晴らしい。
林集落へ続く道・・・。
使う人は限りなく限定的・・・、しかしその住人にとっては何より代えがたい橋。
現役の橋も、大好きです。
ちなみに次回も現役橋。
長らく日本一だった有名どころをご紹介します!
以上、紀伊半島遠征第12弾 林橋編