旧国道8号第9弾 金ヶ崎ー阿曽 血塗られたトラップ編
前回までで踏破した区間はこんな感じ。
これからは概ね、線形改良を受けていない海岸線の国道を往きます。
しかし前述のとおり、旧道と呼べるものは少ないこの区間。
僕が目をつけている場所は3ヶ所しかありません。
これまで何度も走ったこの区間。
以前から気になっていた3カ所です。
現国道は今さら紹介するまでもないでしょう。
北進する今回の旅、早速「小規模切り通し」へワープ!!
これが件の切り通し。
「小さい」とはいってもそれは現在の国道の規模からすると小さいという意味で、一般的な道路から言えば十分大きな切り通しです。
今回僕はあえて、北側から突入を開始することにしました。
こちらの方が道筋がはっきり見えた気がしたというのが理由ですが、まぁぶっちゃけそこまで大きな差もありません。
この平場は誘ってるねぇ。
この先には隧道はおろか橋や標識など、オブローダーにとっての華はおそらくありません。
立地的なものや机上調査からもそれは間違いないでしょう。
しかしそれでも自分の目で確認しないと気が済まない自分のこの恨めしい性格。
今回もガードレールの向こうに吸い込まれました。
見れば見るほどいい!
やっぱり海の廃道、好きです。
道幅も車道を名乗るに十分な幅、舗装こそされていませんが路面はしっかり固まっています。
廃道というと不法投棄と密漁の巣窟となりえます。
そしてこういう看板があると、得てして自分がそういう人と疑われかねません。
気持ちいい道だけどここは早く通り抜けたほうがよさそうです。
有史から明治まで長らく人間の通行を拒み続けた越前海岸の姿。
ここに道を作る苦労を改めて感じます。
おそらくその装備が変わっただけで、ここに続く道の形はほとんど変わってはいないでしょう。
そこからはじき出された道を今から歩くと思うと、気合いが入ります。
だんだん廃道らしくなっていく道。
しかしまだまだ路面はしっかりしていて、歩くのに苦労はありません。
ただ・・・、奥が明らかに・・・、
茂ってる!!
思えば今歩いてきた道は岬の北側。
そして西にせり出した半島の先端から先は当然南側となります。
南と言えば日当たり抜群。
そりゃこうなりますよねぇ・・・。
足元には電柱が伏していました。
もしかしたらここは昔、電線が通されていたのかもしれません。
廃道化されても、電線だけはそこを通るというのはよくある利用法です。
しかしそれが屍と化しているということは・・・。
嫌な予感は猛烈な勢いの木藪によって考える余裕すら失わされました。
俺はこんなとこでいったい何をやってるんだ?
遺構すらないこの道を踏破して何の意味がある??
ただここで戻ったらそれこそ完全な徒労じゃないか。
そして俺は成果を求めてここにいるんじゃない。
その先の景色を見るためにここにいるんだ!!
ぬおおおおお!!!
がさがさがさがさがさがさがさがさがさ・・・・
ぎゃあああああ!!!
トラップだ!
またあいつだ!
またあいつにやられた!!
いばらだ!!!
枯れれば枯れるほど硬度を増すこの厄介な棘は、防寒防水のために2枚履きしているズボンを突き通し太ももからの出血に至りました。
どの季節でも常にトップに来る厄介者。
畜生!負けるか!!
魔のいばら区間を抜けると一時藪が収まりました。
これはこの先のさらなる藪区間によって日光が遮られたことが原因のように思われます。
覚悟が必要だな・・・。
しかし久しぶりに路面が確認できる場所を得て、ここが国道8号だったんだという実感がわきました。
気合いを入れなおします!
さぁこの道の先へ!