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この道往けば act2

永谷坂峠 前編

2019.12.15 07:54

1号

いい響きではありませんか。

パイオニアにしてトップ。

仮面ライダーにしても国道にしても、1号という存在は一目置かれる宿命にあります。


仮面ライダーは置いておいたとして、我が国の道。

その1号と言えば、言わずもがなの東海道。

東京を起点に大阪へ至る、我が国の2大都市を結ぶ一般国道最大の幹線です。


それでは我らが福井県道の1号はどこにあるのか?

意外と知らない人も多いんじゃないでしょうか?

県庁所在地の福井市?

かつて国際湾港都市として世界地図にも名前の載った敦賀市?

いえいえ、それはある意味、非常に意外なところにあるのです

それではレポスタート!

旅は終点から起点に向かいます。

福井県道1号は越県県道、起点が福井県なのでここは別の自治体です。

京都府綾部市(あやべし)


若狭、丹波、京都を結ぶ交通の要衝として知られる街で、現在でもそれは健在です。

鉄道ではJR山陰本線から舞鶴線が分岐する乗換駅として。

高速道路では舞鶴若狭自動車道と京都縦貫道の綾部JCTがあります。


ちなみに舞鶴線は東舞鶴駅まで、その先は当ブログでもおなじみ小浜線となります。

どっちもマイナー路線か・・・。

福井と京都の越県県道は県道番号が統一されています(塩汲峠編参照)。

つまり千年王城の政令指定都市を持つ京都府においても、この道は「1号」だということ。

あの・・・えっと・・・、センターラインはどちらに・・・?

もちろん時折、センターラインは帰ってきます。

でもね・・・。

すぐどっか行っちゃうんだよなぁ・・・。

あ、そろそろ道の紹介をしなくては・・・。

福井県道・京都府道1号小浜綾部線

(おばまあやべせん)

地図をご覧ください!

1枚目の写真の青看板に「小浜」の文字があり、また路線名も「小浜」綾部線ということもあり分かると思いますが、この県道の起点は小浜市です。

しかし、かつてこの県道には別の名前がありました。

京都府道・福井県道山家本郷線

(やまがほんごうせん)

山家というのは昭和25年の綾部市発足時に合併した何鹿郡山家村(いかるがぐんやまがむら)を指すので、何ら問題はありませんが、問題は後半。


本郷とは平成の大合併で消滅した大飯郡大飯町(おおいちょう)発足時に合併した本郷村を指します。

大飯町は現在、遠敷郡名田庄村(おにゅうぐんなたしょうむら)と合併して、大飯郡おおい町となっています。

つまり普通に行ったら小浜には着かないのです。

答えはいたって単純です。

国道27号と起点からずっと重複しているから。

現行の道路法に移行したタイミングで、起点と終点の入れ替えと本郷村から小浜市までの路線延長が行われたのがその理由。

こういう指定は結構あります。


国道162号も起点は敦賀だしね・・・。

つまり真の福井県道1号の起点を知る人はほとんどいないのではないでしょうか?

その答えはレポの最後にお教えしましょう!

こんな何の変哲もない。

いや、どちらかというと険道寄りの路線ですが、1号の名前にふさわしいある期待を背負っています。

国道昇格・・・。

う~ん、国道27号のショートカットか・・・。

起終点同じだし、ぶっちゃけ国道化するほどの重要路線でもないと思うんだけどなぁ・・・。


ここを国道化するくらいなら国道476号の段ヶ岳峠(だんがだけとうげ・レポ未)の不通区間を早くどうにかしてほしい。

あれが開通するだけで敦賀大野間が30分は違うんだよ!!

いよいよ本格的に狭まってきたな。

終点から京都府道51号舞鶴和知線(まいづるわちせん・レポ未)までの区間は概ね片側1車線が確保されていますが、県境の峠に向けて断続的に狭溢が現れます。

それは福井県道・京都府道771号名田庄綾部線(なたしょうあやべせん・レポ未)を過ぎるとより顕著になります。


ちなみにこの771号、塩汲峠の772号と合わせて福井県内に2本しかない700番台県道です。

越県の影響ですね。


ただし県境の尼来峠(あまきとうげ・レポ未)が不通となっていますが・・・。

ここは鉄道開通以来の廃道という曰くつきの場所。

登山装備がいるなぁ・・・。

まったく忘れられているというわけでもなく、橋などは意外と新しいものもあります。

道幅は集落の関係で広げられないというのが正直なところなんでしょう。

あ、だから国道にしたいとか・・・?

そしてやたらクネックネしてますけど。

どうなのこれ?

そしてまた幅員狭まるのか・・・。

なんか渋い橋あるなぁ・・・。

こんなけ雨降ってなければいろいろ探索するんですが。

奥も石垣なのかな?

また今度回収に来なくては・・・。

そしてここが京都府側の最終県道交差点。

京都府道487号老富舞鶴線

(おいとみまいづるせん・レポ未)

こちらも舞鶴市境の胡麻峠(ごまとうげ・レポ未)にて不通です。

この辺こんなんばっかやないか!

ここで雨が強まってきました。

しかしもうすぐ県境。

カメラ壊れるなよ・・・(汗)。

峠は近いはずなのに、まったくそんな雰囲気が無い・・・。

永谷坂峠(ながたんさかとうげ)

それがこの峠の名前。

しかし僕はこの時、別名の方を思い出していました。

それは京都側からこの峠を越えた者を陥れる錯覚。

一度聴いたら忘れられないそのインパクトのあるネーミング。

個人的にはこっちの名前を推したいと思います。

それは・・・、

逆峠(さかさとうげ)

登ってきたはずなのに下っているかの如く、平坦な峠ということを由来としています。

標高313m、この辺りの峠としては低い部類です。


本名(というか良く知られている方)の永谷坂峠の由来は、この先福井県側で分かります。

逆峠が京都側からの呼称、永谷坂峠が福井側からの呼称ですね。

峠の両側で呼称が異なるというのはよくあること。

だから峠の名前は複数あるわけです。

左の石碑

「従是西 丹波國何鹿郡」

ようは「ここより西は丹波の国何鹿郡ですよ」と書かれています。


この地域は何鹿郡奥上林村(おくかんばやしむら)だった地域なので、綾部市に合併した昭和30年以前のものと思われます。

そしてもちろん、お地蔵様もしっかり残っています。

手を合わせて後半の旅の安全を祈ります。

そしてここから・・・、永谷坂の由来を知る福井県側に突入します!

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