影路隧道 前編
今回紹介するのは国道158号福井県内区間で最大の遺構を擁する旧道。
有名な九頭竜ダム(くずりゅうダム)の湖畔に位置する廃隧道です。
細かな説明はいらないでしょう。
まずは地図をご覧ください!
これが今回探索区間。
核心部は何と言っても旧道南側の端点付近。
影路隧道(かげろずいどう)
現在の影路トンネルの旧隧道にあたるこの隧道。
さも現役のように書かれているこの隧道と旧道の今をレポします!!
それではスタート!!
奥に見えるトンネルが現道のトンネル。
影路トンネル(かげろトンネル)
1976年竣工、延長603m。
ダム湖畔にはよくみられるスペックのトンネルです。
岬のように張り出した山すそを穿ち、国道のショートカットに一役買ってるわけですね。
そして肝心の旧道は・・・、
いきなり廃橋!!
立合橋(りつごうばし)
「たちあいばし」ではありません、「りつごうばし」です。
しかしこの立地でこの程度の封鎖ということは強度的には問題ないということなのでしょう。
確かに健康そうです。
現道と旧道の位置関係はこんな感じです。
奥の山肌にも道が見えますが、あれは工事用道路だそうです。
旧旧道を再利用した可能性は薄いかな。
なんかやたらこっちは風化してないか??
廃隧道の吐く息は風化作用があるとでもいうのか。
リンゴを前に置いといたらおいしくなりそうだな・・・、キウイとか・・・。
そしてこの時点で見えてるんですよねぇ・・・。
いいよいいよ、この顔の出し方。
影路隧道(かげろずいどう)
旧道の主、自ら迎えていただき痛み入ります。
右書きですよ。
この隧道そんな古かったっけ?
右書きって戦前の話でしょ??
1965年竣工 、延長69m。
ですよねぇ。
つうかこの隧道、11年しか現役国道じゃなかったのか・・・。
もちろん旧道としての現役区間はもっと長いでしょうが・・・。
なんつうか・・・お気の毒です。
1965年と言えばお隣の九頭竜ダム(くずりゅうダム)の工事が開始された年、ダムあっての地域だということがよくわかりますね。
しかしこの158号は1953年に昇格した国道。
この隧道は1965年竣工・・・。
この12年のタイムラグはいったい・・・?
旧道があるとでもいうのか??
あるとしたら・・・ダムの底・・・?
フラッシュを使わず撮影してみました。
実際、廃隧道に入ったことがある人ならわかると思いますが、ここは暗闇と音の世界。
自分の足音、滴る水音、吹き抜ける風の音、全ての音が外界以上の大きさで聞こえます。
それほど長くないこの程度の隧道なら無灯火でも行けますが、もっと長い隧道でもしライトが急に点かなくなったら・・・。
発狂する自信があります。
サブライトは常備してるので大丈夫ですが・・・。
フラッシュオン!!
この隧道にはもともと照明設備はなかったようです。
まぁ70m程度の隧道ならよくあることです。
歩けばそこそありますが、車なら一瞬ですしね。
途中から明らかにシルエットがおかしいと思ったら・・・、やんわり崩れてました。
これが進化すると阿曽隧道みたいになるんでしょうね。
いずれは閉塞の運命か・・・。
こちらが影路隧道、福井側のポータル。
右側の土砂のおかげで廃レベルが上がってますね。
こういう佇まい、良いですよね。
隧道脇には主無き祠がありました。
現道の方にお引越ししたのかな?
確認できませんでしたが・・・。
さて、岐阜側に見どころが固まるこの旧道区間!
まだまだ行きますよ!