春日野隧道 Reverse 苦難の始まり編
忘れられた道。
そんな言葉が似合う風景。
しかしそこには心もとないダブルトラックが刻まれ、現在でもかろうじて生きながらえていることを印象付けます。
ここを使う人はもはや林業者だけなのでしょうか?
刻まれた轍は明らかに軽トラサイズです。
こういう打ち捨てられた廃木材を見てると完全に林道の光景ですが・・・。
しかしここは本編でも話した通り、林道ではありません。
越前市道・南越前町道2056号線
現役町道・・・。
まぁ車入れるだけマシか。
越前市側はあんなだから。
しかしここはまだ現道とは並走中。
車の音はバンバン聞こえます。
それがまた物悲しく、旧道の悲哀をより如実に伝えるものでもありますが・・・。
並走区間は意外と長いです。
崖側の路肩に生えているのは福井県の県花である水仙。
越前海岸で2月に見ごろとなる水仙ですが、国道8号の旧道にこれほど生えているとは知りませんでした。
これは誰かに植えられたもの?
自然の植生ではない気がします。
しかしここに植えても現道からは見えないと思うんだよなぁ・・・。
対面の山の斜面には林道網が張り巡らされていました。
この林道は専用林道らしく、いつもゲートが閉まっています。
しかし確実にここより規格いいよなぁ。
林業での使用が活発だから邪魔になるってことなんでしょうね。
日当たりのいい場所では藪化が進行しています。
これ、もしかしたら夏場には地獄の藪漕ぎ道になる可能性もありますね。
刈り払いはされてるそうですが、その頻度が問題です。
集落があったようにも見えませんが、やたら長いストレートが現れました。
温見ストレートや加斗ストレートのように、基本的にグネグネした道しか行かない人は直線道路を見ると嬉しくなるのです(笑)。
名付けましょう。
ここは・・・、
具谷ストレートや!!
さっきの直線は偶然崖自体が直線的な形状をしていたことによる自然地形です。
一般的にああいう地形は古い土砂崩れの跡だったりします。
ここでいう古いは10年20年ではなく100年200年単位の古いですよ。
写真だけ見るとすごい山奥を走っているように感じますが、新旧分岐から分かれてずっと旧道は現道の横を走っています。
現道からは確認できませんが、旧道からは現道を行き交う車も確認できます。
ほんの数十mがこれほどまでに遠い。
旧道探索ならではのわくわく感ですね。
今までからっからだった旧道に突如水気が現れました。
雨水というより山からの湧水が旧道の路肩を通り流れているようです。
これがこの先、
探索の進行を予想以上に困難にするものだとこの時は全く思いませんでした。
路面を流れた沢水は小さな滝を作り崖下に落ちていきます。
この区間には石作りの暗渠があるという情報を仕入れていたのですが、発見には至りませんでした。
これは今後の宿題だなぁ。
春日野隧道に到達するの今日の第一目標。
夕暮れの探索で時間がなかったのです。
ここまで来てこの程度の沢水に怖気づくはずもなくザバッと一息に小川にも満たない流れを渡ります。
上で述べたとおり、ここから道は新たな局面を迎えます!