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この道往けば act2

中山峠 前編

2019.12.15 03:23

福井県内マイナー県道峠のお時間です!

最近これがマイブームです。

道に関してはかなり雑食な僕は、その時の気分が廃道だったり、酷道険道だったり、徒歩峠だったりとふわふわしてます。

その分このブログには幅広い道ネタが載せられてるかなとは思いますが(笑)。

今回ネタにする県道はこちら!

国道305号と福井県道19号武生米ノ線(たけふこめのせん・レポ未)を結ぶ一般県道。

過去に何度かこブログにも登場しています。

福井県道206号甲楽城勝連花線

(かぶらきしょうれんげせん)

難読地名同士を結ぶ県道です。

それではレポスタート!

越前市勝連花(しょうれんげ)

なんともかっこいい名前の集落名。

ここから今回のレポが始まります。

現在地は福井県道19号、もう一つ向こうの交差点を右折して今回レポする福井県道206号に入ります。

青看に素直に従ってこの交差点を右折すると、狐に化かされて元の道に戻るので注意が必要です。

19号の旧道ってだけの話ですが。

こちらが本物の福井県道206号。

ちゃんと卒塔婆ヘキサがありますね。

皆さんもこれを目印にしてください!

アスファルトは若干荒れていますが、片側1車線を確保する立派な県道です。

この辺りは峠が多く存在する地域でかなり山深いのですが、その立地でこの規模は立派と言えるでしょう。

山の近くって清掃センター多いよね。

やっぱ人が少ないってことなんでしょうか。

兵庫遠征の三原峠でも峠間近にありましたね。

あそこは収集車大変だろうなぁ・・・。

しかし人気のない路線です。

夕方という人が最も街にあふれる時間でも、ここではほとんど車とすれ違いませんでした。

清掃センターの前ですれ違った黒い車くらいかな・・・。

ここで起終点以外で唯一の県道との交差点にぶつかります。

福井県道205号湯谷王子保停車場線

(ゆやおうしおていしゃじょうせん)

春日野隧道探索の起点となった道、ここが起点です。

この205号はその他にも越前西部林道の起点になってたりと、道好きの間ではよく使われる道。

今回は友情出演です。

ここが起終点以外の唯一の常住集落である湯谷(ゆや)。

これらの2本の県道が命綱です。

県道開通前は交通不便な場所だったんでしょうね。

到着。

地図を見れば一目瞭然でしたが、この中山峠はトンネル峠となっています。

昭和43年竣工、延長524mといういわゆる普通のトンネルです。

しかし実はこのトンネルには重大な秘密が眠っているのです。

日本中探しても珍しいものがこのトンネルに隠されています。

いいですか?

言っちゃいますよ??

中山峠は全国的にも珍しい

移動改名峠なのです!

この中山峠が貫いている尾根を東に数キロ行った場所に全国にその名を轟かす春日野隧道があります。

春日野隧道は春日野峠(かすがのとうげ・レポ未)を貫く隧道ですが、この春日野峠と現在の中山峠の間にかつて別の峠がありました。

梨子峠(なしことうげ)

春日野道から枝分かれした支線で、中山峠道と同じく越前海岸に続いていたようです。

春日野隧道は昭和30年に完成した武生トンネルをはじめとする新道にその主役を奪われ、交通の表舞台から退きます。

当然、その支線であった(この時点ですでに廃道状態だったという話もありますが)梨子峠もその運命を共にします。

この時、梨子峠は名前だけを残す峠となる運命がほぼ確定的なじり貧状態となりました。

しかしその10年後、梨子峠に一筋の光明が差すことになります。

それがこの県道計画、福井県道206号です。

南越前町側からひょろひょろと伸びる市道を勝連花まで延伸し、県道にする計画が持ち上がったのです!

しかし当然越前中央山地の西側の外輪である金華山や矢良須岳の稜線を新たに越える必要があります。

この時目をつけられたのが梨子峠!

まさかの大復活か!?

しかし実際にはかなり遠回りになるこのルートはボツとなりました。

直線的に無名の鞍部を穿つトンネルを掘ることになったのです。

それがこの中山トンネル。

湯谷集落の尾根をはさんだ反対側、中山集落にちなんだ名前が付けられます。

しかし一度は峠を越そうとしたにもかかわらず、それをトンネルにしてしまい、何かしら後ろめたい思いがあったのかもしれません。

ここで道路関係者はまさかの行動に出ます。

「峠自体を引っ越しちゃえばいいんじゃね??」

その手があったか!!(ねえよ!)

まさかのウルトラCを発動した道路関係者はさらにびっくりの行動に出ます。

「梨の木があったから梨子峠なのに移動したら梨ねえじゃねえか!名前変えるぞ!!」

そしてまさかのトンネル名から逆輸入で名づけられたのが現在の中山峠。

まさに最後の最後に振り回されて捨てられたかわいそうな峠です。

涙なしでは語れませんね・・・(涙)

ただ実はこの説には異論もあります。

改名はあったが、いくら何でも移動はなかったのではないかという説です。

僕もどちらかというとこちらの方が有力ではないかと思います。

何せ峠の名前は口伝であることが多く、はっきりとした資料が残っていないのです。

移動改名説が正しければ、このようなルートが想定されます。

いわゆる尾根型峠、嶺北では珍しい形です。

しかしここしか道を通せそうな場所はないのでここを予想しました。

そして改名説を後押しするものがこれ!

府中馬借街道(ふちゅうばしゃくかいどう)

越前海岸から武生(府中)に伸びる朝倉街道の支線です。

越前海岸から敦賀まで海運を利用する際に用いられ、木ノ芽峠越えルートより重宝されたとも言われる街道です。

それがこの中山峠手前から伸びているのです。

これほどの道を使わないなんてことがあったのでしょうか?

さらにこの街道には気になる名前の峠が・・・。

梨ノ木峠(なしのきとうげ・レポ未)

馬借街道にあるこの峠。

現在でもお地蔵様が残る歴史ある峠です。

梨子峠と梨ノ木峠・・・。

この名前の類似は偶然なのか?

この辺りは今後さらに詳しく追ってみたいと思います!!

トンネルを抜けるとそこにはよくある峠道の風景が広がっていました。

夕暮れの峠道、嫌いじゃありません。

この辺りがトンネルの名前の由来となった中山集落ですが、今は沿線に住む人もいないようです。

夕暮れも相まってさみしい雰囲気を醸し出しています。

は???

まさかの険道区間突入!!

後編へ!