ギルビー・クラーク #3 / 中から見た80年代のハリウッド
80年代、ハリウッドを中心に巻き起こったハードロック・ヘビーメタルのムーブメント。
その中で様々なロックバンドを世に送り出したライブハウス・Cathouse。
その元オーナーが様々なミュージシャンにインタビューしているこのシリーズ、元Guns N' Roses のギタリスト、ギルビー・クラーク編Pt.3です。
多様性に溢れた時代
13:50 ~
In: 1984~5年の頃のハリウッドって面白かったよね。
G: ああ、本当に。様々なタイプの音楽が溢れてたな。
当時はメタル全盛だったけど、Warrantのようなもう少しポップなのが流行りつつあったし、カントリーミュージックのクラブがあったりだとかね。
In: San Fernando Valley / サンフェルナンド・ヴァレーにあったカントリーのクラブって、距離で言えばハリウッドから24kmほどだけど、音楽的な距離はもう遥か彼方だったよな。(笑)
G: そうそう!CathouseやScreen、Bordelloといったライブハウスがある中で、カントリーのクラブもあったりして、色んな事が起きていた時代だったよ。
他地域からの流入
22:14 ~
In: 1987年頃のLAのミュージックシーンと言えば何を覚えてる?
G: 色んなことがクレイジーになってたよな。雑誌やフリーペーパーにオレが聞いたこともないようなバンドの広告がたくさん載ってたり。
で、彼らがトルバドールなんかでヘッドライナーのショーをやってソールドアウトにしてたんだ。
それ以前は、ハリウッドで小さなコミュニティの連中が皆顔見知りみたいな状態でやっていたところに、突如ハリウッドを拠点としていない連中がたくさん現れた。
「こいつらがどうやってショーをソールドアウトにしてるんだ?」とか「本当にソールドアウトになってるのか?」とか不思議に思ってたよ。
だから、オレとしてはちょっと戸惑いもあったけど、シーンの中心にいたのはいつでもハリウッドの連中だと感じていた。
Cathouseの雰囲気
23:05 ~
In: 僕はいつも厚かましくも「Cathouseのシーン」と言わせてもらうんだけど、うちに出ていたバンドと他の連中には大きな違いがあったと思うんだ。
僕は、うちによく出ていた Guns N’ RosesやLA GunsにFaster Pussycat, Jetboy辺りを一括りに見ているんだけど、彼らはいわゆる*Sunset Strip / サンセット・ストリップのシーンにいたヘアメタルバンドとは異なるんだよ。
G: 一般の人達はCathouseとサンセットのムーブメントを一緒にして考えがちだけど、僕も君の意見に賛成だ。
Cathouseはもっとダーティーで、退廃的な雰囲気のある感じのクラブだったね。
*サンセット・ストリップ
東京で言うと、国道413号線の一部だけが「表参道」と呼ばれているようなもの。
ロサンゼルスを貫くSunset Blvdと呼ばれる道路。その中でホテル・高級ブティック・ナイトクラブが集まる特に華やかな一部(まさに表参道的)がこう呼ばれている。
近年は僅かしか残っていないものの、昔は多くのライブハウスがこの辺りに存在し、いわゆるLAメタルの連中も多く出演・たむろしていた。
いかがだったでしょうか?
まぁ、これはあくまでCathouse側から見た視点ということになりますが、確かにGNR / LA Guns / Fasster Pussycat と並べば、それはやはり一般的なヘアメタルと定義されるバンドとは少し違う(速弾きの比率が低い?・笑)ように感じられますよね。
でも、Guns はWhiskyを始めとする他の小屋にも出ていたのでね…
では、次回Pt.4では、さらにディープな話が飛び出します。